北海道キャンプ場見聞録 夏山歩きの部屋
 CAMP NAVI | FAMILY CAMP | FAMILY CANOE | CAMPER LINK | CAMP BBS

ホロホロ山・徳舜瞥山(2013/10/14)

ちょっと隣の山まで


森野オートキャンプ場に泊まって、ホロホロ山に登る。
それが、天気のパッとしない体育の日3連休の計画だった。
一番天気の良さそうな3連休最終日に山に登ることにしたのは大正解で、それまで二日間続いていた時雨模様の空とはがらりと変わって、朝から素晴らしい青空が広がっていた。

倒木が林道を塞ぐキャンプ場を7時半に出て、登山口を目指して林道を走っていくと、狭い林道の路肩に車が数台駐車していた。
「あれ?こんな場所が登山口なのかな?」と不思議に思ったが、直ぐにその理由が分かった。
大きな倒木で林道が完全に塞がれていたのである。
しょうがないのでそこから歩くことにしたが、予定していた以上に長い距離を歩かされることになりそうだ。

幸いなことに、5分ほど歩いただけで登山口に到着した。
2008年版の北海道夏山ガイドでは、そこからさらに4・5合目まで林道を車で登っていけると書かれていたが、残念なことに林道は通行止めとなっていた。
そこまで車で入れれば、ホロホロ山山頂へは1時間ちょっとで登れたはずなので、ちょっとがっかりである。
今日は手軽な山登りを楽しむつもりでいたのに、結構本格的な登山になりそうだ。
ホロホロ山登山口そこの登山口にあるはずの「ひげの小屋」も無くなり、その代わりにしっかりとした登山届のボックスが置かれていた。
そして、夏山ガイドでは「ここから先の登山道は崩壊しているので、林道を歩く」となっていたのに、その登山道は草刈りもされていて、人の歩いた足跡も残っていた。
半信半疑ながら、通行止めの標示も無いのでそのまま登山道を登ることにした。

午前8時、改めて登山口を出発。
いきなり沢を二つ渡る。
何れも結構な水量があって、これ以上水が増えれば登山靴を濡らさなければ渡れないかもしれない。

沢を渡った後は急な登りが続く。
昨日までの雨で足元も滑りやすくなっている。 先に登っている人の足跡も、所々で滑った跡が付いていた。
それを見て注意していたつもりが、一度滑りだしたら踏ん張ることもできずに膝を付いて、泥だらけになってしまう。


渡渉 渡渉
沢を渡る これ以上水が増えると渡るのも大変だ

登山道の周囲は背丈ほどの根曲がり竹が茂っていて見通しが効かない。
ザックに付けた熊避けの鈴だけでは不安なので、時々大声を出しながら歩いていく。

所々に「ウムレクの松」とか「ピリカの沢」などとアイヌ語の看板が付けられているが、そのアイヌ語の意味が分からないのが残念である。

4・5合目およそ30分で林道へ出てきた。 そこが4・5合目となる。
何故、4合目でもなく5合目でもなく、4・5合目なのかは不明だが、看板にそう書かれているのである。
ホロホロ山と書かれた立派な看板も立っていた。
ちょうどその先に山のピークが見えていたので、しばらくの間はそれがホロホロ山だと思い込んで登り続けていた。

そこから先の登山道も相変わらず滑りやすく、慎重に登っていく。
次第に木々の葉は無くなり、ナナカマドの赤い実だけが目立つようになってくる

マチャッペの松の標識が付けられたマツの下で一休み。
そこからは支笏湖と周りの山々が間近に見えていた。
頂上まで登ってその風景を眺めるのが楽しみになる。


支笏湖 ナナカマドの実
支笏湖の姿が見える ナナカマドの赤い実だけが残る

先を登るかみさんのペースが速すぎて、付いていくのが大変だ。
もう少しゆっくりと登れば、それ程汗をかかなくても済みそうなのに、我が家は何時もこんな感じで登ってしまう。

タツニタイ見晴台7合目のタツニタイ見晴台に到着。
緩やかに円弧を描く苫小牧の海岸線が見渡せた。
その上には日高山脈らしき山並みも見えている。
ここからはダケカンバの森の中を歩いて行く。
すっかり葉を落としたダケカンバは白いオブジェである。
「カンナリのかんば」とか「サマッキのかんば」とか名前が付けられているダケカンバもある。
特に特徴のあるカンバでも見えないけれど、こんな名前を付けるのならせめてアイヌ語の意味も添えておいて欲しいものだ。

9合目辺りまで登ってきて、ようやく本当のホロホロ山の山頂がどれなのかが理解できた。
そちらの方が山頂に岩が露出していて、そこからの眺めも良さそうなので、ますます張り切って登っていく。

ホロホロ山山頂最後にちょっとした岩場を登って、ホロホロ山山頂に到着。
林道合流地点からは1時間ほどかかっていた。
山頂に着いて、その向こうに頂上付近が白く冠雪した端正な山の姿が見えた瞬間、思わず「富士山だ!」と叫びそうになった。
周囲に見える山々の中で、羊蹄山の山頂だけが白くなっていて、その姿は本当に富士山を思わせるのだ。

洞爺湖の姿も見えていた。
支笏湖と洞爺湖を同時に見渡せると言うのも、私の記憶では初めてである。
洞爺湖の向こうには噴火湾を挟んで、その先にも山の姿が見えている。
渡島半島の山々なのだろう。
支笏湖の更に遠くに見えている白く冠雪した山は夕張岳や芦別岳か。
札幌近郊の山々も一望できるけれど、どれがどの山かは地図と見比べなければ全然分からない。
正に360度の素晴らしい景観である。


ホロホロ山から眺める支笏湖
ホロホロ山からの支笏湖の眺めは最高だ

ホロホロ山から眺める洞爺湖
支笏湖と同時に洞爺湖まで眺められるとは驚きだ

雪を被った羊蹄山
本当に富士山そっくりな羊蹄山だ

そんな風景の中で一際目立っているのが、直ぐ隣にそびえる徳舜瞥山だった。
ホロホロ山から徳舜瞥山へは、確か30分程度で縦走できたはず。
この素晴らしい青空の下で、ホロホロ山に登っただけで下山するのはあまりにも勿体なく、このまま一気に徳舜瞥山を目指すことにした。

徳舜瞥山ホロホロ山山頂から急な岩場を下っていく。
下るにしたがって、徳舜瞥山の見事な山容が間近に迫ってくる。
山スキーで何度かその山頂を目指し、いずれも途中から引き返していたけれど、その姿を間近に見れば、真冬にその山頂に立とうなんて馬鹿げた考えだと思えてくる。
それ程急な角度で、徳舜瞥山は青空に向かって聳え立っているのである。

一度下った後の登りは足にこたえる。
それでも25分ほどで徳舜瞥山の山頂に到着。
岩だらけの山頂は結構数の登山者で賑わっていた。
徳舜瞥山は5合目まで車で登って来られるので、ホロホロ山にも登るにしても、徳舜瞥山の方から登ってくるのが一般的なようである。

ホロホロ山二つの山で山頂から見える風景に大きな変わりは無い。
洞爺湖が若干近くに見える程度だろう。
ホロホロ山に先に登れば、美しい姿を見せる徳舜瞥山にも絶対に登りたくなる。
でも、徳舜瞥から眺めるホロホロ山はそれ程美しい姿でもなく、山好きな人でなければ、わざわざそちらまで登ろうと言う気にはならないかもしれない。

そこで一休みしてからホロホロ山へと引き返す。
キャンプ場のチェックアウトは12時なので、あまりのんびりともしていられない。
既に11時近くになっていたので、それに間に合うように下山するのは難しくなっていた。
それでも、少しでも早く戻ろうと下山を開始する。

下山開始滑りやすい登山道は、下りる時の方が苦労する。
ついつい足を踏ん張ってしまうので、筋肉も余計に疲れてくる。
途中の林道と合流したところから、かなり遠回りになるけれど、林道の方を歩いて帰ることにした。

そして林道を歩き始めたところでかみさんが「まさか林道が通れなくなっている訳ないわよね」とつぶやいた。
「まさかそんな事はないだろう。車が通れなくなっていても人間くらいは通れるはずだ」と思いながらも、かみさんの言葉が心に引っ掛かっていた。

林道を歩き始めて直ぐの場所で、崖から崩れてきた岩が道路の上にゴロゴロと転がっていた。
その先では大きなマツが道路上に倒れかかっている。
夏山ガイドには、「この区間の林道はかなり荒れている」と書かれているが、荒れているどころの話しではなく、廃道に近い状況だった。


岩が転がる林道 マツが倒れかかる林道
林道上には岩がゴロゴロ マツも倒れかかってきている

跡形もない林道その後はしばらくまともな道になって、紅葉の風景を楽しんだりしていたが、やがて前方に怪しげな光景が見えてきた。
「まさか、嫌な予感が的中したのか?」
そこを目にした瞬間、何がどうなっているのか、良く分からなかった。
林道は跡形もなく消えて無くなり、積み重なった倒木の間を水がザーザーと流れているのだ。
ビックリしたけれど、沢を渡るのだと考えれば何とかなる。

その後も土石流で林道が埋まっていたり、大きくえぐられていたりと、ボロボロになった林道を歩いて行く。
一体何時の大雨でこんな被害が出たのだろう。
登山口に近付いたところの沢を越える箇所には、平成20年12月の災害復旧工事の標柱が立っていたので、多分その頃なのだろう。
林道入口部の通行止めバリケードには車両通行止めと書かれていたけれど、これならば人も通行止めにした方が良さそうだ。

結局、林道部分は35分で降りてこられたので、途中で驚かされたことは有ったけれど、下りで林道を選択したのは正解だったようだ。
ホロホロ山山頂から下山にかかった時間は1時間25分で、登りの時間と殆ど変わりなかったのである。

ホロホロ山登山の写真 




戻る │ ページトップへ