登山道は一旦その岩壁の裏側へと回り、最後の急な坂を上りきると、その岩壁の上へと出てくる。
奥手稲山から手稲山への山の連なり、そして札幌の町並みから、緩くカーブした石狩の海岸線までが一望できる。
空気が霞んでいるため、残念ながら増毛の方の山並みまでは見通せなかった。
写真を撮ってもらうために、切り立った岩の縁ぎりぎりまで近寄ろうとするが、足がすくんでしまう。
見ているかみさんの方が怖がって「お願いだからそれ以上端に寄らないで」と悲鳴を上げる有様だ。
銭函天狗山の山頂標識はそこを過ぎた場所に立っているが、気分的にはこの岩壁の上が本当の山頂である。
上り始めてから60分。時間の割には、途中からは急な登りがずーっと続いて、結構登り応えのある山だった。
標識の立つ方の山頂は結構賑わっていた。
駐車場の車の台数と途中ですれ違った登山者の数から、静かな山頂を想像していたのに、ちょっと予想外である。
車1台に付き一人か二人しか乗っていないと言うのは私の勝手な思い込みだったようだ。
混雑した山頂の片隅で一休み。
モノトーンな山の風景の中で、一部だけカラマツの森が黄色く色づいているのが目立っている。
完全に初冬の山の風景だけれど、そこから見える範囲には、雪の積もっている山はどこにも無かった。
とても11月とは思えない暖かさだ。
|