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銭函天狗山(2011/11/12)

これが最後の夏山かな


 11月に入っても暖かな日が続き、手稲山にもまだ雪が積もっていない。
 これならばシーズン最後にもう一度、近郊の山ならば登れそうである。
 天気が良くて暖かな土曜日、銭函天狗山へ出かけることにした。
銭函天狗山登山口駐車場 標高537m、銭函市街地の裏山のような感じで、今まで大して気にもかけていなかった山である。
 1時間少々で登れるようなので、こんな時にぷらっと出かけるにはちょうど良いところだ。
 9時過ぎに登山口の駐車場に到着。
 シーズンオフなので登る人も殆どいないだろうと思っていたら、駐車場には既に5台ほどの車が停まっていた。
 私たちが準備をしている間にも別の車が入ってきて、登山人口って本当に多いんだなと改めて実感させられる。
 山の木々は既に葉を落として丸裸となり、唯一カラマツの黄葉だけが殺風景な森の中に彩りを添えている。

 そんな風景の中、緩やかな上りの続く登山道を10分ほど歩いていくと、銭天山荘と書かれた山小屋が現れる。
 札幌山岳会所有の山小屋らしい。
 登山口からも近く、山小屋と言うよりは、森の中に建てられた別荘の様な雰囲気である。


緩やかな山道 銭天山荘
葉の落ちた森の中を歩く 山小屋と言うよりも森の中の別荘の雰囲気

太い蔓に巻き付かれた樹木 銭天山荘から先は沢沿いに登山道が続く。
 所々にぬかるんだ場所もあり、足元に注意を払いながら歩かなければならない。
 早くも下山してきた人とすれ違った。
 朝の散歩代わりにでも登っているのだろうか。

 太い蔓の絡んだ樹木が目に付く。
 以前にヤマブドウの蔓を使って直径1mのリースを編んだことがあるけれど、ここの蔓を使えばもっと巨大なリースを作れそうだ。
 登山道は途中でその沢から離れ、尾根の上に出る急な上り坂となる。
 足が重く感じるのは、朝のランニングで10キロを走ったばかりからなのだろう。
 この程度の山を登るのなら、普段通りに朝ランを走っても大丈夫だろうと考えていたが、それ程甘くは無かった。
 やっとの思いで尾根の上に出てくると、その尾根の反対側にはゴルフ場が広がっていた。


尾根へ出る急な登り 尾根の反対側にはゴルフ場が広がる
尾根の上に出る急な登り 尾根の反対側にはゴルフ場が広がる

ロープの張られた急な登り 尾根に出れば傾斜も緩くなるだろうと期待していたが、直ぐにまたキツイ登りに変わってくる。
 今までは陽射しも遮られていたものの、尾根に出てからは太陽に照らされて汗がにじんでくる。
 気温は既に10度を超えていそうだ。
 服を一枚脱いで、長袖のTシャツだけになるが、それでも暑いくらいだ。
 更に傾斜はきつくなり、登山道脇に張られたロープを頼りに登っていく。
 やがて前方に垂直に切り立った岩壁が現れた。
 国道5号線の星置付近を走っていると、頂上直下に岩肌の露出した山が見えるが、それが銭函天狗山である。
 地形図上の名前はただの天狗山だけれど、他の天狗山と区別するために登山者の間では銭函天狗山と呼ばれている。
 「天狗」の名の付いた山は、大体が険しい岩場を併せ持っているようである。
 その垂直の岩場のおかげで、視界が一気に広がる。


銭函天狗山の岩壁 眺めの良い場所でポーズ
迫力のある岩壁が目前に聳え立つ 足場が狭く、びびりながらポーズとってます

岩壁の上で 登山道は一旦その岩壁の裏側へと回り、最後の急な坂を上りきると、その岩壁の上へと出てくる。
 奥手稲山から手稲山への山の連なり、そして札幌の町並みから、緩くカーブした石狩の海岸線までが一望できる。
 空気が霞んでいるため、残念ながら増毛の方の山並みまでは見通せなかった。
 写真を撮ってもらうために、切り立った岩の縁ぎりぎりまで近寄ろうとするが、足がすくんでしまう。
 見ているかみさんの方が怖がって「お願いだからそれ以上端に寄らないで」と悲鳴を上げる有様だ。
 銭函天狗山の山頂標識はそこを過ぎた場所に立っているが、気分的にはこの岩壁の上が本当の山頂である。
 上り始めてから60分。時間の割には、途中からは急な登りがずーっと続いて、結構登り応えのある山だった。

山頂標識 標識の立つ方の山頂は結構賑わっていた。
 駐車場の車の台数と途中ですれ違った登山者の数から、静かな山頂を想像していたのに、ちょっと予想外である。
 車1台に付き一人か二人しか乗っていないと言うのは私の勝手な思い込みだったようだ。
 混雑した山頂の片隅で一休み。
 モノトーンな山の風景の中で、一部だけカラマツの森が黄色く色づいているのが目立っている。
 完全に初冬の山の風景だけれど、そこから見える範囲には、雪の積もっている山はどこにも無かった。
 とても11月とは思えない暖かさだ。


銭函天狗山からの展望
岩の上からは最高の展望を楽しめる

銭函天狗山からの展望
左奥に手稲山が、右奥にちょっとだけ見えてるのが奥手稲山かな?

銭函天狗山から景色を眺める カラマツの黄葉
我が家は山の陰で見えません 唯一の彩りがカラマツの黄葉

 汗が乾いてきたところで下山を開始する。
 その途中でも登ってくる登山者と次々にすれ違う。
 元気なお年寄りから若い女性のグループまで、まさに老若男女。ここが人気の山であることを改めて思い知らされる。
森の中の彩り 市街地からも近く、1時間少々で登ることができて、しかも山頂からは素晴らしい展望も楽しめる。
 人気があるのも当然である。
 ただし、標高差417mを1時間ちょっとで登るのだから、決して楽に登れる山ではない。
 下りの苦手なかみさんは、トレッキングポールを持ってこなかったことを後悔していた。
 途中で二人ほどに追い越されて、50分で駐車場まで戻ってきた。
 朝のランニング1時間に、往復2時間の山登り。
 土曜日午前中の運動としては、ちょっときつかったかもしれない。
 来週の月曜日からは一気に冷え込み、遅れていた初雪もとうとう降りそうである。
 今日で今年の夏山登山も終わり、後は雪が早く積もって山スキーシーズンが始まるのを待つばかりである。



銭函天狗山GPSトラック

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