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シーソラプチ川

(ラフトスタート地点 ~ 国体コース終点)

全員集合 真夏のシーソラプチ川、今年は本州からのお客さん「KeviKevi・LU☆CRE」のKevipaさん・ミエさん夫婦とそのお友達のS藤さん夫婦を迎えて、何時ものサダ吉さん・きらerさん夫婦、そしてカヌークラブガンネルズのKudoupapa、しげさん・mikinnさん・朱里ちゃんファミリー、りゅうげんさん、leo君。
 それに加えて「大人の外遊び」のkenjiさん・kenjiの姫さん夫婦も、新しく購入したオールドタウンのチャールズリバーを引っさげて、川下り3回目にしてのシーソラプチ川チャレンジである。
 水量も少なく周りをベテランメンバーに囲まれているので、たとえ沈しても打撲や擦り傷程度で済みそうだけれど、心配なのはまだほとんど傷も無く美しい姿を保っている新艇の方だった。
 こればかりは安全を保証することは難しく、下手をしたら岩に張り付いてそのまま折れてしまうことだって有り得るのだ。
 自分もその一歩手前を忠別川で経験したばかりだし、川下りの場合はその程度のリスクは覚悟してもらうしか無いのである。
 今回はりゅうげんさん、leo君がカヤックに乗る以外は全てカナディアンカヌーである。KevipaさんとS藤さんのところは夫婦別々の舟に乗るので、全部で9艇のカナディアンと言うことになる。
 これだけの数のカナディアンカヌーでシーソラプチ川を下るツアーなんて滅多に無さそうだ。
 カヌークラブの例会ではカナディアンは何時も少数派なので、このことだけで嬉しくなってしまう。

天気は快晴、気温は30℃を超えていそうだけれど、川の上にはひんやりとした空気が流れ、絶好のカヌー日和である。
スタート前の記念撮影を済ませて、早速シーソラプチ川の清流にカヌーを浮かべる。
真正面から太陽が照りつけ、川の水がキラキラと眩しく輝いている。
美しい光景だけれど、眩しすぎて水面に顔を出している岩が見づらいのがちょっと困る。今回は水量がかなり少ないので、岩を避けるのが忙しそうだ。

Kevipaさんとケビン   サダ吉さん・きらerさん

ポーテージ中  スタート地点から500mほど先にある落ち込みは、無理せずにポーテージする。
 ここの落ち込みは水量が少ない時でも一箇所だけ下りられそうな場所があるのだけれど、如何せん幅が狭くてカナディアンならスッポリと嵌まってしまいそうに見える。
 kudopapaが一度その幅を計ったところ、カナディアンでも通り抜けられる程度の幅はあったそうである。
 そうは言われても、岩にぶつけてフリーダムの美しいウッドガンネルを傷つけてしまっては大変なのでチャレンジする気にはなれない。
 皆がそこをポーテージして、そこから改めて川下りのスタートといった感じである。
 水が少なくて時々カヌーの底を擦るけれど、アリーの時と違ってそれほど神経質にならなくて済むのが嬉しい。
 幾つか気持ちの良い瀬を過ぎて、今のところkenjiさんペアも無事に下ってきていた。
 岩を避けるのがちょっと忙しいけれど、水量が少ない分、水流のパワーも小さいので、ちょうど良いコンディションだったかもしれない。

しげさんファミリー   S藤さん
kudopapa   りゅうげんさん

  そしてまずは最初の難関、クランク状の小さな落ち込みへとやって来た。
 ここでは左曲がりで落ちた後、直ぐに右へターンしなければならず、素早いパドル操作を求められる場所だ。ただ、流れ自体は素直なので、これまでにもここで沈した人は見たことが無い。
 皆さん、格好良くクロスドローを入れたりしながら難なくそこを下ってきて、いよいよ最後にkenjiさん艇が下る番だ。
 皆、何かが起こるのを期待しながら、カメラを構えている。
 キラキラと輝く水しぶきを浴びながら下ってくる真っ赤なカナディアンカヌー。
 そのままゴツゴツと岩にぶつかりながらも、皆が見守る中を何事も起こらずに通りすぎてしまった。
まあここではこんなものだろう。
 「イェーイ!」と二人を歓声で迎えながらも、何故か皆、ちょっと気落ちしたような表情を浮かべながら再び下り始める。

我が家   kenjiさん・姫さん

 そして直ぐに次の落ち込みへとやって来た。シーソラプチ川最大の難所、我が家も2年前に思いっきりひっくり返っているところである。
 通算での戦績は3勝1敗と分は良いのだけれど、その3勝もかなりきわどいものだったので、下るたびに緊張を強いられる。
 先に下るカヌーを後ろから観察していたら、水量が少ないのでゴツンゴツンと音を立てて岩にぶつかり、流れを下ると言うよりも岩の上からそのまま落下していくように見えてしまう。
我が家 アリーに乗っている時はこれが一番嫌いだった。船底が柔らかいので、岩にぶつかるとそのまま衝撃を膝に受けてしまうし、何よりもアリーが壊れそうで恐怖なのだ。
 フリーダムに乗っていると、それが無いだけまだ安心できる。
 いよいよ我が家の順番。落ち込みを右斜めに突入する。底を岩に擦りながらやはりドスンといった感じで落ちてしまったが、カヌーは何とかバランスを保っていた。
 そこで素早く左へ曲がらなければならないのに、無事に落ちられただけで安心してしまい、次の動作が一瞬遅れてしまった。
 対岸の水面から小さな岩が顔を出していて、避けきれずにその岩にバウが引っ掛かってしまう。そこを支点にくるりと後ろ向きになってしまったけれど、何とか落ち込みをクリア。
 今回もまた冷や汗ものの4勝目だった。
 それまでケビンを乗せて下っていたKevipaさん、ファミリーで下っていたしげさんも、その落ち込みでは一人乗りでチャレンジ。
 そうして全員が無事にそこを下り終えた後、いよいよ真打の登場である。
 落ち込み正面の岩、対岸の岩、そして水上、あらゆる場所にカメラマンが配置され、決定的な瞬間を逃してなるものかとkenjiさん艇が下ってくるのを待ち構える。
 kenjiさんとkenjiの姫さんは、今のカナディアンを買う前はそれぞれファルトとカヤックで何回か川下りの経験はあるのだけれど、それでも3回目でここを下らされるとは気の毒である。
 まあ、川下りをするのならいずれは通らなければならない道、それならば早めに通った方が良い経験になるはずだ。
 カメラの砲列に臆する様子も無く颯爽と下ってくるkenjiさん艇。
 そして皆と同じ場所から皆と同じ角度で落ち込みに進入する。しかしその後は皆と同じにはいかなかった。落ち込みを下りた後、右からの流れにバランスを崩され下流側に見事にひっくり返ってくれた。
 その姿に2年前の自分達の姿がダブって見える。
 真っ赤な底を見せながら私の前を流されていくカナディアン。2年前の時はもっと沢山の人たちに見守られながら自分がここを流れていったのである。(それ以来ここは沈の花道と呼ばれるようになったとさ)

kenjiさん沈   沈の花道

 そのまま下り続けると昼食予定のおち庵に早く着きすぎるので、そこでしばらく遊んでいくことになった。
 飛び込み岩から飛び込んだり、川の中で泳いだり、水に濡れるのが最高に気持ち良い。
 私は飛び降りるのは怖そうなので眺めていただけだったけれど、かみさんはこの時、自分も飛び込みたくてウズウズしていたそうである。

飛び込み中

 その後はおち庵の庭先で上陸して、庵主Sさんの絶品手打ちそばを食べさせてもらった。前の客がいなくなるのを待っていたりしたものだから、2時間近い昼食タイムとなってしまい、川下りの緊張感がちょっと薄れてしまった。
 再び気合を入れなおして川下りスタート。と思ったら、ラフトが次々に下ってきたので、また川の上で少し待たなければならなかった。さすがに夏休みの今時期はラフトも大繁盛みたいだ。
 そこから国体コース入り口までも結構緊張させられる流れが続く。kenjiさん艇も、時々岩に乗り上げたりしながらも、何とか無事に国体コースまでたどり着いた。

S藤さん奥様   庵主Sさんとkudopapa

  そしていよいよ三段の瀬である。
 我が家はここは5勝3敗、そのうちの1敗は初めて下った時にチキンコースに逃げてそこで沈したものである。
 もう1敗は去年、かみさんに無理やり水中に引きずり込まれたものなので、まともに沈をしたのは1回だけ。あまり苦手意識の無い場所でもある。
 そうは言っても、落ち込み寸前まで先の様子が全く見えず、そのギリギリまで進んだ時に突然目の前に現れる真っ白な大波、その時の恐怖感だけは毎回変わらない。
 その瞬間を過ぎてしまえば、波に揉まれながらもカヌーは意外に安定していて、下りた後の複雑な流れにバランスを崩しさえしなければ無事に三段の瀬をクリアすることができる。
 全員が何事も無く下り終えて、再び真打の登場。
 ここでもkenjiさんと姫さんはサービス満点だった。お約束どおり、無事に下ったかと思った瞬間、最後にバランスを崩して沈。
 まさに教科書どおりの沈である。

kenjiさん・姫さん   仲良く沈

 今度は自分の身のことを案じなければならない。
 次は渡月橋の落ち込み。ここも三段の瀬と同じく一応は5勝3敗の成績だけれど、沈しないで下れた時でも途中で岩にぶつかったり、後ろ向きになったりと、一度もまともに下れたことが無いのだ。
 以前乗っていたアリーに付いている傷のかなりの部分は、ここで付けられたものである。
 まずは手前のパチンコ岩の右を通るか左を通るか、そして落ち込みの方も、真ん中に頭を出している岩の右から入るか左から入るか、そんなところから頭を悩まさなければならない。
 グズグズしているうちに、皆はどんどん先に下っていってしまう。全員がパチンコ岩を左から巻くように下っていってる。
 水量が多くて流れが速いときは真直ぐに右を通過した方が簡単なのだけれど、今日は皆と同じく左から行ってみることにした。
 去年一度だけ左のコースを進んだことがあったけれど、その時はパチンコ岩を上手く避けたものの、その対岸の岩に正面からぶつかったりしていた。
 パチンコ岩の手前は幅が狭まって流れが急に速くなり、そのまま真直ぐに流れはパチンコ岩にぶつかっている。早めに左側に抜け出さないと、パチンコ岩にまともに張り付いてしまうことになる。
 左漕ぎのかみさんがドローを入れて何とかその流れを抜け出せたけれど、ギリギリでパチンコ岩をかわすことができずカヌーの右側面を思いっきりぶつけてしまった。もしもアリーで下っていたら確実に穴が開いてしまうような衝撃である。
 それでも何とかパチンコ岩の裏のエディに入ってホッと一息。水量が多くて流れが速いときはこのエディに入るのさえ一苦労するところだけれど、今回は初めてこのエディに入ることができた。
我が家 そしてその先の落ち込みへは、最初に予定していた通り、中央の岩を避けて右側から入る。
 橋の上からここを見下ろすと、流れに乗っていれば自然と右側のルートに行けるのだけれど、川を下りながらそこを見ると、岩の手前の左側ルートへ進んだ方が簡単そうな気がしてくる。
 これが落とし穴で、そのまま進もうとすると横からの強い流れを受けて中央の岩にぶつかりそうになったり、複雑な流れにカヌーを捻られたりするのである。
 と言うことで右を選択したのだけれど、こちらはこちらで、かみさんの前方飛び込み沈など色々と事件も起きているので、どっちもどっちと言ったところかもしれない。
 今回は何事も起こらずに、その落ち込み部分はクリアすることができた。
 クリアした勢いでそのまま下流まで行き過ぎて、落ち込み部分が岩陰に隠れて見えなくなってしまった。直ぐにkenjiさん艇が下ってきたようだ。
 「あ~ん、折角の決定的シーンが見られない!」
 ゴツン!と派手な音だけが聞こえてきて一瞬心配したけれど、その後、顔一杯に笑顔を浮かべたkenjiさんと姫さんが無事に下ってきた。
 最後にその下流の気の抜けない瀬を下ってゴール地点へ到着。
 川への別れを惜しむように、その瀬で遊び続ける本州勢。


ミエさん   きらerさんに逃げられたサダ吉さん

 このゴール地点にも飛び込み岩がある。途中にあった飛び込み岩よりこちらの方が低いので、これならば自分でも飛び込めそうだ。
 leo君に促されて飛び込みにチャレンジ。落ちた瞬間、水中深く体が沈んで焦ってしまうけれど、ライフジャケットを着ているので直ぐに浮き上がる。
 飛ぶ前の恐怖が直ぐに爽快感に変わった。
 続けてかみさんも飛び込んだ。童心に帰って水と戯れる。真夏の川遊びは本当に楽しい。
 こうして我が家の夏休み最後の一日は、満ち足りた気分に包まれて終わりを迎えたのである。

飛び込むかみさん   回転するleo君

2007/8/13 晴れ
12:00空知川水位(幾寅観測所)353.92m




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