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シーソラプチ川

(ラフトスタート地点〜国体コース終点)

シーソラプチ川集合写真 カヌークラブ7月の例会初日は、殆ど毎年のように下っているシーソラプチ川である。
 金曜日は雨が降って1日で水位が30cm以上も増え、これは5月の沙流川、6月の石狩川に引き続き、大変な川下りになりそうだと思ったら、土曜日の朝になると一気に20cmも下がっていたので、ホッとしたような残念なような複雑な気持ちがした。
 それでも、今まで下った中では水は多い方である。
 これまでの例会でもシーソラプチ川は人気があって、多くの会員が集まるのだけれど、今回の参加者は13名だけでちょっと拍子抜けする感じだった。
 雨で水が増えていることを心配したのか、そろそろシーソラプチも飽きられてきたのか、理由は分からない。
 スタート地点の様子からでは、それほど水が増えているようにも見えない。水が多いか少ないかは、そこから少し下った先の五流の瀬でハッキリするはずだ。
シーソラプチ川ダウンリバースタート ドライスーツの空気抜きをするため川の中に入ったが、シーソラプチの水は強烈に冷たかった。
 もう7月なので、ドライスーツを着るかどうかで迷っていたけれど、気温も低くてこの水の冷たさでは、ドライスーツ以外で下るのは考えられない。
 集合写真を撮って、川下りのスタート。
 増水の影響なのか、曇り空のせいもあって水の透明度は今一つである。
 ちょっとした瀬を越えてから前方に見えてきた五流の瀬。
 水が少なくても下れる場所を、去年新たに見つけていたので、躊躇わずにやや左岸よりの場所から斜めに進入する。
 この時、角度を付けすぎると正面の岩にぶつかってしまうけれど、今回はギリギリでそれをかわすことができた。
五流の瀬を下りる 後は後続メンバーの撮影に専念する。
 するとそこで、I田元会長が魅せてくれた。
 毎回のように何かをやってくれる元会長だけれど、今回もしっかりと皆の期待に応えてくれたのである。
 真っ直ぐに下ってきたと思ったら、突然カヌーが急停止。
 岩の隙間にスッポリとはまってしまったのだ。
 「普通はそこから下らないよな〜」と思いながらも、狙っても難しいような場所に見事にはまるのだから、さすがI田さんと言うしかない。
 カヌーから降りて呆然と瀬の中に立ち尽くすI田元会長。
 誰もレスキューすることなど考えずに、ただ笑いながらI田元会長の次の行動を優しく見守っているだけ。
 舟は何とかすき間から引きずり出してそのまま下流に流し、残った人間の方は、まるで風呂にでも入るように片足ずつ川の中へと入っていった。
 流されてくる舟と人間を回収しながら、もっと派手に飛び込んだ方が面白かったのにと勝手なことを考えている私だった。


こんなところに挟まった   そろそろと入水
こんなところに挟まっちゃいました   そろりそろりと入水

減水時の瀬の様子   挟まる方が難しいかも
減水時の五流の瀬   挟まる方が難しいかも

 五流の瀬の殆どの岩が水を被っているので、かなり増水しているのは確かである。
 でも、そのおかげで、隠れ岩に引っ掛かる事を心配しないで下ることができる。
 その分、瀬の波は高くなっているのだろうけど、先月の支湧別川を下った時と比べれば、緊張感は全然無い。
 カヤックの人にとっては、ちょうど良いウェーブが沢山あるので、楽しそうに遊びながら下っている。
 大型のカナディアンで入れるようなウェーブは殆ど無いので、指をくわえて見ているだけだ。
クランクの瀬もクリア シーソラプチ川をカナディアンで下るのなら、水は少なくても良いから、もっと水が澄んで天気の良い時の方が楽しいかもしれない。
 クランクの瀬も問題なく通過して、トラウマの瀬まで下ってきた。
 下見をすることも無く、先を下っているメンバーは次々とトラウマの瀬をクリアしていく。
 我が家が最後にここで沈したのはもう4年も前のことで、ここでのトラウマも殆ど消えかけている。
 何時ものルートで落ち込みに入る。
 真っ白な波しぶきが目の前に迫ってくる。
 次の瞬間、アッと思う間もなく、我が家のカヌーはひっくり返っていた。
 バランスを崩してしまったような感覚も無く、何の抵抗もできずに、水の中に放り出されてしまう。流される途中で、背中を水中の岩にしたたかにぶつけた。
 ひっくり返ったカヌーを元に戻そうとしたけれど、足の付かない場所では簡単にできる技ではないことを実感する。
 自ら名付けた「沈の花道」をゆったりと流されながら、O橋さんの投げたレスキューロープに釣り上げられて、岸に上陸。
 「くっそ〜、悔しいな〜」と思いながらも、何だかとっても爽やかな気分だった。
 最後に沈したのは2年前のヌビナイ川で、倒木と格闘した末の沈。3年前にアリーから今の舟に乗り換えて以来、流れにやられての沈はしたことが無いはずだ。
 もう自分達にとって、沈は無縁のものだと思い始めていた矢先、シーソラプチ川にその天狗になりかけた鼻をへし折られた感じである。
 沈しないで下るに越したことは無いが、沈もまた川下りの楽しみの一つなのである。


沈の瞬間   沈の花道
あっと言う間に沈   沈の花道を流される

気持ち良く下り続ける その後は特に何も無くシーソラプチ川を下り終えて、残るは空知川の国体コースだけ。
 会長夫妻が、三段の瀬で写真を撮るからと言って、タンデム艇で先に下っていく。
 沈してもセルフレスキューできるような場所とは言え、その勇気に感心してしまう。
 心配して見ていたが、無事に三段の瀬を下りたようで、カメラのスタンバイOK。
 順々に下っていき、いよいよ私達の番となる。
 もう何度も下っている瀬だけれど、その直前に来るまで先の様子が見えないので、毎度緊張してしまう。
 そして直前で、激しく流れ落ちる瀬の様子を目にしたら、後は何も考えずに突っ込むしかない。
 無事にそこを下ってホッとするが、この三段の瀬は下り終えた後に沈する人の方が多いのである。
三段の瀬を下る 左岸側からも分流が流れ込んで、そこに複雑な水流を作り出し、下ってくる舟を待ち構えているのだ。特に今日は水量が多い分、そこの罠も力を増していた。
 三段の瀬を下りた後はそのまま漕ぎ抜けてしまえば良いのだろうけど、そこでホッとして止まってしまったものだから、まともにその罠に捕まってしまった。
 バランスを崩して舟が傾いた瞬間、ガンネルを越えて大量の水が流れ込んでくる。
 慌てて体勢を立て直すものの、なかなかそこから抜け出せず、水の入った舟はますますバランスが取りづらくなって右へ左へと傾き、その度に水がどんどん入ってくる。
 カヌーは殆ど水没状態だけれど、二人とも2度目の沈だけは絶対に避けたかったので、必死になって何とか岸まで漕ぎ付けることができた。


三段の瀬を下る
三段の瀬を無事にクリア!と油断したら・・・

流れに捕まる   水舟
反転流に捕まってバランスを崩す   これでもカヌーは浮いている


 次は、パチンコ岩から渡月橋の落ち込み。
 ここで沈したことは少ないけれど、なかなか思ったようなルートを下ることができず、私のもっとも苦手な場所である。
下り終えてカヌーを運び上げる 水量が多い時はパチンコ岩の右側を真っ直ぐに下ることができるけれど、それではチキンコースになってしまうので、敢えて左から回り込むルートでチャレンジすることにした。
 パチンコ岩に真っ直ぐぶつかる流れは、何時もより波が大きく、流れも速くなっている。
 カヌーが大きく跳ね上げられながらも、上手く左に寄ることができて、そのままパチンコ岩を回り込んだ。
 次の渡月橋の落ち込みは、その真ん中に頭を出している岩が今日は完全に水没していた。そこは右岸寄りから進入して、無事にクリア。
 苦手にしている場所を、今回は頭に描いたとおりに下ることができて、沈の悔しさを少しだけ晴らせたような気がした。
 川原からの急な階段をカヌーを担ぎ上げ、今日の川下りは終了。
 シーソラプチ川と国体コース、何度下っても侮れない川である。


渡月橋の落ち込み
渡月橋の落ち込み

2009年7月11日 曇り
当日12:00 空知川水位(幾寅観測所) 354.02m
写真提供 サダ吉さん



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