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夕張岳(2016/07/13)

タイム短縮


川遊びが続いたので少しは山にも登らなくてはと考え、目指したのは、6月の大千軒岳に続いて花の百名山の夕張岳。
朝4時に札幌の自宅を出る頃は空を覆っていた雲も、夕張を過ぎる頃には見事に消えてなくなった。
そして、シューパロ湖の向こうには目指す夕張岳の姿が見えてきた。


シューパロ湖と夕張岳
遠くに見える夕張岳

午前6時過ぎに登山口に到着したが、そこの僅かばかりの駐車スペースには既に空きがなく、Uターンしてその手前の駐車スペースに車を停める。
これから4時間かけて山頂を目指すのだから、数百メートル余計に歩くことは全然苦にならない。

夕張岳登山口6時半に登山口をスタート。
馬ノ背コースと冷水コースの分岐まで向かう途中、大雨で沢が溢れたらしく、林道が大きく削られていて、自然の力の大きさに驚かされる。

分岐からは冷水コースを登ることにした。
途中、トリカブトの白い花が群落を作っていた。
その時は、もう少し経てば青く色付くのだろうと不思議にも思わなかったが、後で調べてみるとトリカブトの花は最初から青いのである。
葉の形も普通のトリカブトとは違っているし、図鑑で調べても分からないまま終わってしまった。

次第に傾斜もきつくなってくるが、自分の力を試すようにグイグイと登っていく。
水場の冷水の沢までやって来た。
ただの沢水だと思ってそのまま通り過ぎたが、直ぐ上から湧き出してきている湧き水らしい。
それが分かっていれば、自宅から持ってきた水と入れ替えていたところである。


トリカブト? 冷水の沢
トリカブトかと思ったけど・・・

素通りしてしまった冷水の沢


再び馬ノ背コースと合流。
ここまでのコースタイムは1時間50分。
そこを1時間5分で登って来れたので、今日は調子が良さそうだ。

滝ノ沢岳を望む尾根に上がったので展望も良くなる。
石原平の看板が立っている場所は、その説明を読むとシラネアオイの群生地らしい。
花は殆ど終わっていたが、シラネアオイは先月登った大千軒岳で満喫していたので、残念な気持ちは全く無かった。

直ぐ目の前に聳えている山が夕張岳山頂なのかと思ったが、山頂がそんなに近いわけがない。
それは前岳だった。

滝ノ沢岳の姿もなかなか印象的だ。
そこから右に目をやると、遠くに芦別岳らしき姿も見えている。
夕張岳山頂から眺める芦別岳の姿も楽しみにしていたので、嬉しくなってくる。


遠くに見える芦別岳
遠くに芦別岳の姿も見えていたが

夕張岳山頂が見えた前岳の中腹をトラバースするように登山道は続いていて、望岳台を過ぎ前岳の東側へと回り込んでいくと、そこでようやく夕張岳山頂の姿も確認できるようになる。

傾斜は緩くなり、オオバミゾホウズキ、シナノキンバイなど黄色の花が目立ってくる。

木道の敷かれた湿原へと出てきた。
前岳湿原である。
花はイワイチョウがポツポツと咲いている程度だが、景色が開けて男岩やガマ岩の姿を眺めながら気持ち良く歩ける。
ただ、まだ遠くに見えている夕張岳山頂の後ろから白い雲が湧き出してきているのがちょっと気がかりである。

男岩にガマ岩しかし、その先からはササや灌木に覆われた歩きづらい道へと変わる。
男岩、ガマ岩を過ぎると、小さなひょうたん沼が現れた。
やたらに大きなオタマジャクシが泳いでいて驚かされた。

蛇紋岩崩壊地の看板が立つ裸地ではユウバリコザクラやシソバキスミレの花が見られるそうだが、ミヤマアズマギクが咲いているだけである。

その先に再び湿原が現れる。
前岳湿原よりも広々としていて、如何にも高層湿原らしい雰囲気だ。
花もこちらの方が多い。
まだ蕾のままだったがシロウマアサツキが大きな群落を作っていて、これが満開になれば美しい風景が広がりそうだ。


ミヤマアズマギク シロウマアサツキ
蛇紋岩崩壊地で咲くミヤマアズマギク シロウマアサツキは蕾のまま

夕張岳の湿原

夕張岳に広がる湿原


途中で気になっていた雲が、いつの間にか上空の青空を半分以上隠してしまっていた。
釣鐘岩への登りになるオダマキやヨツバシオガマ、ツマトリソウ等の花が目を楽しませてくれるようになり、ようやく花の百名山を登っている気持ちになれた。

吹き通しの花畑釣鐘岩を登りきると吹き通しの花畑が広がっていた。
ユウバリソウの花は既に終わっていて、一緒に群落を作っているユキバヒゴタイはまだ蕾のまま。
それでもムシトリスミレにエゾノクモマグサ、エゾミヤマクワガタ等が花を咲かせていた。

そこから、ガスに飲み込まれそうになっている山頂に向かって一登り。
9時45分、登り始めてから3時間15分で夕張岳の山頂に立った。
冷水コースまでは頑張って登ってきたけれど、その後は花の写真を撮りながらの何時ものペースに戻っていた。
それでも、登山口から山頂までのコースタイムよりは1時間程度早く登れたので満足である。


夕張岳の花 夕張岳の花畑
次第に花が増えてくる 吹き通しの花畑

夕張岳山頂手前の祠 夕張岳山頂
山頂手前にある祠 ガスに包まれた山頂

ミヤマオグルマ山頂で沢山咲いていたミヤマオグルマの写真を撮りながら、ガスが晴れるのを待つ。
時々、太陽の姿が見えそうになるものの、直ぐにまたガスに包まれてしまう。
50分くらい粘ったけれど、諦めて下山することにした。

山頂から降りると直ぐにガスの中から抜け出せて見通しも利くようになる。
しかし、上空には昇ってくる時よりも厚みを増した雲が広がっていた。
天気はやっぱり下り坂のようだ。

湿原の木道の脇にタンポポが咲いていた。
こんな所にまでタンポポが咲くのだと驚いていたら、後で調べてみるとこれもタカネタンポポと言って蛇紋岩地帯に自生する種類のタンポポらしい。


夕張岳から下山

山頂を降りるとガスも晴れた


クモマユキノシタ夕張岳はこの蛇紋岩の露出地があるので固有種も多く、それで花の名山として人気があるようだ。
でも、私の印象としてはちょっと期待外れの感が大きかった
私は、固有種よりも広大な花畑が広がっている方が単純に感動するので、夕張岳にもそれを期待していたのである。

時期的なことが有ったのかもしれない。
それに、以前はもっと沢山の花が咲いていたのに盗掘とかエゾシカの食害等で花も減ってしまったとも聞いている。
山頂からの展望は見られなかったし、時期を変えてもう一度登ってみたい気もする。

下山は馬ノ背コースを歩いてみたが余計な登り返しもあって、下山時も冷水コースの方が良かったかもしれない。

夕張岳ヒュッテでも、馬の背コースには途中に夕張岳ヒュッテがあるので、やっぱりこちらも捨てがたいのだ。
新しく建て直されたばかりで、隣では炊事棟も建設途中。
なかなか魅力的な施設である。

下りも頑張って歩いたのでコースタイム3時間のところを2時間20分で降りてこられた。
先月登った大千軒岳は、かなり頑張ったつもりでもコースタイムどおりの時間がかかっていたので、それと比べると夕張岳とは相性が良さそうだ。

夕張岳登山の写真 


夕張岳の花畑

花畑はあっても規模は小さい



登山口6:30 - 馬の背コース合流7:40 - 望岳台8:10 - 吹き通し9:30 - 9:45山頂10:35 - 馬の背コース分岐12:45 - 13:30夕張岳ヒュッテ13:45 - 登山口14:00



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