丸太階段の付けられた急な坂道が延々と続いていた。
確かにここを下りることを考えれば、少々苦しくても登る方が良いかもしれない。
それに、登りの方が登山道脇の花を目線の高さで楽しめるので、登る苦労も忘れてしまうのだ。
それでも花の写真を撮る時は良い構図を求めてしゃがんだり立ったりを繰り返す。
これではまるで、急な階段をスクワットをしながら登っているようなものである。
標高700m付近でようやく尾根の上に出て急な登りから解放される。
そこにはベンチもあって、還暦をとうに過ぎたようなおばあちゃんが休んでいた。
前日に札幌から車できて車中泊し、朝早くから登り始めたとのこと。途中で見た花の名前を一生懸命メモしている。
元気なおばあちゃんに挨拶をして、細い尾根の上の道を歩き始める。
前方に842mのピークが見えている。
それがまるで神居尻山の頂上に見えるが、本物の頂上はもっと左側である。
しかしそちらは雲に隠れてしまって姿が見えない。
今日は次第に天気が回復してくると思っていたのに、実際はその逆で、朝は晴れていたのに次第に雲が増えつつあるようだ。
サクラがまだ花を咲かせているのに驚いた。
背の低いサクラなのでチシマザクラかと思ったが、後で調べてみると標高の高いところに咲くタカネザクラという種類らしい。
尾根を進んでいくと842mのピークに向かって再び急な登りが始まる。
サクラと一緒にシラネアオイも咲いている。
ツバメオモトにハクサンチドリと違う種類の花も目立ってきた。
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