北海道キャンプ場見聞録
斜里岳(2012/10/8)
楽しい山登り |
4泊5日の道東キャンプ旅行で一番の目的が斜里岳登山だった。 前泊の屈斜路湖オートキャンプ場で濡れたままのテントを大急ぎで撤収し、斜里岳登山口へと車を走らせる。 清岳荘横の登山口から少しの区間だけ山の中を歩くと林道へと出てくる。 渡渉地点は限られているのだろうと思っていたが、ほとんど沢伝いに登っていく様な登山道なので、数えきれない程に何度も渡渉することになる。 今は水が少ないから何とか渡れるけれど、もっと水が増えたらどうなるのだろうと心配してしまう。 沢水には鉄分が含まれているらしく、川底の石は赤く染まっている。 私がストックを出そうとすると、「ここを登る時はストックは邪魔になるだけよ」 |
数え切れないくらい渡渉を繰り返す |
渡渉にも次第に慣れてきて、岩の上をポンポンと軽やかに伝っていく。水深の浅い場所なら、水中の石を足場にした方が楽に渡れることも分かってきた。 登山口から約50分で下二股までやってきた。 上空には相変わらず雲がかかっているけれど、その雲が流れていくと険しい岩峰が時々姿を現すようになってきた。 最初に現れた小さな滝、「水蓮の滝」と書かれた看板が立っていた。 水蓮の滝の先に湧水の出ている水場がある。 さらに上っていくとなめ滝状の大きな滝が姿を現した。 高度もどんどん上がって、振り返ると谷の向こうに下界の風景も見えるようになってくる。 方丈の滝まで登ってくると、先行する男性二人の登山者が見えてきた。 |
方丈の滝の横を登る | 見晴らしの滝を高巻く |
更にその先に続く「七重の滝」。 最後に「霊華の滝」があるはずだが、看板には気が付かなかった。 上二股から先は枯れ沢となり、樹木のトンネルの中を歩いていく。 そうしてようやく馬の背まで登ってきた。 先に馬の瀬で休んでいた男女も出発準備をしていたので、お互いに顔を見合わせ、私達が先に登ることにした。 馬の瀬から見た感じでは、そのピークを過ぎた後はまたかなり下るように見えていたが、実際は少し下るだけで済んだ。 その先、少しの区間だけ、両側の切り落ちたナイフリッジの様な細い尾根を通って、山頂へ続く最後の急な岩場にとり付く。 そうして、登り始めてからちょうど3時間で斜里岳山頂に到着。 斜里岳は独立峰だけあって、頂上からは正に360度のパノラマが広がっていた。 そんな展望を楽しんでいる時、太くて長い木の杖を1本持った、明らかに90歳は過ぎていそうな老人がその娘さんらしき女性と一緒に登ってきて、何気ないしぐさで山頂の標識にそっと手を触れた。 そのまま山頂で昼食にする。 食事を終える頃には知床半島上空の雲も消えて、海別岳が姿を現していた。 |
摩周湖に屈斜路湖、その向こうには雄阿寒岳などの姿も |
山頂から知床方向を望む |
11時50分に下山開始。 下山は上二股から新道の方を降りていく。 尾根の上に出てくると、その先に見えているピークの方に登っていくルートが見えていた。 地図をよく見れば、新道ルートは尾根の上をもう一度登らなければならないことに直ぐに気が付くはずなのに、この辺が私の抜けているところなのだ。 |
歩いてきた新道コースと斜里岳山頂が見える | 新道コースの途中で斜里平野を眺める |
新道コースは暫く尾根上を歩いた後、下二股の分岐まで一気に250mを下ることになる。 沢を登ってくるときは足元ばかり見ているので頭上の木の枝に何度も頭をぶつけたけれど、今度は横から張り出した木の根に何度も脛などをぶつけてしまう。 そうして14時45分に清岳荘まで戻ってきた。 |