北海道キャンプ場見聞録
手稲山平和の滝コース(2021/05/20)
こんなにキツイ山だった?
北海道の緊急事態宣言発令により遠出ができなくなり、膝痛によりランニングもできない。
天気も良いので、近場で山にでも登ろうと思って、選んだのは手稲山。
11年前に一度登ったことがある平和の滝コースを登ることにした。
かみさんは岩場の多いそのコースが嫌いみたいなので、私一人での山登りである。
新緑に染まる森。
緑のトンネルの中を歩くのが心地良い。
新緑の森
足元で咲くニリンソウ。
珍しくもない花だけれど、今年は九州の旅から帰ってきてあまり出歩いていないので、野の花を見るのも今年初めて。
何となく嬉しくなってくる。
ニリンソウ
小さなタチツボスミレの花にもカメラを向けてしまう。
タチツボスミレ
もしかしたら山菜が採れるかも知れないと思って、山菜ナイフなどもザックの中に忍ばせていたけれど、利用者の多い登山道なので望みは薄い。
アズキナの群落かなと思ったら、それらは全部ホウチャクソウのようだ。
アズキナかと思ったらホウチャクソウか?
砂防ダムから大きな水音が聞こえてきた。
雪解け水で水量も増えているので、見事な水のカーテンが砂防ダムにかかっていた。
水量の多い砂防ダム
登山道の横を流れる琴似発寒川も水量が多く、激流の様相である。
チョロチョロと流れる沢も良いけれど、激しい流れのこんな沢も好きである。
激流となる琴似発寒川
送電線の下の木々が刈り払われた斜面が見えてきた。
10年前、迷沢山を目指して、この斜面をスキーで登ったことを思い出す。
その時は、時間がかかり過ぎて登頂を諦めたけれど、いつかはリベンジしようと思いながら未だに実現していない。
ここをスキーで滑ったことを思い出した
シラネアオイが咲いていた。
山野草の女王と言われるだけあって、その存在感は他の花とは違っている。
シラネアオイ
琴似発寒川本流から離れて、登山道は小さな沢沿いに続くが、こちらの方も結構な水量である。
途中の布敷の滝も見応えがある。
布敷の滝
渓流沿いではエゾノリュウキンカも咲いていた。
清らかな流れとエゾノリュウキンカの組み合わせは、心を和ませてくれる風景だ。
清流とエゾノリュウキンカ
木々の花ではオオカメノキが目立っていた。
新緑の森の中でその白い花がとても爽やかに見える。
オオカメノキ
岩場の急な登りが始まった。
ここまで、自分としては結構なハイペースで登ってきていたので、次第に息が切れてくる。
急登が始まる
その先で残雪が現れた。
そこを過ぎると、ゴロゴロとした大小の岩が斜面を埋める場所に出てきた。
ここで岩に腰掛けて一休みする。
岩場の斜面
そこから先も岩の急斜面が続く。
両手も駆使しながらその岩場を登るのだけれど、首からぶら下げている一眼レフカメラが邪魔である。
延々と続く岩場の急登
延々と続く岩場に、体力が奪われる。
11年前に同じ場所を登っているはずなのに、こんなに苦労した記憶はない。
それだけ体力が落ちているのだろうか。
ようやく尾根の上に出て傾斜も緩やかとなる。
所々で登山道は残雪に埋もれていた。
雪が残る登山道
ケルンを過ぎるとスキー場の山頂広場的な場所となる。
雪に覆われている場所が多く、雪の上は柔らかくてとても歩きづらい。
疲れ切った足が悲鳴をあげていた。
残雪歩きが疲れた足にはキツかった
そうしてやっと山頂に到着。
コースタイム3時間のところを2時間20分で登ってこられたけど、体力的には限界だった。
定山渓天狗岳に無意根山、遠くには羊蹄山も見える
羊蹄山や無意根山は美しく見えていたけれど、雲が多くて増毛方向の山は霞んで見えない。
次から次へと人が登ってくるので、かなり頑張って登ってきたつもりなのに、直ぐ後ろからこんなに多くの人が迫ってきていたのだと思ってがっかりした。
雲で霞んで増毛の山は見えない
でも、考えてみれば登山道は他にもあり、スキー場まで車で登ってきている人もいるのだから、そんなにがっかりすることも無いだろうと自分を慰める。
スキー場のリフト降り場で下界を眺めながらおにぎりを食べようと思っていたが、考えることは皆同じようで、2箇所のリフト降り場は両方とも先客に占められていた。
リフト降り場には先客が
しょうがなくケルンの横の岩場で昼食にする。
ここまで膝の調子は良かったけれど、少しでも横に撚ると痛みがあるので、下山は膝のサポーターを装着することにする。
こんな風景を眺めながら昼食
登りは勢いだけで登ってきたけれど、下山は膝にも負担がかかるので一歩一歩慎重に降りる。
岩の斜面で休もうとしたけれど、ブヨが一斉に群がってきたので、慌てて逃げ出した。
それでも、気が付くと足の2箇所を食われて血が出ていたのである。
岩場の下りは慎重に
これでは疲れても休むことができないなと思っていたけれど、琴似発寒川手前の支流を渡る辺りではブヨも少なく、ベンチに腰掛けてようやく一息付くことができた。
ヤマツツジ
その後は、登る時には撮れなかった花の写真を写しながら駐車場を目指す。
エゾハルゼミも鳴き始めていた。
野山に出ると、季節の移ろいをハッキリと感じることができる。
ヒトリシズカ
下山に要した時間は登りとほぼ同じ2時間20分。
疲れ切っていたけれど、これからは体力維持のためにももう少し山に登る回数を増やした方が良さそうだ。
平和の滝
最後に平和の滝に挨拶をしてから自宅へと戻った。