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十勝岳連峰縦走2日目(2013/7/14)
上ホロテン場〜三峰山〜富良野岳〜上ホロカメットク山

往復縦走もまた楽し


7時30分、私達が富良野岳縦走に出発する頃には、あれほど混んでいたテン場には4張りのテントしか残っていなかった。
私達の様にここに2泊もするような登山者はあまりいないようである。
2泊したとしても、その中日を有効に使えるような縦走ルートがないのである。
上ホロカメットク山の裏?側美瑛岳までの往復はちょっと距離が遠いし、全く同じ道を歩くというのもあまり面白くない。
同じ往復するのなら、花の綺麗な富良野岳の方がまだましなのだ。

まずは上ホロカメットク山の迂回ルートから上富良野岳の分岐に向かう。
この迂回ルート側から眺める上ホロカメットク山は、爆裂火口側から見るのとは違って、とても優しい姿をしている。

その反対側の風景もなだらかな傾斜が続いている。
沢を埋める白い雪渓はそのまま十勝川の源流となる。
遠くには淡く霞んで見えるの何時か登ってみたいニペソツ山の姿だ。
昨日歩いたのと同じルートでも、退屈することはない。
もしもここを毎日歩いたとしても、その毎日で感動を味わうことができるだろう。


穏やかな風景 上ホロ避難小屋
この雪渓が十勝川の源流となるのだろう 上ホロ避難小屋と我が家のテントが見える

縦走ルートを一望上富良野岳まで登り返し、ここからいよいよ富良野岳へ続く縦走ルートへと入っていく。
最初に超えるのは三峰山。
その名の通り三つの峰があって、その真ん中が山頂となる。

上富良野岳から一旦下って、まずは三峰山の一番手前のピークを目指す。
そしてその先の富良野岳まで、これから歩く縦走ルートが一望できるのはなかなか楽しいものだ。

途中はそこら中に美しい花畑が広がり、目を楽しませてくれる。
一つ目のピークを越え、次のピークが三峰山の頂上だ。
頂上手前の岩場にも美しい花畑が広がる。
カメラを構えている人が多いなと思ったら、どうやらその辺りにはナキウサギが生息しているらしい。
ちょっと興味があったけれど、休める場所も無いのでそのまま山頂へ向かう。


斜面に広がる花畑 三峰山の最初のピークへの登り
斜面に広がる花畑 三峰山最初のピークを目指す

テン場を出てからちょうど1時間。
昭文社の山地図のコースタイムでは、上富良野岳の分岐からここまでが1時間なので良いペースで登ってきていた。
重たいザックを背負っていないと、上り下りも全く苦にならず、常に標準タイム以下で歩くことができる。

風を避けて一休みここらで一休みしたいところだが、風当たりも強くて人も多いので、次のピークまで進むことにする。
今日は北からの風が強く、尾根の上に出るとその風がまともに吹き付けてきて、寒いくらいだ。

最後のピークの手前で登山道を離れ、南側のガレ場の方に入ると風の当たらない場所があったので、そこで最初の休憩をとる。
この辺りでも、爆裂火口程ではないにしても、稜線から北側は険しい崖となり、一方の南側にはなだらかな斜面が広がっていた。

今日は、天気は良いものの、昨日よりも雲が多く、日高山脈の姿は昨日よりも霞んでしまっていた。
一休みしてから三峰山最後のピークに登る。
上富良野岳から上ホロカメットク山、十勝岳が一望でき、そしてその先の雪の残る旭岳まで見ることができる。
山頂よりも、こちらのピークの方が眺めが良いかもしれない。


三峰山の北側は険しい崖となる 三峰山のピークに立つ
三峰山最後のピークを目指す 三峰山のピークに立つ

三峰山からの展望
三峰山の最後のピークからの展望

目指す富良野岳そしてここまでくれば、その先に見えるのは富良野岳だけである。
このピークからは、150m以上下ってからまた登り返さなければならない。

下っていく途中で一人の若い女性から声をかけられた。
先日、十勝の剣山へ登っている時、中年のおばさんから声をかけれられ、誰かと思ったら私の実の姉で驚かされたことがあった。
今度はその相手が若い女性だったので、「こんな若い女性に知り合いはいないはず」と戸惑っていたら、サングラスを外してくれた女性は何と、ネットでの知り合いPooさんだった。
ご主人が海外に単身赴任中のPooさんは、今日は一人で縦走中とのこと。
同じテン場に泊まるというので、その場はそこで分かれた。

岩尾根から富良野岳を望む途中の岩尾根から富良野岳の方を眺めると、やたらに人が沢山いるのが見えた。
その辺りで、十勝岳温泉から富良野岳への登山道と、私達が歩いている縦走路とが合流するはずである。
人が多いので団体さんでも登っているのかと思ったら、ただ単に一般の登山客が沢山歩いているだけだった。
今日は3連休の中日。日帰りで山に登るとしたらやっぱりこの日を選ぶ人が多いのだ。
海の日の3連休でも、山の上ならば少しは静かに過ごせるだろうと考えていたが、昨日の十勝岳もそうだったけれど、人気の山は行楽地並みに混雑するようだ。
富良野岳は花の百名山にも選ばれているので、この季節は余計に登山者が多いのかもしれない。

ゆっくりと花を眺めながら登る様な状況でもなく、これでは黙々と登っていくしかない。
それでも、他では見られなかったエゾノハクサンイチゲの群落があったり、コイワカガミも咲いていて、それなりには楽しめた。


エゾノハクサンイチゲの群落 コイワカガミ
エゾノハクサンイチゲの群落の中を登る コイワカガミの花

富良野岳山頂からの眺めそうしてテン場を出てから2時間45分で混雑する富良野岳山頂に到着。
山頂から少し行った先に、人の少ないピークがあったので、そこまで行って一休みする。
富良野岳山頂から眺める芦別岳や夕張岳の姿を楽しみにしていたのに、少しガスっていて、あまり良い眺めではない。
昨日、上ホロの山頂から眺めた時の方が、もっとくっきりと見えていたはずだ。

人が多くて落ち着かないので、早々に下山開始。
登山道の分岐から縦走路に入ると、ようやく人の姿も少なくなってホッと一息付けた。
昼も近いので三峰山の上で昼にすることにした。
腹もへってきたせいか、富良野岳とのコルから三峰山までの約170mの登りはさすがにきつく感じた。
アップダウンを繰り返し、今日一日で一体何mを登ることになるのだろう。


三峰山の縦走路
富良野岳を下る途中、三峰山への縦走路が見えている

三峰山の岩場のレストラン富良野岳側のピークにちょうど良く風を避けられる岩場があったので、そこで昼を食べる。
そこからは十勝岳まで見通せて、なかなか眺めの良い岩場のレストランって感じだ。

食事を終えて後はテン場を目指すだけだ。
今朝、雪渓の中に埋めておいたビールが、キンキンに冷えて待っているのである。
上富良野岳まで戻ってきて、そこからは上ホロ山頂経由でテン場に向かうことにする。

上富良野岳を下る途中、こちらをジロジロと見ている人がいた。
誰かに似ているなと思ったら、同じ職場のHさんだった。
山に登るような人だとは思っていなかったので、こんなところで会って驚いてしまう。
ご夫婦のHさんも、上ホロテン場に泊まるらしい。
テントを張る場所があるのかと心配しながらも一旦別れて、私達は上ホロ山頂を目指した。

上ホロカメットク山山頂で避難小屋側から登るよりも傾斜は緩く、これならば迂回路を歩くよりも楽かもしれない。
上ホロから下っていく途中に見えたテン場は、昨日の同じ時間から比べると随分と空いているようだ。
冷たいビールにあり付けるまであと少し。
そうして朝にテン場を出てから6時間後に、同じ場所へと戻ってきた。

十勝岳連峰縦走2日目の写真 


三峰山を下る
三峰山山頂からの下りはお花畑の中を歩く

お花畑 お花畑


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