北海道キャンプ場見聞録 夏山歩きの部屋
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三段山(2013/8/4)

縦走ルートを望む


テントの撤収を終えて、午前5時50分に三段山の登山口を出発。
何時もは山スキーで登っている三段山を、初めて夏道で登ることになる。
第一の壁の上から振り返る真っ白な風景の中を登っていく冬と比べると、笹に囲まれた夏道は歩いていても全然楽しくない。
数日前に登山道沿いの笹を刈ってくれたようで歩きやすくなっていたが、この笹を刈る前は、藪こぎ状態の登山道だったのかもしれない。
ただ、刈った笹が全面を覆っていて、登山道の場所が分からなくなっているのには閉口した。

山スキーの時には苦労する一段目の壁も、夏道ならば一気に登ることができる。
アカエゾマツ林に囲まれた白銀荘の建物が、既に遠くに見えている。

その先は、冬には白いモンスターに変わるアカエゾマツの間を抜けていく。
葉が全て無くなったアカエゾマツの枝は、その辺りまで雪に埋もれるという印なのだろう。
冬の積雪は、この辺りでは5mを越えているかもしれない。


刈った笹に覆われた登山道 アカエゾマツの森
刈った笹に覆われ登山道が分からない 冬の雰囲気とは全く違うアカエゾマツの森

三本の白樺アカエゾマツ林を抜けると第二の壁が始まる。
冬と違って見通しが効かないが、何となく見覚えのある風景だ。
目印となっている3本のダケカンバも、直ぐにそれだと分かる。

この辺りでは、笹ではなく根曲がり竹が刈られて、それがそのまま登山道を覆っていた。
おまけに、根曲がり竹が縦になって登山道を覆っていたりしたら、滑り台の上を歩くようなものである。
下山時にここを歩くことを考えると、ちょっとゾッとしてしまう。

途中で、2台の刈払機が登山道の脇に置かれていた。
今日もまた笹刈りの作業をする予定なのだろう。
私達が登るのでさえ苦労するような場所で、こんな重作業をしてくれている人達には本当に頭が下がる思いだ。
根曲がり竹が滑りやすいとか文句を言っていたら、怒られてしまう。

前十勝から登る朝日第二の壁を登りきる辺りで、ようやく展望の効く場所へと出ることができた。
上空には青空が広がり、下界は雲海の下に隠れていた。
深い沢を挟んだ向かい側には前十勝の姿が迫る。
その上に浮かんだ太陽の光が眩しい。
まだ朝の6時半なので、朝日と言っても良いだろう。

登山道沿いの笹に付いた朝露が足元を濡らす。
その露の様子から、三段山に登っているのは今日は私達が最初だと思われた。
キャンプ場でテントを撤収している間に、数組のパーティーが登って行ったが、彼らは十勝岳や美瑛岳に向かったようである。
先週の利尻山と同じく、今回も私達が露払いを務めることになってしまった。

時々、三段山を見渡せる場所へ出てくる。
前十勝の山頂は三段山よりも少し高い程度なので、前十勝と背比べをしながら登っていくような感じである。


雲海 前十勝
下界が雲海の下 前十勝が次第に同じ高さに見えてくる

この辺りでは花を楽しめた登山道は山頂までほとんどが樹林帯の中を通っているので、花の姿はあまり楽しめない。
でも、途中の小さな沢地形の場所ではヨツバシオガマやイソツツジが目を楽しませてくれた。

そこから山頂方向を眺めても、山肌は全て樹木に覆われ、登山道がどこを通っているのかも分からないくらいだ。
そんな樹木のトンネルの中を腰を屈めて登っていくと、トンネルの真正面から朝日が射し込んできて、眩しくて前を見られない。

そうしてようやく樹林帯の中を抜け出すと、前十勝と三段山を分ける深い谷が眼下に広がっていた。
その斜面の途中には大雪らしいチングルマやエゾノツガザクラの花畑が広がっていた。
コケモモは既に赤い実をつけ、その実が朝日を受けてキラキラと輝いている。


前十勝と十勝岳 コケモモの実
谷の向こうには前十勝と十勝岳が見えていた コケモモの赤い実が可愛い

三段山山頂そこから最後の樹林帯を抜けると三段山の頂上に到着。
キャンプ場を出てから1時間30分だった。

3週間前に自分たちがそこを歩いた富良野岳、三峰山、上富良野岳、上ホロカメットク山、そして十勝岳までの稜線が真っ青な空の下に一目で見渡せる。
自分たちが歩いた場所を三段山から眺めてみよう。
そんな考えもあって、ここに登ってきたのだけれど、その目論見は見事に達成されたのである。

後ろには一面の雲海が広がる。
3週間前の上ホロカメットク山山頂で、地元登山者の方から「こんな雲海が広がるのは滅多にない」と聞いていたけれど、その時以上の雲海である。


雲海飛行 上ホロカメットク山と上富良野岳
お決まりの雲海飛行ポーズ 上ホロカメットク山と上富良野岳

富良野岳と三峰山
富良野岳と三峰山、手前には化物岩

雲海に浮かぶ島雲海の中にポツンと見えている山があった。
スマホのアプリ「山カメラ」を起動してそちらに向けると、暑寒別岳の標示が現れた。
同じく旭岳の近くでも雲海の上に頭を出している山があって、そちらは天塩岳だった。
雲海が無ければ見過ごしていたかもしれないこれら遠くの山も、雲海のおかげでその姿を確認することができる。

三段山山頂から見える大砲岩へのルートは、現在は通行禁止になっている。
しかし、ここから眺めても「どこに歩けるルートがあるんだろう?」って感じで、禁止されていなくても歩く気にはなれない様な場所だ。
十勝岳温泉の方に下りるルートもロープが張られて通行止めになっていた。
数年前の岩石崩落により、ここも通行禁止になったままらしい。
白銀荘からのルートは展望も今一なので、十勝岳温泉から三段山を経由して大砲岩までのルートを歩くことができれば、もっと楽しい登山ができるのに、ちょっと残念である。


左端が大砲岩 富良野岳
左端の大砲岩へはどうやって行くのだろう? こちらへ下れば十勝岳温泉だが現在は通行禁止

この樹海の中を登ってきたのだ誰もいない山頂で最高の展望を独り占めにして時間を過ごす。
樹海に埋もれた登山道の中を登ってくる人の姿が見えたので、それをきっかけに下山開始。

登っている時には大して気にもしなかったけれど、前十勝の稜線の向うに旭岳の姿が見えている。
下るにしたがって見える範囲が広がり、黒岳もちょっとだけ姿を現す。
その後は樹海の中に飲み込まれて、黙々と歩くだけ。

途中で笹刈り作業の人達とすれ違う。
営林署の人達だろうと思っていたら、それに混じって一般の登山者の様な方も手ノコをもって、邪魔な樹木の枝切りをしていた。
多分、地元の山岳会の人達なのだろう。本当に頭が下がる思いである。
でも、登る時にも気になっていた、刈られた根曲がり竹が登山道を覆っている場所では、さすがにボヤキが出てしまう。
表面がツルツルの根曲がり竹の上を歩くのは本当に恐ろしいのだ。


谷の斜面はお花畑
谷の急斜面は一面がお花畑 旭岳や黒岳の姿が見えている

キャンプ場が見えてきた最後の壁から白銀荘までは笹原の中を下っていく。
山スキーならばあっという間に着いてしまうのが歩けば10分。
山スキーと夏山では登る山が違うので、普段はそれ程気にもならないのが、三段山の様に何時もスキーで滑り降りている山ではどうしてもそのことを考えてしまうのだ。

1時間20分で駐車場まで下りてきた。
登る時は標準のコースタイムより早くても、下りは大体がコースタイム通りの時間がかかってしまうのは何時ものパターンだった。
あれほど天気が良かったのに、駐車場で振り返った時には既に山頂は雲の中だった。
山に登る時はやっぱり、少しでも朝早くに行動開始するのが良いのである。




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