北海道キャンプ場見聞録
我が家のファミリー通信 No.86-2
奈良旅二日目(東大寺・興福寺)
奈良旅2日目は昼頃から雨が降り始める予報だったので、近間の奈良公園を観光することにした。
県庁前のバス停を下りると、いきなり鹿の姿が目に飛び込んできた。
通勤する人達が足早に行きかう歩道を鹿が悠然と歩いている様子に、さすが奈良だと感心してしまう。
県庁前の通勤風景
最初に興福寺を見るつもりでいたけれど、午前9時の開館までまだ30分以上時間がある。
猿沢池から五重塔の写真を撮って、先に東大寺へ行くことにした。
猿沢池から眺める五重塔
それにしても、至る所に鹿がたむろしているのに驚かされる。
公園内の通路も鹿の糞だらけなので、ボーっと歩いているとそれを踏みつけてしまう。
そこら中でたむろする鹿たち
東大寺へ向かう途中に氷室神社に寄り道。
平城遷都にともない春日野に氷池や氷室をつくり、稲作に重要な夏の天候を呪う祭紀を行ったのが始まりとされているだけあって、拝殿の前に氷が置かれていた。
枝垂桜も有名らしいが、門前の樹齢100年の枝垂桜は樹勢が衰えて惨めな姿に変わり果てていた。
氷が置かれた氷室神社
東大寺では巨大な南大門にまずは圧倒された。
国内最大の山門で、鎌倉時代に造営され国宝にも指定されている。
巨大な南大門に圧倒される
それにしても人がいない。
奈良で一番の観光地であるはずなのに、境内にいるのは私たちを含めても数名程度である。
コロナ騒ぎで観光地も閑散としていると聞いて今回の奈良旅を企画したのだけれど、ここまで人が少ないとは思わなかった。
人も疎らな東大寺境内
でもこれは、私たちにとっては嬉しい事態でもある。
東大寺で写真を撮っても他の観光客の姿が映り込まないなんて、絶対に考えられないことなのである。
境内の桜も満開。
世界最大級の木造建造物である国宝大仏殿と桜の風景を、正に独り占めだ。
満開の桜と大仏殿
国宝の大仏(廬舎那仏座像)もじっくりと見ることができる。
何て贅沢な時間なんだろう。
大仏殿の中もゆっくりと見て回れる
大抵の仏閣では仏像等の撮影は禁止されているけれど、ここでは三脚を使わなければ自由に撮影できるのが嬉しい。
後ろから見る大仏様も新鮮だ
東大寺境内には、他にも二月堂や法華堂等国宝に指定されている建物が沢山ある。
それらを見て回っているうちに、雨が降り始めてしまった。
お水取りの行われる二月堂、松明から降り注ぐ火の粉を見てみたい
しかし、雨を見越して今日の行動を考えていたので困ることはない。
東大寺ミュージアムで、ゆっくりと展示物を見て回った。
せっかくなので、鹿に煎餅を食べさせてみることにした。
観光客が減って煎餅を貰えなくなり、奈良公園の鹿が狂暴化している何てニュースも聞いていたので、大きな群れの真ん中で煎餅を取り出すような無謀な真似はしない。
観光客より鹿の数の方が多い
それでも、かみさんが煎餅を取り出した途端に周りの鹿が集まってくる。
私も試しにやってみたが、直ぐに煎餅を与えないと服を噛んで引っ張ったり、前足でど突いてきたりするので、なかなかスリリングだった。
恐る恐る鹿せんべいを食べさせるかみさん
雨が強くなってきたので、じっくりと昼食の店を探す余裕もなく、東大寺門前の夢風ひろばにあった蕎麦屋に入る。
その店は値段も高くて、蕎麦も美味しくなく、やっぱり観光客向けの店には入るものではないと思い知ることとなった。
夢風ひろばにはmont-bellショップも有ったので、鹿のプリントがされたTシャツを購入。
公園内にある奈良国立博物館はコロナウイルスの影響で休館中。
雨の日に見るのには丁度良い施設だったのに残念である。
民間の施設は簡単には休まないのに、公共の施設は我先にと休館する傾向にあるようだ。
収入が減っても困ることはないし、職員だって仕事しなくて済むのだから大助かりなのだろうと、うがった見方をしてしまう。
店の前でたむろしている鹿が多い
興福寺に向かって歩いていると、閉まっているせんべい屋の前で、まるで店が開くのを待っているように1頭の鹿が店の中を覗きこんでいた。
思わず笑ってしまったけれど、多分その店はコロナ騒ぎが一段落するまで開くことはないと思われ、その鹿がとても不憫でもあった。
店が開くのを待っているみたいだ
興福寺は、五重塔や東金堂など国宝に指定されている建物が見事だけれど、昨日の薬師寺と同じように、その周りが殺風景過ぎてあまり面白くはない。
それでも、その中の仏像は国宝だらけ。
撮影禁止なので、その姿を頭の中に焼き付けようとするが、多分外に出たら一瞬で消えてしまいそうだ。
興福寺東金堂と五重塔
奈良は国宝に指定されている仏像が多いので、事前に下調べもしておいた。
何の知識もなく見るよりは、感動も大きい。
興福寺五重塔
国宝館の中も、正に国宝仏像のオンパレード。
近年の仏像人気の中でも多分一番と思われる「阿修羅立像」もこの国宝館の中に展示されている。
私はこの阿修羅立像よりも、2体の金剛力士立像に強く惹かれた。
血管が浮き上がるその力強い姿に、暫く目を奪われた。
雨の日のアーケード街はありがたい
相変わらず雨は降り止まず、アーケードのかかったもちいどのセンター街をそぞろ歩く。
入り口にある中谷堂でよもぎ餅、魚万でさつま揚、そしてスーパーのオーケストで食材を仕入れ、午後3時前には宿へと戻った。
今回は時間がたっぷりとあるので、我が家の何時もの旅の様にあくせくと動き回らなくても良いのである。
中谷堂のつきたてよもぎ餅は美味しい