「まなぶ」では春の陽気に誘われたように、沢山の学生たちがカヤックの練習をしていた。
このころから上空に暗い雲が広がり始め、やがて太陽の姿を隠してしまった。
気温は平年並み以上に上がっていても、日が隠れてしまうとさすがに寒く感じる。
今年は山スキーに出かけてもこんなパターンばかりが続いていて、先週末の初キャンプの時も全道的に快晴に恵まれているにも関わらず我が家がキャンプをしている付近だけが曇っていたりと、徹底的に天気に意地悪され続けている。
カヌーの時までこのパターンから抜け出せないようでは、この先が思いやられる。
途中の魚道は長沼用水で取水しているため、全然迫力がない。
蛇籠の落ち込みの手前に国道から車を乗り入れられる場所があって、いつも釣り人の姿を見かけるところだ。
今日も一人がフライのキャストの練習をしていて、それを見守るように数人の男性が立っていた。
その邪魔をしないように対岸ぎりぎりをゆっくりと通過していると、男性の一人が突然「こんにちは!挨拶しましょう!」と大きな声をかけてきた。
川を下っているときに釣り人の前を通過する時は、いつも頭を下げるようにしているけれど、離れた岸に立っている関係なさそうな人間にまで挨拶するほど私は愛想の良い人間ではない。
それでも相手から挨拶を強制されれば、無視するのも変なので軽く挨拶を返しておく。
すると今度は、「後ろから近づく時は、通りますと声をかけてください!」とまで言ってきた。
かみさんは素直に「は〜い」を返事をしていたけれど、私は「はぁ?」である。
キャストの練習をしている人間とは十分な距離が開いていて、そしてその周りの人間は全員がこちらを見ているのである。
それでも「後ろを通ります」と声をかけろと言うのだ。
多分、釣りのインストラクターか何かをやっている人間で、目の前を通る目障りなカヌーに一般的な礼儀を教えてやろうとでも思っているのだろう。
こんな人間が釣りを教えているのだから、すれ違うときに挨拶しても知らん振りをする釣り人が増えているのではと余計なことまで考えてしまう。
それぞれが自分の好きな遊びをしているのだから、それぞれが楽しくいられるような関係を保ちたいものだ。
蛇籠の落ち込みは、右岸寄りが素直な流れになっていて簡単にクリア。
その後は川の流れに舟を任せて、高速下に到着。
相変わらず太陽は雲に隠れたままだったけれど、気持ちの良いシーズン初のダウンリバーだった。
2008年4月6日 晴れ後曇り
Photo by サダ吉さん
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