北海道キャンプ場見聞録 夏山歩きの部屋
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坊主山(2012/6/10)

諦めきれずに


本当は白老のキャンプ場に泊まってホロホロ山と徳舜瞥岳に登るつもりだったのが、白老方面が雨のために平取町のキャンプ場に泊まることに。
山登りの予定は、平取町芽生のスズラン群生地訪問に変わってしまった。

それでもまだ時間があるので、やっぱり山にも登ることにする。行く先は穂別町の坊主山。
突然の予定変更だったので下調べは何もしていない。
林道を上がっていったところに登山口があり、頂上からの眺めは良いらしい。分かっているのは、それだけである。

道路地図だけを頼りに、穂別町富内から町道を山の中へ入っていく。すると間もなく、2車線の舗装道路が突然として細い砂利道に変わってしまった。
林業関係トラックの通行も多い様子で、その砂利道もかなり荒れている。幸い今日は日曜日なので作業も休みらしく、そんなトラックとすれ違わないのが救いだった。
この道が本当に道路地図に載っている道なのかも分からず、不安になりながら車を走らせていると、富内から入った時と同じく、突然2車線の舗装道路へと出てきた。
そしてその先で坊主山登山道への案内標識を見つけて、ようやく安心することができた。

坊主山登山口そこからまた延々と林道を走る。
林道はどんどんと標高を上げ、このまま山頂まで着いてしまいそうだと思い始めた頃にようやく登山口に到着。
既に4台ほどの車が停まっていて、こんなところにも登山者が来るのだと驚いてしまう。
入山届を見ると、私がカヌーの関係で良く利用しているどんころ野外学校の名前も書かれていた。
かみさんは、どんころのブログでそのツアーの様子を見ていたので、私よりも坊主山の様子を知っているようである。

登山道は作業道も兼ねているようで、傾斜もそれほどきつくなく歩きやすい。
最初は、良く手入れされたカラマツ林やトドマツ林の中を登っていく。熊野古道を歩いた時の杉林の風景が思い出される。
エゾハルゼミの鳴き声がうるさい位に辺りに響いている。
やがて登山道の周りは人工林から自然林へと変わってくる。
イタヤカエデやミズナラの緑が目にまぶしい。


カラマツ林の中の登山道 自然林の中の登山道
エゾハルゼミの鳴き声が響くカラマツ林 自然林の中を歩くのは気持ちが良い

水場もある夜から朝にかけて雨が降ったおかげで、木々の緑が余計に生き生きとしている。
ただ、そのために湿度が高く、汗が流れ落ちてくる。
もっとゆっくりと歩けばそれ程汗もかかないのだが、先週の風不死岳の時と同じく、今回もハイペースで登っているのだ。

途中の小さな流れには、塩ビ管で水場が作られていた。
簡単に登れる山でも、こんな場所があるのはありがたいことだ。
登るにしたがって霧がかかりだしてきたのが気になる。
朝は晴れていたけれど、その後次第に雲が多くなり、天気予報によると内陸部では雷を伴う雨が降るとも言っていたはずだ。
雨に降られるくらいなら我慢できるけれど、せっかく頂上に着いても、霧に包まれて何も見えない様な状況だけは勘弁してもらいたい。

ガスが広がってくる頂上に近づくと、坊主山の名前通り、樹木が少なくなって一帯が笹に覆われていた。
そこで初めて坊主山の山頂が見えるようになり、そこに3人程の人影も確認できた。
山頂の直ぐ近くにまで霧が迫っていたので、更に歩くスピードを速める。

笹原の向こうに建物の屋根が見えていた。
場違いな建物の出現に驚かされたけれど、かみさんの話によるとそれは山小屋らしい。
水場もあって、頂上近くには山小屋もあって、随分と恵まれた山である。

少し年を取った登山者のグループとすれ違う。
登山口に停まっていた車の台数の割にはその人数が多くて驚いてしまう。
笹藪の中を漕いで進むこの他に山頂にも4人がいるので、停まっていた車それぞれに定員一杯で乗っていたのだろう。

立派な山小屋の前を過ぎると、登山道が突然消えてしまっていた。
笹薮の中に道は続いているようだけれど、それまでの歩きやすい道とのあまりもの違いに、道を間違えたのか戸惑ってしまう。
一方、どんころのブログでその様子を知っていたかみさんは「頂上近くでは藪漕ぎしないとダメみたいよ」と落ち着いたものだ。
何も知らずにショートパンツで登ってきたりしたら、最後に悲惨な目に遭うところである。


山頂の人影 立派な山小屋
山頂の人影がガスに隠れそうだ 「山小屋坊主」の看板がかかっていた

東と西で天気が違う途中まで登ってくると、日高山脈の山々が一気に視界に飛び込んできた。
それまでは、周りの山もガスに覆われていて、頂上からの展望もあまり期待していなかったのだが、坊主山の東側はそのガスが晴れていたのだ。
それにしても、それ程標高が高いわけではないこの坊主山を境にして、東と西ではっきりと天気が違っているのは面白い現象だった。

カメラを取り出そうとしたけれど、山頂まではあと少しなので、ぐっと我慢して先を急いだ。
山頂直前の登山道脇にスズランの花を見つける。
今朝、平取町の群生地でその花を楽しんだばかりで、まさかこの山の上で再びスズランの花に会えるとは思ってもいなかった。

坊主山山頂そうして登り始めてから約40分で坊主山山頂に到着。
眺めの良い山だとは聞いていたけれど、その山頂部分は周りから飛び出すように聳えていて、樹木も生えていないので、まさしく360度のパノラマが広がっているのだ。
まあ、今回は半分がガスに隠れて180度のパノラマしか楽しめなかったけれど、それでも全く不満は無かった。
何時もこの山を眺めながら走っていた国道274号、激流に揉まれながらカヌーで下った鵡川。それらの全てが一望できる。
鵡川を挟んだ向こうに見える日高山脈の山々は、山頂付近だけに雲がかかっているものの、延々と連なっている様子がはっきりと分かる。

天気が良ければ、北には夕張岳、東には今日登るはずだったホロホロ山まで見えるらしく、素晴らしい風景を楽しめるのだろう。
でも、天気が悪いことを覚悟して登ってきて、これだけの展望を楽しめれば十分だった。
秋にもう一度登りたいねとかみさんと話をしながら山頂を後にする。


坊主山山頂からの展望
日高山脈のハッタオマナイ岳は雲に隠れていた

坊主山から見下ろす鵡川
カヌーで下った鵡川も見下ろせる、水はかなり少ないようだ

巨大な岩の横を歩く急いで登ってきた分、帰りは花の写真を撮りながら、のんびりと下る。
ハクサンチドリを中心に、数こそ多くは無いものの、色々な種類の花がひっそりと咲いていて、それを見つける楽しみもある。
結局、登りの時間よりも多くかかって登山口まで降りてきた。
樹海温泉はくあで汗を流し、ついでにそこの食堂で蕎麦を食べる。
腹が減っていたせいかもしれないが、下手なそば屋で食べる蕎麦よりも美味しかった気がする。

登山口までのアプローチは少し大変だけれど、1時間弱で登ることができる坊主山は、山頂からの眺めも素晴らしく、お勧めの山である。


坊主山の花々
ハクサンチドリ、ツマトリソウ、スズラン、オオヤマフスマ、チシマフウロ、マイヅルソウ
坊主山山頂 笹原と針葉樹の風景が広がる
山頂には視界を遮るものは何も無い 山頂周辺の風景


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