北海道キャンプ場見聞録 夏山歩きの部屋
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大千軒岳(2016/06/07)

厳しいルートで


日本一のシラネアオイの大群落。
それが大千軒岳にあると聞いて、一度は見てみたいと思っていた。
ただ、道南の山なので札幌からは気軽には出かけられない。

それが今はサンデー毎日の身分なので、それは問題にはならない。
と言うことで、北海道の夏山シーズンで最初に登る山として大千軒岳を選んだのである。

登るのは知内川コース。
シラネアオイの花が目的なので、本当は気軽に登れる松前新道コースから登るつもりだった。
それが、調べてみると登山口までの林道の状況がかなり悪そうなのである。

知内川沿いを登っていく そんな林道を長い区間緊張しながら走るか、林道の苦労は無いけれど時間のかかる登山道を登るか。
選んだのは後者だったのである。

最初は知内川の流れを左手に見ながら、何度か高巻きを繰り返しながらも気持ち良く歩いていく。


それが、岩に挟まれ川幅が狭まっている狭戸と呼ばれる場所から始まる高巻きは厳しいルートだった。
100m近く登ったかと思うと、また川まで下りてこなければならないのだ。
しかも、ほとんど崩れかけたような崖道が何度も現れる。


狭戸から始まる高巻き 険しい高巻きルート
狭戸から始まる高巻き 今にも崩れ落ちそうな高巻きルート

裸足になって川を渡る次にやってきたのが広い河原と呼ばれる場所。
確かに、今回歩いた知内川の区間ではここだけに広い河原になっていた。
小砂利になっている部分もあり、テントを張るには最高の場所に見える。
しかし、さすがの私も熊の巣みたいなこの場所で、単独でテントを張る気にはなれない。

この広い河原の何処かから対岸に渡らなければならないのだが適当な徒渉地点が見つからず。
結局は、登山靴を脱いで裸足で川を渡った。

その後もしばらく川沿いを歩いて行く。
岩にしがみつきながら先に進むような場所もある。
沢登りをする人には何ともないところなのだろうが、私達にはかなりスリリングである。


スリリングな道が続く
結構スリリングな場所も多い

川の横の草むらは歩きやすくスピードも上がるが、熊と鉢合わせするのが怖いので、声を上げながら歩いていく。
おかげで、途中から喉がかれてきてしまった。

金山番所跡結構な上り下りを繰り返してきたが、全体的な標高は全然稼げていない。
突然、目の前に十字架が現れた。
ここが金山番所跡である。

この大千軒岳一体では寛永16年(1639年)に106人のキリシタンが殉教しているのである。
そこで手を合わせて登り続ける。

いよいよここから急登が始まる。
途中で、行く手に中千軒岳の頂上が見える。
そこからの標高差はまだ500mもある。
ここまで2時間かけて登ってきたのに、標高では200m少々しか稼げていないのだ。

ロープを使ってよじ登るような場所も出てくる。
「休み台」の看板が立つ場所では堪らずに休憩をとった。
でも、この辺りの標高は640m。まだまだ先は遠い。


急登 休み台
急登が続く ここでは絶対に休みたくなる

背後に津軽海峡が標高800m付近で森林限界を越え、背後に津軽海峡も見えるようになってきた。
足元ではシラネアオイの花もポツリポツリと見え始める。

最後に雪渓が現れた。
道南の山とはいえども、6月始めではまだ雪が残っているのだ。

その雪渓を横断すると、ようやく傾斜も緩くなりホッとする。
そこで目に飛び込んできたのが薄紫の花を咲かせるシラネアオイの群落だった。
大きな規模の群落ではないけれど、これを目的に登ってきたので、その風景に笑みがこぼれる。


シラネアオイの群落

シラネアオイの群落が出迎えてくれた


十字架の立つ千軒平そうして、尾根の上の千軒平に到着。
そこには一面のお花畑が広がり、十字架も立っていた。
そしてその十字架の先に大千軒岳の山頂が見える。

ミヤマキンバイ、エゾノハクサンイチゲ、ミヤマキンバイが混ざり合ったり、それぞれ群落を作ったりしながら辺り一面に広がっていた。
遠くの方で山の斜面が青く染まって見えるのがシラネアオイの群落なのだろう。

そんな風景の中に山頂へ続く登山道が延びている。
ここまでの疲れも吹き飛んでしまい、気持ち良く登っていく。


山頂へ続く道

山頂へ続く登山道は最高に気持ちがよい


シラネアオイの大群落を背景に エゾノハクサンイチゲ
背後にはシラネアオイの大群落が広がる エゾノハクサンイチゲも斜面を埋める

笹に埋もれた登山道しかしそれも、山頂への最後の登りまでだった。
そこから先は笹が茂って登山道が何処にあるのかも分からないような有様だった。

笹をかき分けながら登っていくと、途中から二手に道が分かれていた。
木製の矢印のようなものが立っていたので、その矢印が示している方向に進んでみると、小さな沢にぶつかって、そこで道が終わっていた。

「あの矢印は何だったんだ」と文句を言いながら分岐まで戻り、もう一方の道へと進む。

そうして間もなく山頂に到着した。
登山口から約4時間。

夏山ガイドに載っているコースタイムと同じだったが、屋久島や熊野古道小辺路を歩いた時のように重い荷物を背負っていないので、内心ではもっと早く登れると思っていた。
それがコースタイムと同じ時間なのは、それだけ厳しいルートということなのだろう。

大千軒岳山頂山頂も、笹藪に囲まれた中に僅かなスペースが有るだけで、何とも味気ない山頂である。
背の低いかみさんは、背伸びをしないと周りの風景を見られない。

山頂からは津軽海峡の向こうに岩木山や八甲田山も見えるらしいが、霞んでいてその姿までは確認できなかった。
山頂でお昼にしようと考えていたが、サッサと千軒平まで降りて、そこで昼を食べることにする。

そうして、先程の分岐まで降りてくると、矢印の看板に「千軒清水」と書かれているのに気が付いた。
下から登ってくると、その文字が目に入らないのである。
もう一度、その先に進んでみると、岩の中に埋め込まれた鉄パイプから水がチョロチョロと流れ落ちているのを発見。
ここが千軒清水だったのである。
水筒の中の生温くなっていた水を全部捨てて、そこの冷たい水で水筒を満たした。


千軒清水の標識 千軒清水
千軒清水の文字は山頂側からでないと見えない チョロチョロとだが冷たい水が湧き出ている

千軒平で昼食下山は心にもゆとりがあるので、花を眺めながらのんびりと下っていく。

千軒平では、美しい花に囲まれた中でカップ麺をいただく。
天気も良くて風も無く、そこで食べるカップ麺は最高に美味しかった。

午後1時ちょうどに下山開始。
下山はコースタイムどころか、千軒平から2時間10分のところを3時間もかかってしまった。
なかなか手強い大千軒岳の山行だったのである。

大千軒岳登山の写真 


大千軒岳から下山中

笹藪を下山中


オダマキ 色取り取りの花
登山道の脇にはオダマキも咲いていた 色々な花が咲いている

登山口7:40 - 広い河原8:40 - 金山番所9:40 - 千軒平11:10 - 山頂11:45 - 12:20千軒平13:00 - 登山口16:00



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