トップページ > カヌー > 川下り日記

 

シーソラプチ川

(ラフトスタート地点〜国体コース終点)

 年に一度は下りたいシーソラプチ川。
 先月のカヌークラブ例会でも下っているのだけれど、我が家はその時は参加できなかった。そこで、サダ吉さん達が土曜日にここを下ると聞いて、一も二もなく札幌から日帰りで駆け付けることにする。
 朝早くに札幌を出て、9時半頃には前日から皆が泊まっている落ち庵に到着。
 サダ吉&きらerさん、Kevipa&ミエさんと会うのはこの夏3度目。10日の然別湖、11日の釧路川、そしてこの日のシーソラプチ川と、いずれも我が家は日帰り参加。
 皆さんはその間、キャンプをしながら川下り三昧の毎日を過ごされていたようで、羨ましい限りである。
 川下りには落ち庵滞在中のleo君も参加。同じく落ち庵滞在中のKudopapaは蚊に刺されて片目が塞がっているとのことで、川は下らずに車の搬送を手伝ってくれた。
 そして、私の木製パドルのブレード部分が割れていたので、アルミシャフトのパドルも貸してくれる。

スタート地点 スタート地点に行くと、カヌークラブ「ノーム」の皆さんが先に集まっていた。
 クラブのホームページは何時もチェックしているけれど、川で会うのは初めてだ。
 それでも、カヌー人口(特に川下り人口)の少ない北海道では、ほとんど知り合いのようなものである。
 私達が先に下り始める。
 昨日は結構強い雨が降ったはずなのに、川の水位は3cmほど増えただけ。
 それでも先月のクラブの例会の時よりは10cmほど多くなっている。
 水の透明度も素晴らしく、Kudopapaの話ではこれだけ水が澄んでいるのも珍しいとのことである。
五流の瀬 気持ち良く下って、まずは最初の難関の五流の瀬。水量が多ければ右岸寄りの岩の裂け目を通るのが一般的なルートである。
 でも、今日の水量では大型カナディアンはその裂け目に嵌ってしまうかもしれない。
 何時もならポーテージするところだけれど、先を下っていたサダ吉さん艇が左岸側の方を下りたので、我が家もそのコースで下ってみることにした。
 その結果、カヌーの底を岩にぶつけることなく、簡単に下りることができた。落差は大きいけれど、その下は穏やかな流れなのでバランスを崩すことも無い。
 岩の裂け目ルートと比べるとこちらの方がチキンコースっぽいけれど、水が少ない時にポーテージしなくて済むルートを発見できたのは嬉しいことである。
 Kevipaさんとミエさんはやや中央寄りを斜めに下りたけれど、こちらの方ではその先の岩にぶつかってしまっていた。

五流の瀬   五流の瀬
この位置から下りると・・・   岩にぶつかってしまう

 夏の日差しにキラキラと輝く水面がとても美しい。
 そして感動するほどに透明な川の水、釧路川の時のように川底を眺めながらの川下りとなる。
 ただ、釧路川と違うのは、岩が多いのでのんびりと川底ばかり眺めてはいられないところである。
透明な川の水 最近感じるのだけれど、アリーに乗っていた時はもっと慎重に岩を避けながら下っていたはずなのに、フリーダムに変わってからは少しくらい岩にぶつかっても平気なので、パドリングがかなり雑になっている気がする。
 これじゃあ駄目だと思って真剣に岩を避けようとしたものの、何故かぶつけてばかりである。
 最近はパドルを持ち替えずに逆サイドを漕ぐクロスストロークをマスターしたものだから、逆サイドに岩を避けるときなどは直ぐにクロスドローを入れる癖が付いてしまった。
 もしかしたらこれが良くないのかもしれない。
 ソロで漕ぐのならこれでも良いのだろうけれど、タンデムのポジションの時にスターン側でドローを入れてもあまり役には立ってない気がする。
 素直にスウィープストロークをした方がまだましだと思われる。
 でも、こんなことを書いていると「それはパドリングの問題ではなくて、夫婦間の息が合ってないからでないの?」って言われそうである。

美しい光景

 

瀬を下る

美しい風景だ   瀬が楽しい

 色々と悩みながら下っていた時である。
 小さな落ち込みがあったので、あえて一番落差の大きそうな中央突破を試みる。
シートが壊れた そして落ち込みを無事に通り過ぎると思った瞬間、強烈な衝撃がカヌーの下から突き上げてきた。
 白波に覆われて気が付かなかったけれど、その中に岩が隠れていたようだ。
 カヌーの底が凹んだんじゃないかと心配になったけれど、壊れたのはかみさんの座っているシートだった。
 シートの横木を支えていたボルト部分の穴が衝撃で割れてしまっている。
 川を下るときは何時も膝立ちの姿勢で漕いでいるのだから、シートが壊れても関係ないだろうと思っていたら、かみさんが「踏ん張ることができないのでこれでは瀬は下れない」と言い始めた。
 クランクの瀬は何とか下ったけれど、トラウマの瀬は私一人で下ることになる。


クランクの瀬
クランクの瀬を下る

トラウマの瀬 瀬の先には、途中で追い越していったノームの皆さんが集まっているし、例によってサダ吉さんもカメラを構えて待ち構えている。
 サダ吉さんはご自身のブログで「トラウマの瀬攻略法」について書いていて、その中で沈のサンプルが少ないとぼやいていた。
 その貴重なサンプルになってしまっては堪らないと緊張しながら突入したけれど、拍子抜けするくらいあっさりとクリアしてしまった。
 カナディアンに人が乗らないで舟だけで瀬の中を流したとしたら、余程変化のある流れで無い限りはひっくり返ること無く流されていくはずだ。
 それが沈するのは、乗っている人間が勝手にバランスを崩しているだけ。二人よりも一人の方が確実にバランスをとり易い。
 そんな理由で、タンデムよりソロの時のほうが簡単に感じるのかもしれない。

 その後も美しい流れを堪能しながら下り続ける。
 夏にしては気温も低めで、シーソラプチ川の水は何処よりも冷たいと言われているのでドライスーツを着たけれど、さすがにこれでは暑すぎた。
 美しい淵に来ると、ついついその中に潜りたくなってしまう。
 カーブの先で川の中央を塞いでいた大きな木の根が、いつの間にか無くなっていたのには驚いた。
 ちょっとやそっとでは動かないような大きさの根だったのに、大増水でもあったのだろうか。自然の川は同じ姿を保ち続けるものではないことを実感させらる。

透明な水
息を呑むような水の透明度だ

美しい淵   小さな落ち込み
トラウマの瀬を過ぎた後の美しい淵   小さな落ち込みも豪快に

 落ち庵で一旦上陸し蕎麦をいただく。
 今日は週末にも関わらず一般のお客さんがいなかったので、直ぐに食事にありつくことができた。
落ち庵で休憩 私達のような如何わしい集団は、営業妨害にならないように控え目に行動しなければならないのだ。
 川下り中にこうして美味しい蕎麦を食べられるのはありがたいけれど、ここであまり寛いでしまうと、その先を下る意欲が失せてしまうのが困りものである。
 そこで暫くまったりとした後、気合を入れなおして再び川下りを始める。
 国体コースに入る手前で、かみさんはシートが壊れていることを理由に嬉しそうにカヌーを降りてしまった。
 川が好きなくせして、瀬を前にすると何時も逃げ出そうとするかみさんなのである。
 国体コースは以前に一度だけソロで下ったことがあって、その時は思うようにカヌーを操ることができたので、一人で漕ぐのは望むところである。
 まずは三段の瀬も全く問題なくクリア。
三段の瀬 ここをタンデムで下ると、バウが波に突き刺さって思いっきり水を浴びることができて楽しいのだけれど、バウに重しが乗っていないと波の上をフワリと越えてしまうのであまり面白くない。
 ここ国体コースを舞台にもう直ぐ北海道カナディアンカヌースラローム選手権大会が開催されるので、コース上にゲートが設置されていた。
 大会目指して三笠カヌークラブの面々が練習していたので、私もスラロームのまね事でゲートをくぐってみる。
 千歳川に時々設置されているようなゲートと違って、ここのゲートをくぐろうとすると全力で漕がなければならない。
 おかげであっと言う間に体力を消耗してしまった。
 それにソロで漕ぐときは壊れた方のシートに座らなければならない。
 膝立ちの姿勢にシートは関係ないだろうと思っていたが、かみさんの言っていたとおり、シートにお尻を少しでも良いから乗せておかないと全く踏ん張りが効かないことが分かった。
 今まであまり気にしていなかったけれど、パドリングの時は多分体全体を使っていたのだろう。それがお尻を固定する場所がないと、腕の力だけで漕いでいるような感じなのである。
 疲れもピークに達して、これでこの先を無事に下れるか、ちょっと不安になってきた。
 まずはパチンコ岩。それを左から回り込むルートで下ろうと思ったものの、本流から抜け出すことができずに横向きになったままでどんどんパチンコ岩に近づいていった。
 このままでは張り付いてしまうと思い、慌てて右側に進路を変更する。
 パチンコ岩の右側のルートは幅が狭いのでカヌーを真っ直ぐに向けなければ通り抜けられない。
 一瞬、横向きになったままそこに引っかかってしまうかと覚悟したけれど、何とかぎりぎりで狭い隙間を通り抜けることができた。
渡月橋の落ち込み 次は渡月橋下の落ち込み。
 本流に乗っていけば真ん中に頭を出している岩の右側を下ることになるのだけれど、今日はソロなので敢えて難しい左のルートを進んでみることにした。
 ところがここでもパドル操作が思うようにいかず、左岸にバウをぶつけそうになりながら格好悪く下りることになってしまった。
 下でそれを見ていたleo君が、「今のシーン、しっかりと写されちゃいましたよ〜」と笑っている。
 上を見上げると、橋の上ではかみさんとKudopapaがしっかりとカメラを構えていたのである。
 全く思うように漕ぐことができず、すっかり意気消沈してしまった。
 次に下ってきたKevipaさんを見ていると、私と全く同じような状況でパチンコ岩の右側の隙間に横向きで張付いてしまった。
 何とか無事にそこから脱出できたけれど、Kevipaさんでもそうなるのだと、少しだけ慰められた気がした。
 次に下ってきたミエさん、パチンコ岩は左岸のルートを問題なく下ってきたけれど、渡月橋では左のルートを選択して私と同じく横向きになってそこを下りてきた。
 ミエさんでもそうなるのだと、また少しだけ慰められたけれど、やっぱり気分はブルーのままだ。
 ヨレヨレになりながらその先のゴールへと下っていくと、先回りしていたかみさんが岩の上からニヤニヤしながらカメラをこちらに向けていた。
 今日ばかりは「すいません、やっぱり一人じゃ駄目でした」と素直に頭を下げるしかなかったのである。

Kevipaさん   ミエさん
パチンコ岩でKevipaさん   渡月橋の落ち込みでミエさん

 まあそんな感じで、技術的には不満の残る川下りだったけれど何時もどおりの楽しいシーソラプチ川だった。
 落ち庵へと戻って一休み。
 今日でKevipaさん、ミエさんともお別れである。
 これまでは「じゃあ次は釧路川で」、「じゃあ次はシーソラプチで」と挨拶をしてきたのが、今日は「じゃあまた来年の夏に」に変わってしまった。
 ただ今年で12歳のケビンとはもしかしたらこれで最後になるかもしれない。
 できれば来年の夏も、お互いにフウマとケビンを連れて再会したいものである。
 札幌に帰る車の中でふと思った。
 「今日のパドリングの調子が悪かったのは、もしかしたらKudopapaから借りたパドルが合わなかったせいかもしれない!」
 でも、そうじゃなかったことは翌日になってはっきりとした。
 その訳はブログの方で。

2008年8月16日晴れ
当日12:00空知川水位(幾寅観測所)353.91m

写真提供 サダ吉さん



戻 る