北海道キャンプ場見聞録 夏山歩きの部屋
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雌阿寒岳(2014/05/04)

これは雪?


雄別炭山探索キャンプであかんランド丹頂の里に宿泊した後、十勝の実家に向かう前に何か遊べないかなと考えて思いついたのが雌阿寒岳登山だった。
問題は雪がどれくらい残っているかである。
野中温泉コース駐車場ネットで調べると、GW期間中につぼ足で登った情報が幾つかヒットし、今年の阿寒の積雪もそれ程多くはなかったはずで、軽アイゼンさえあれば何とかなりそうだ。

阿寒町のキャンプ場を出る頃は快晴だったのに、目指す雌阿寒岳の方向にはいやらしい雲が広がっていた。
9時半ころに野中温泉の登山口に到着。
登山者用の駐車場と思われる未舗装の駐車スペースには、4連休の2日目だけあって既に車が沢山停まっていた。
上空は雲に覆われているけれど、雌阿寒岳の山頂は見えている。
今日の天気予報は晴れ時々曇りだったので、そのうちに天気も回復してくるだろう。
9時45分、登山届に名前を記入してアカエゾマツの森の中を登り始める。

アカエゾマツの森心配していた程の積雪もなく、針葉樹の香りに包まれながら、気持ち良く登っていく。
地表に浮き出たアカエゾマツの根張りが、森の中を編み目のように広がっている。

所々に雪が見られるようになってきた。
周辺の雪は既に無くなっているのに、登山道の踏み固められた雪だけが解けずに残っている感じだ。
急な登りが続き、雪の中に登山靴を蹴りこむように一歩一歩ゆっくりと登っていく。
登山道に残っている雪も、溶けて柔らかくなっているので登山靴のままでも問題なく歩けるが、ところどころに氷になっている部分があるので、そこだけを注意しなければならない。


雪の残る登山道 根張りの階段
登山道にだけ雪が残っている アカエゾマツの根張りが階段代わり

苔むす林内登るに従って、周辺の積雪も多くなってくる
森の中の岩や倒木は苔に覆われて、なかなか良い雰囲気である。

雲の切れ間から太陽が姿を現し、森の中に光が差し込む。
その光が、アカエゾマツの森を一層美しく演出する。

3合目辺りでアカエゾマツの森を抜け、山頂らしき姿を望めるようになった。
そこから先は、背の高いハイマツ林へと植生が変わり、登山道はところどころでハイマツのトンネルを抜けるようになる。
このトンネルでは頭がぶつからないように、背をかがめて歩かなければならず、背の高い私には辛いところだ。

途中で雪に埋もれた沢を渡る。


3合目付近 雪渓を渡る
3合目付近でアカエゾマツの森を抜けた 途中で雪に埋もれた沢を通過

腰をかがめてハイマツのトンネルを抜けるトンネルを抜けるたびに、岩に覆われた山頂が間近に迫って見えてくる。
後ろを振り返ると、山間にオンネトーの姿も見えている。
エメラルドグリーンの湖面が美しいが、空が映り込んでいる湖面は、空と同じ灰色である。
天気は回復傾向どころか、上空の雲は次第に厚みを増してきているような気さえする。

岩場の急な登りが続く。

7号目付近からは植物の姿も少なくなりえ、火山らしい岩場の風景の中を登っていく。
この辺りは、去年登った道南の恵山の雰囲気に良く似ている。
ただし、こちらの方が傾斜はずーっと急である。


オンネトー
山間に見えるオンネトー

雌阿寒岳を登る 雌阿寒岳を登る
眺めが良くなる 急な登りが続く

火口壁への登り大きな雪原の上に出てきた。
雪が柔らかいから良いけれど、これが少しでも凍っていたらアイゼン、ピッケルがなければ、この先には進めないだろう。

ここから頂上へ向かっての最後の急登である。
山頂だと思って登ってきた場所は、ただの火口の縁で、9合目の標識が立っていた。
本物の山頂はその火口の縁沿いにもっと登っていったところに聳えている。

ここまで登ってくると、急に風が強まり、時々体が吹き飛ばされそうになるくらいの風が吹きつける。
そんな状況の中で恐る恐る火口の中を覗き込む。
火口の底には茶色い水が溜まり、赤沼と呼ばれている。
火口壁からは白いガスが噴き上げている。 火口の底までは、100m以上の深さがありそうだ。
目が眩みそうな光景である。


雌阿寒岳登山 雌阿寒岳登山
巨大な岩の横を登る 火口壁への急登

雌阿寒岳火口と赤沼
雌阿寒岳の火口と赤沼

雌阿寒岳山頂そこから先は火口壁の縁に沿って山頂を目指す。
片側は切り立った崖、反対側もかなりな急斜面である。
そんな場所を、強風で飛ばされそうになりながら登って行くのだから、あまり良い気持はしない。

ここでもし地震でも起きたら、登山道もろとも火口の中に崩れ落ちても不思議ではないだろう。
かみさんは最後まで周りを見ようとせず、自分の足元だけを見ながら登っていたようだ。

そうして、11時45分に山頂到着。
そこからは、青沼と呼ばれる池のあるもう一つの火口と、その先には阿寒富士の姿が見られるはずだが、それらは強風に乗って流されてくる雲に隠されつつあった。

阿寒富士と青沼が霞んでしまった背後にも煙を噴き上げる火口があり、その先には阿寒湖と雄阿寒岳が見えていた。
空は灰色の雲に覆われ、それらの風景は完全なモノトーンの世界と化していた。

強風に晒されているうちに体温もどんどん奪われていく。
山頂で数枚の写真を撮った後は急いで下山する。
その途中でもう一度写真を撮っていると、目の前を白いものが飛んでいったような気がした。
「あれっ?、今のってまさか・・・」
「雪よね!」
灰色の雲から飛んで来るものは紛れもない雪だった。

GWの今時期に、山で雪が降るのは珍しいことではない。
しかし、今年は暖かな日が続いて、十勝では既に桜が散り始めている陽気なのである。
まさかここで雪が降ってくるとは思いもよらなかった。


阿寒湖と雄阿寒岳
噴煙を上げる火口の向こうには阿寒湖と雄阿寒岳の姿が

オンネトーと記念撮影その雪も直ぐに止んだけれど、寒いことに変わりはない。
既に午後1時を回っていたので、風を避けられる場所を見つけて昼食にすることにした。

ザックを開けたところで、そこに自分のおにぎりやカップスープが入っていないことに気が付く。
いつもは、食べ物は全てかみさんが背負っているのに、今回に限って登る前に、「ハイ、これはあなたの分」と言って袋を渡されていたのである。
「急にそんな事をするから」と文句をつけようと思っても、袋を渡されて、それをザックに入れ忘れたのは私の責任なので、諦めるしかない。
かみさんのパンと、熱々のカップスープを少しだけ恵んでもらって、腹を満たす。

ハイマツのトンネルを抜けて大きな雪渓に出てくると、そこに突然登山者が降りて来たのでびっくりする。
ネットで調べた時も、下山時に雪渓を尻滑りで下りたとの情報を見ていたので、これが多分その雪渓なのだろう。
ハイマツトンネルの中を腰をかがめながら降りるよりは、この雪渓を一気に駆け下りてくる方が楽そうである。

岩の上で記念撮影今回は二人ともストックを持ってこなかったので、滑りやすい急な下りでは苦労させられた。
それでも最後まで軽アイゼンは使わずに降りてくることができた。
アカエゾマツの森を出て、駐車場まで歩く間にポツポツと雨まで降り始める。
雌阿寒岳の山頂付近は雲に包まれて見えなくなっていた。
予定外の天気の悪さで頂上からの展望もあまり楽しめず、がっかりしていたが、もしかしたらあれだけ景色が見えていたのはラッキーだったのかもしれない。

そのまま野中温泉の風呂に入って、30分くらいで出てきたところ、上空には何時の間にか青空が広がっていた。
オンネトーまで行ってみると、その湖面には雌阿寒岳と阿寒富士の見事な姿が映り込んでいたのである。
雌阿寒岳には今回登ったルートとは違うルートもあるので、もう一度、確実に天気が良い時をねらって再チャレンジするしかなさそうである。


オンネトーに映る雌阿寒岳と阿寒富士
山を下りて温泉に入っている間に、こんな天気になっていた



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