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歴舟川

(カムイコタン公園キャンプ場 ~ 大樹橋)

 9月例会最終日は川を下らずに札幌まで帰るつもりだったけれど、前の晩に早く寝てしまってので睡眠十分で朝から絶好調である。
 今日は、3名の有志が昨日のスタート地点だった坂下仙境の更に上流部を下ると言う。何時間かかるか分からないので、時間に余裕を持って下れるようにと彼らは朝の7時から出発できるように準備をしていた。
 我が家のような大きなカナディアンでは下れるような場所ではないけれど、そんな様子を見ていると、何となくこのまま札幌へ戻ってしまうのが勿体なく感じてきてしまった。
 キャンプ場から大樹町市街地までなら、彼らと同じ時間にスタートすれば9時頃には大樹町まで着けるはずだ。その時間なら、札幌まで戻るのもそれほど遅くはならないだろう。このままキャンプ場でダラダラとしていても、多分帰る時刻は同じになってしまいそうである。
 結局、S吉さんと、今日の夜の苫小牧発フェリーで横浜まで帰ると言うKさんが私の思いつきに付き合ってくれて、歴舟川の朝のお散歩ダウンリバーに出かけることになった。
 S吉さんの奥さんとクラブの女性メンバー二人が上陸地点まで3台の車を回送してくれると言うので、そのままキャンプ場から直ぐにスタートできるのが嬉しかった。
 急な話だったので、準備に少し手間取って川に舟を浮かべたのは8時近くになっていた。上空は曇り空だったけれど、たまにそのすき間から日も射し込んでくる。
 歴舟大橋の下を通過していよいよ川下りのスタート。

歴舟大橋をくぐって川下りスタート   水量もたっぷり

 今年の7月に、1泊しながらキャンプ場から河口までを下ったばかりなので、目の前に現れるのはお馴染みの風景と言ったところだ。
 今日はそのときよりもやや水量が多い気がする。
瀬の波も大きい 昨日の歴舟上流ではそんなに多いとは感じなかったので、これはヌビナイ川の増水の影響なのだろう。
 水が多いおかげで、川幅一杯に広がって流れているようなところでも、コースの選択さえ間違えなければ、座礁しないで下ることができる。
 歴舟川を下る時は、ライニングダウンの有り無しによって快適性がかなり違ってくる。今日はこの調子なら最後まで快適に下れそうだ。
 瀬の波も大きく、水しぶきが気持ち良く顔にかかってくる。ヌビナイ川のように途中で意地悪な倒木が待ち受けていることも無く、あえて波の一番高いところにカヌーを進めながら瀬を下る。
 流れが護岸ブロックにぶつかり癖のある波が立っているところがあったが、そこだけは波を避けて下ってしまった。
 そこは忘れもしない、我が家が初めて歴舟川の川下りに挑戦した時、沈の洗礼を受けたところなのである。
 今見れば、わざわざその波の中に突っ込まないでも、十分に避けて通れるような場所である。当時はそれを避けるような技術も無いくせに家族単独で川を下っていたのだから、随分無謀なことをしたものだと思えてしまう。

思い出の沈現場

 思い出の川原に上陸。7月の川下りのときにテントを張った場所である。
 その時の焚き火の後が、私達がそこを後にした時のそのままの形で残っていた。
 イス代わりの太い流木、テーブル代わりに使った平べったい丸石、長すぎて途中までしか燃やせなかった流木、その場所も全く変わっていない。
 物干し代わりに使った3本の流木を組み合わせたやぐらも、倒れてしまっていたけれどその時の場所にこれもそのまま残っていた。折角なので元の形に組みなおしておくことにする。
 周囲の手ごろな流木は殆ど燃やし尽くしてしまったのだけれど、その後の増水によって前回と同じ場所にまた流木が溜まっていた。
その付近が通常の増水ラインで、私達がテントを張った場所まで水が上がるのは相当の大雨の時だけなのだろう。
歴舟川の川原キャンプには最高の場所と言えそうだ。

思い出のキャンプ地   物干しを組み直す

 我が家がここでキャンプをしてからしばらく後、あるカヌークラブの掲示板を見ていたら、この場所の写真が載っていたのでビックリしてしまった。
 そのクラブの方もここがキャンプ適地であることを知っていて、私達の野営の跡を見て羨ましがっていたそうだけれど、実際にここでキャンプをした人はその後誰もいなかったみたいだ。
 これだけ素晴らしいフィールドがあるのに、誰も川原キャンプをしないなんて、何だか凄く勿体なく感じてしまう。
 もっとも、それがブームになって、そこら中にキャンプ跡が見られるようになってしまっては、逆に興醒めしてしまいそうだが。

波の一番大きな瀬 そこからしばらく下ったところに、一番大きな波の立つ瀬がある。
 前回はここをキャンプ道具満載で下ったものだから、あっと言う間に水舟になって、危うく沈するところだった。
 今回はその時よりももっと波が高かったわりに、カヌーの中には全然水が入らなかった。
 下流は直ぐに瀞場になっていて危険な箇所も無く、例会で皆でキャーキャー言いながら下るには最適な瀬である。
 昨日下った上流部よりも、こちらの方が瀬も多くて絶対に楽しめたはずだ。
 これまでは何となくイメージだけで、歴舟川の上流部は上級者向けで、キャンプ場から下は初心者でも何とか下れる川だと思っていた。
 でも、水量にもよるのだろうけれど、昨日と今日の状態だけを見れば、それが逆転しているような気がする。
 大樹町市街地に近づいてからも2箇所ほど嫌らしい場所がある。
 最初の場所は巨大なコンクリートよう壁の壁が見えてきたところ。川の流れがそのよう壁にぶつかった先に流木の絡んだテトラがある。
 その流れがよう壁にぶつかる部分のエディがかなり複雑に渦巻いているので、初心者はバランスを崩して沈しそうだ。 流れはそれほど速くないので、そんなには危なくは無いかもしれない。でも、手前の瀬で沈して、そのままここまで流されてきたらちょっと厄介である。
 次は、そこから300m先。上流部に大きなウェーブができていて、その直ぐ下流で倒木の絡んだテトラが川の中央で待ち構えている。最初からそこを避けて下れば何の問題も無いけれど、下るルートを自分で調整できないような初心者ならば、最初のウェーブで沈するとそのままテトラに向かって流されることになる。
 これはかなり危険な状況になりそうだ。

よう壁とテトラ   テトラが嫌らしい流れを作る

 こうしてみると、危険な場所は全て人工物が作り出しているものばかりである。歴舟川と言えども油断は禁物なのである。
 そうしてゴールの大樹橋が見えてきた。
 そこまで来ても、オッと驚くくらいの波の高い流れが続き、最後まで楽しませてくれる歴舟川だ。
橋の下では3人の女性陣が出迎えてくれて、楽しかった三日間の川下りがこれで最後となった。

最後まで瀬が続く歴舟川

2007/09/24 曇り




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