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目国内岳(2014/04/26)

季節は春


霞む羊蹄山今シーズンの山スキー納めとして目国内岳に出かけることにした。
雪の多い倶知安町も、さすがに四月下旬となると畑の雪も溶けて、黒々とした土や鮮やかな緑の秋まき小麦が顔を出してきている。
そしてその先には、まだ真っ白な雪を抱いた羊蹄山がその存在感を際立たせている。
天気は良いのだけれど、今日は気温も高く春霞がかかって羊蹄山の姿も霞み気味だ。

新見温泉までやって来ると、さすがにここは、たっぷりの雪に覆われたままである。
ただ、気温は高く、まだ朝の8時なのに気温は既に10度以上まで上がっていた。。
準備を整えて、上着はザックに取り付けたままで登り始める。

林道から目国内岳が見える林道を登っていくと、やがて目的の目国内岳が見えてきた。
3年前にも目国内岳を目指したことがあるが、その時は前目国内岳まで登ったところで天気が崩れてきたので、引き返していた。
今回はその時のリベンジも兼ねてのチャレンジである。

目国内岳へは前目国内岳経由で登るルートもあるが、今回は途中から新見の沢川を渡って862mピークを目指すルートをとることにした。

GPSに登録してあった場所から、沢に向かって滑り降りる。
結構な高低差があったので、帰りには苦労しそうだ。
雪解けが進んでスノーブリッジが無くなっていることを心配していたが、かろうじて一か所だけ渡れそうな場所があった。
しかし、たとえ今渡れたとしても、今日は日中の気温が20度を超える予報になっていたので、下山時までそのスノーブリッジが残っているかも心配である。
そんなことを考えながらも、一人ずつ慎重にスノーブリッジを渡った。


新見の沢川 新見の沢川スノーブリッジ
すっかり水面が開いた新見の沢川 スノーブリッジはこの一カ所だけ

ダケカンバの間を登るしばらくの間、ダケカンバの間を縫いながら登っていく。
春スキーシーズンに入ってから、双珠別岳、岩内岳と登っていたが、この目国内岳を含めて、3山ともその雰囲気がとても良く似ているのだ。

最初は林道を歩き、途中からダケカンバなどの林間を登っていくと、やがて右手に森林限界を超えた真っ白な山体が見えてきて、最後は真っ白な斜面を黙々と登っていく。
十日以上も前のことを思い出しながらこの文章を書いているのだけれど、あまりにも似過ぎていて、何処の山の記憶なのかがあやふやなのである。

前方の景色は似ていても、後ろを振り返った時の風景は全然違っている。
ここでは、登るに従って白樺山、シャクナゲ岳、チセヌプリ、ニセコアンヌプリと、ニセコ連峰の山々が次第に見えてくるのである。
そんな風景が、沢を渡ってからずーっと続く急登の疲れを癒してくれる。


背後に見えるニセコ連峰
ニセコ連峰を後ろにしながら急斜面を登る

ニセコ連峰が後ろに ダケカンバの間に目国内岳が見える
アンヌプリも次第に姿を現す ダケカンバの間から見える目国内岳

862mピーク付近まで登ってくると、ようやく傾斜も緩くなってきた。
そして前方に目国内岳山頂の姿も見えてくる。
右手の沢が次第に浅くなってきてたところで、山頂に向けて方向を変える。

そこからは真っ白な斜面を黙々と登っていく。
下を向きながら登っていても、雪面からの照り返しが容赦なく顔面に突き刺さってくる。
太陽に直接顔を向けるよりも、下を向いている方が日に焼けそうである。
かみさんは今日は最初から覆面姿だ。

山頂付近は岩が露出している。
その岩の間に夏道の目印が付いていたので、その下でスキーを外して岩をよじ登ることにする。
しかし、岩の間の雪が所々で落とし穴を作っていた。おまけにスキー靴では岩を登るのも難しい。
かみさんはそれ以上登ることができず、私一人で山頂に立つことにした。


雪面に浮かぶ島 山頂付近
雪原に浮かぶ島? 山頂付近は岩が露出している

山頂標識は隣に!ところが、そこから少し登ったところで、山の裏側から雪の上を登ってこられるルートがあったことに気が付いたのである。
そこならば、スキーを履いたままで登って来れそうだった。

そんなドジを踏みながらも2時間45分で目国内岳山頂に立った。
と思ったら、山頂標識は隣の岩の上に見えていたのである。
そちらへ移動するのも、ハイマツの落とし穴があったりして大変そうなので、今回はこちら側を勝手に山頂と決める。

天気は良いのだけれど、気温が高いせいか霞がかかって遠望がきかない。
ニセコアンヌプリの先に見えるはずの羊蹄山の姿さえ確認できないくらいに霞んでいるのだ。


目国内岳山頂からの風景
ニセコ連峰は霞んでいるし羊蹄山は見えない

大斜面を滑る山頂付近は風も強く、これでは長居は無用なので、サッサと滑り降りることにした。

山頂からの大斜面の途中に、まるで島のように雪原に浮かぶ島のように、岩とハイマツが露出している場所があったので、その陰で風を除けながら昼食を食べることにした。

そこからは、目国内岳とニセコ連峰の両方が一目で望める。
風も当たらず、日射しも暖かく、雪上ピクニックの気分である。

その後、862mピークまで一気に滑って、そこから先はダケカンバの間の急斜面を滑り降りる。
もっと寒い時期ならば、ここでは最高のパウダー滑降を楽しめそうだ。


昼食タイム 昼食タイム
島の陰で昼食 眺めは最高

滑降 林間滑降
ザラメ雪で滑りやすい ダケカンバの疎林を滑る

登りがきつい新見の沢川を渡るスノーブリッジも崩れずに残っていてくれた。
しかし、その先の林道への登りが最高に辛かった。
ザラメ状の重たい雪がスキーの上に乗ってくるのである。
これならば、短い距離だけれどシールを貼って登った方が良かったかもしれない。
今シーズンの登りで一番きつかった気がする。

そんな疲れも、新見温泉ホテルの湯と、ここの女将のきめ細やかなサービスで吹き飛んでしまった。

山を下りて、ニセコの某所へ立ち寄ってみると、そこでは既にカタクリが満開となっていた。
季節はもう完全に春へと変わったようである。

GPSトラック 


カタクリも満開、季節は春


新見温泉 862ピーク 山頂

1:30

1:15
距離:4.5km 標高差:727m


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