トップページ > カヌー > 川下り日記

 

ヌビナイ川

(砂防ダム〜カムイコタン公園キャンプ場)

 5連休後半の歴舟川例会では、この日のヌビナイ川ツアーがメイン行事で、前日の歴舟上流部はオプショナルツアーだった。
 しかし、数日前に現地入りしてヌビナイ川を下っている他のカヌークラブの人達の話を聞くと、水が少なくて相当苦労するようである。
 水の少ないヌビナイ川を下る大変さは知っているし、前日の上流部でさえあれだけ歩かされたのだから、大丈夫なのだろうかと本気で心配になってくる。
ヌビナイ川スタート地点 おまけに今日は、I山さんが連れてきた会社の同僚、川下り3回目と言う若いカップルも参加しているのだ。
 でも例会は予定どおりヌビナイ川を下ることとなった。

 昨日の太陽にかかった暈が暗示していたとおり、空は鉛色の雲に覆われ、ぱらぱらと小雨も落ちてくる生憎の天気である。
 それでもスタート地点の美しさは何時も通りだ。
 ワクワクしながら渓流の中を漕ぎ始め、直ぐに待ち構えている「アリー潰しの落ち込み」。
 この水量では絶対に途中で引っ掛かるだろうと覚悟していたら、案の定最後の部分で岩に乗り上げてしまう。
 私達がそこで悪戦苦闘していると、後ろから下ってきたkenjiさん姫さんの乗るカナディアンが、私達の横をするりと下っていってしまったのにはガッカリさせられた。
 kenjiさん達も、ヌビナイ川を下るのは今回が初めてである。
 その後の「手始めの瀬」、「正面衝突の瀬」と大きな玉石を避けながらのダウンリバーが続く。


アリー潰しの落ち込み   手始めの瀬
下る場所が無いアリー潰しの落ち込み   手始めの瀬もこんな感じ

正面衝突の瀬 正面衝突の瀬では、衝突しないように早めにドローを入れるようにかみさんに言い聞かせていたのに、結局タイミングが遅れてしまう。
 「ドローッ!!」
 「遅い〜っ!!」
 ついつい大声を出してしまい、周りで見ていた皆から笑われてしまった。
 新入会員のガンちゃんも、釧路川から始まり今日が三日目。
 次第に川の難易度が増してきて、今日も苦労しながら下っている。
 次の「岩盤の左カーブ」では途中でコースアウトしてしまい、こっそりとチキンルートを降りていた。


岩盤の左カーブ   岩盤の左カーブ
あれれ?どっちへ行くの?   完璧なチキンルート発見!

 ここまでで相当に消耗しているメンバーもいたので、「集いのプール」入口の岸に上陸して小休止。
 私はまだぜんぜん疲れていなかったので、そのままプールの真ん中まで漕ぎ入れた。
 曇り空のせいで、プールの水の色も今一である。
 集いのプール出口にデンと構える「きらer岩」に登ってみた。この上からの風景もなかなか見ごたえがある。晴れている時のツアーならば、このきらer岩に登ってみることをお勧めしたい。
 記事を書きながら、ホームページのヌビナイ川マップの写真を確認したら、きらer岩の上に乗っている流木が、1本無くなっていることに気が付いた。
 この上まで増水した時の川の様子を想像すると、恐ろしくなってしまう。


集いのプール   きらer岩
きらer岩から見下ろす集いのプール  

きらer岩、流木が1本無くなってた


やけくその瀬 再スタートした後は「やけくその瀬」を本当にやけくそになりながら下って、次の「岩乗りの瀬」にやってきた。
 前を下っていたkenjiさん艇が、見事に真ん中の岩に乗り上げてしまい、私も慌てて流れの中に飛び降りて舟を止めた。
 kenjiさん艇には水が流れ込んで完全な張り付き状態。
 これは救助に向かわなければ駄目かと、カヌーを岸に寄せようとしたら、kenjiさんは強引にカヌーを持ち上げて、そのまま下流に流し、自分達は岸沿いに歩いて降りていった。
 次は私達の順番。真ん中の岩の左側を抜けられるように、流れの中でカヌーの位置を調整し、狙いを付けて乗り込んだ。
 しかし、手前にゴロゴロとしている玉石に邪魔されて思った通りのルートを進めない。
 「ドロー、ドロー、ドロー、ドローッ!」
 必死になってかみさんに声をかけたが、かわしきれずに岩に衝突、そのまま横向きになって張り付いてしまった。
 そこで慌てると、カヌーの中に水が入って厄介なことになるので、注意しながら舟を下りて、岩からカヌーを引き剥がし、再び乗り込む。
 ホッとしたのもつかの間、その下流の隠れ岩にまともにぶつかって、カヌーが大きく傾く。
 水舟になりながら、ようやくそこをクリアすることができた。


岩乗りの瀬下流   岩乗りの瀬下流
kenjiさんの舟だけが・・・   我が家は水抜き中です

 「やけくその瀬2」は二つに分流していて、またまた厄介なことになっていた。
 先に右側を下ったメンバーから左へ行けと指示が出る。その指示にしたがって左を下っていった人の様子を見て、やっぱり右へ行けと指示が変わった。
 要するに、どっちへ行っても苦労するってことらしい。
 上流で待機しながら様子を見ていた川下り3回目のF川君の彼女、知らない間に川の流れ流されて、よりによって左側ルートへ後ろ向きになったまま進入してしまった。
 こうなったら手の出しようがないので、彼女の運命は他の人にまかせるしかない。自分達は、タンデムで下るのは無理そうなので、かみさんを歩かせて私一人で右ルートを下る。
 無事に下まで舟を降ろせたところで彼女の命運を尋ねると、何と、沈もしないで左ルートを無事に下ったそうである。
 こんな川を下る時は、テクニックよりも運が生死を分けるのかもしれない。


やけくその瀬2を右へ   やけくその瀬2左ルート
私は一人で右ルートへ   ここを後ろ向きに下った人が・・・

 そうして、皆かなり消耗しながら景石橋の渓谷まで下ってきて、少し早いけれど昼の休憩とした。
 ここまでで全行程の約1/3、まだまだこの先にも苦難の瀬が待ち受けていそうである。
 美しい渓谷の中で記念撮影をして、再び下り始める。
 「おいてきぼりの瀬」を過ぎた先の名も無い瀬、サダ吉会長のカヌーが浅瀬に乗り上げ苦労している。
 やっと岩の間から抜け出せたように見えたが、奥さん一人だけが乗ったカヌーがプカリプカリと流されていく。岸に一人残されたサダ吉会長。
 ここの瀬にも「第2おいてきぼりの瀬」の名前を付けることにした。


けいせき橋の峡谷   一人っきりのきらerさん
ヘロヘロになって休憩   サダ吉さんが消えた!

 次は「惨劇の瀬」の手前にある、名も無い瀬。
 ヌビナイ川は瀬が多すぎて、この辺まで来ると名前を付けるのも面倒になってきているのである。
  そこを下り終えてカメラを構えていると、H川君のカヤックが流れてきた。
 ホイッスルで合図をし、F本さんが舟を回収する。
気持ちよさそうに?流れるH川君 そして続けてH川君本体がプカプカと流れてくる。
 本人の状態がどうかは知らないけれど、川の底まではっきりと透けて見えるような瀞場に流されてくる沈脱者の姿は、なかなか美しいものである。
 そんな様子に見惚れていて、ふと気が付くと上流からまたカヤックが流れてきた。
 F本さんに「もう1艇流れてきま〜す」と合図してから、そのカヤックの乗り手を探すと、ガンちゃんがトボトボと玉石の川原を歩いてくるところだった
 我が家のカナディアンの真ん中にガンちゃんを乗せて、カヤックが流れ着いた対岸まで送り届ける。
 「このままで下りたいよ〜」と駄々をこねてカヌーから降りようとしないガンちゃんを、心を鬼にして送り出した。

 次はいよいよ「惨劇の瀬」。
 ここは、水が多くても大変だけれど、水が少ない時は邪魔な岩が顔を出しているし、落差も大きくなるしで、水の多少に係わらず、惨劇の瀬の落ち込みヌビナイ川の一番の難所である。
 去年はここで舟を降りてしまったかみさんも、今年は素直にチャレンジする覚悟を決めたようだ。
 玉石をかわしながら急傾斜の瀬を下っていき、最後に待ち構える岩がからんだ嫌らしい落ち込み。
 何とか無難にそこをクリアして下っていくと、先程送り出してあげたばかりのガンちゃんが、また川の中を歩いているところだった。

 カメラを持って落ち込みのところまで戻る。
 H川君の彼女が次に下ってくるところだった。
 Y田さんが「ここはポーテージさせた方が良いんじゃないですか?」と言っている。
 間近でその落ち込みを見ると、確かにどう考えても初心者を下らせるような瀬ではない。
 でも、既に彼女の方が瀬の中を下ってきていた。いや、下ってきたというより、例によって止まることができずに流されてきただけである。
 でも、今度は一応前を向いて落ち込みに突入。そして今回も無事にここをクリアしてしまった。
 H川君の方は当然のことながら、既に沈脱していて、無事に下った彼女を下流で複雑な気持ちで待っているはずだ。


ガンちゃん   H川君の彼女
ガンちゃんが!   H川君の彼女は惨劇の瀬を奇跡的にクリア

 次は「蟻地獄ホール
 何時もなら、下見もしないで下るところだけれど、今回はサダ吉会長の指示により直前で上陸して、落ち込みの下見をする。
 「下見は止めた方が良いのに・・・」と思いながらも、一応は指示に従う。
逃げ出したガンちゃん そして無事にそこを下ってカメラを構えていると、ガンちゃんがカヤックを担いでスタコラと逃げていくのがを見つけた。
 「あ〜あ、やっぱり」
 下見をするのも良し悪しなのである。
 H川君達にも逃げられるのかと思ったら、彼らは果敢にもチャレンジするようである。
 先に下ってきた彼女の方は、相変わらず危なっかしいけれど、沈もせずにクリア。
 続いて下ってきたH川君、落ち込みにたどり着く前に既にひっくり返っていた。
 その状態のまま落ち込みに突っ込んだけれど、蟻地獄に喰われることも無く直ぐに抜け出せたのは、まだ救われた方だろう。
 さすがにH川君の消耗が激しく、その先の川原で再度休憩をとる。
 多分、私の見ていない場所でも沈していると思われ、相当に疲労が蓄積しているはずだ。


蟻地獄ホール   蟻地獄ホール
H川君、そこで後ろ向きになるか!   今年の沈大賞確実の豪快な沈脱

 このあたりまで下ってきたら、後はのんびりと下れるはずだけれど、水の少ないヌビナイ川はまだまだ私達を許してはくれない。
 初のヌビナイ川チャレンジにもかかわらずノー沈で下ってきたkenjiさん夫婦も、「あかりたんの左カーブ」にさしかかる手前の玉石だらけの瀬で撃沈。
痛そうな沈 見ている方が「痛たっ!」って声を出したくなるような、痛そうな沈だった。
 その先には川を完全に塞いでいる倒木もあり、ここは完全にポーテージするしかなかった。
 H川君達も、さすがにここでズルズルと流されていっては危険なので、かなり手前で確実に上陸させる。
 ポーテージを終えてから彼等の様子を見ると、H川君は下まで降りてきていたけれど、彼女はまだ上の方で四苦八苦していた。
 カヤックを引きずる力も残っていないようで、玉石だらけの川原を歩くこともできずにいる。
 見かねたかみさんがレスキューに行く。
 ポーテージ中の人をレスキューするのも初めてである。

 そうこうしながら、ようやくキャンプ場に到着。
 スタートしてから既に5時間以上が過ぎていた。
 この日の夜の宴会にはH川君達も無事に復活。
 さすが20代の若さである。
 一方、沈もせずに下り終えた私は、疲れ切って8時半には沈没してしまったのである。

写真提供 サダ吉さん・いしやまさん

2009年9月22日 曇り
当日12:00 歴舟川水位(尾田観測所) 102.32m



戻 る