北海道キャンプ場見聞録
屋久島縦走(2016/05/16)
四日目(鹿之沢小屋〜永田集落) |
夜中に雨音で目が覚めた。 昨日濡れていた場所には今朝も水が溜まっていた。 6人グループは今日中に島を出なければならないので、まだ暗いうちから山小屋を出発していった。 小屋の前で写真を撮って5時半に歩き始めようとしていたら、先に出たはずの6人グループが小屋へと戻ってきた。 お互いに無事を祈ってそれぞれの道に分かれていった。 その2ヵ所の沢は直ぐに現れたが、どちらも全く問題なく渡ることができた。 |
一ヵ所目は水深も浅く無事に渡れた | 二ヵ所目の沢も問題なし |
この後は距離が長いだけで、登山道に問題さえなければ体力勝負だけである。 美しい風景に感動しながら歩いていく。 今回の縦走は天気には恵まれず、屋久島独特の山岳景観は殆ど楽しめなかったが、霧に包まれた屋久島の森の幻想的な美しさだけは、嫌という程楽しむことができた気がする。 そんな風景の一つに、二人して喚声を上げた。 「シシガミが出てきそう」 それにしても風はやっぱり強かった。 永田岳の方では一体どれくらいの風が吹いているのだろう? |
巨木も次々に現れる |
霧に霞む森が幻想的 |
歩いても歩いても、腕時計に表示されている標高が一向に減ってこない。 登山道の方は荒れていると言うよりも、歩く人が少なくて薮になっていると言った感じである。 それに目印の赤いリボンが沢山付けられているので、注意深くそれを見ていれば道に迷うこともない。 時々リボンを見失うが、そんな時は直ぐに立ち止まって、二人で周りをじっくりと見回す。 これが一人だったら、リボンを探すのも難しそうだ。 次第に雨の降り方も強くなってくる。 途中からは滝のような雨に変わった。 途中で一休みしていると、雨具の上に変な物体がくっ付いていた。 ようやく取れたと思ったら、今度は手に吸い付こうと暴れ回る。 その時かみさんが、「ちょ、ちょっと、ここ見て」と、悲鳴に近い声を上げた。 その後も休憩の度にお互いの身体を調べ、その度に数匹のヒルが張り付いているのを見つけることとなる。 次第に右の太ももが痛くなってくる。左足の親指にもマメができたようだ。 看板の永田橋までの数字はかなり小さくなってきたが、それに比べて標高の減りは少ない。 そしてようやく林道へと出てきた。 |
巨大なシダ(ヘゴ)にビックリ | 増水した川を見ると何故か嬉しくなる |
シダの群落に圧倒される |
途中で横河渓谷の駐車場に隣接して東屋があるのを見つけ、そこで一休みすることにした。 それを一匹一匹剥がしては、東屋の外に投げ出す。 そこから町に向かって最後の一歩き。 その店のおばちゃんの話では、昨日も雨の中を一人の男性が降りてきて、その人は途中で道に迷い、その時に財布を落としてしまったのだとか。 最後は永田の砂浜に立って縦走の最後を締めくくりたかったが、河口近くの橋の上で写真を撮り、それを最後とすることにした。 このずぶ濡れの状態でどうやって宿に入れてもらうかが最後の問題だったけれど、宿の玄関先で濡れた雨具類を全部ゴミ袋に収納。 汚れ物を洗濯機に放り込み、風呂に入って四日分の汗を洗い流し、さっぱりしたところで部屋でビールを開ける。 その頃、1階の玄関の方が騒がしくなっていた。 まあ、こんな事もあって最後の一日も無事に終えたのであった。 |
翌朝、永田集落から眺めた永田岳 |
鹿之沢小屋5:35 - 竹の辻9:00 - 永田歩道入口13:45 - 14:10横河渓谷東屋14:50 - 民宿永田岳15:20 (縦走記録グラフ) (全体縦走記録グラフ) |