北海道キャンプ場見聞録
我が家のファミリー通信 No.77
網走マラソンで自己ベスト(2018/09/30)
過去2回の網走マラソンは、5:28:50に5:25:15とパッとしない成績である。
前半の能取岬までのアップダウンで体力を使い過ぎて、後半にガクッと失速するのが何時ものパターンである。
気軽に撮影に応じてくれるジャック・スパロウ
9月は山登りや川下りに時間を取られて、十分な走り込みもできていない。
去年の別海、今年の千歳と2回連続でサブ5を達成していたけれど、今回はそれも厳しそうだ。
そう思っていたところへ、GPSウォッチを忘れてきたことにまで気が付き、今回はタイムは気にせずにエイドの充実した網走マラソンを楽しむことにする。
去年、帯広でのハーフマラソン時に一緒に記念撮影をしてもらったジャック・スパロウさんを見つけて、再び写真を撮らせてもらう。
今年の北海道マラソンを応援していた時も、その走っている姿を見かけたし、色々な大会にこの仮装で出場しているみたいだ。
かみさんはEブロック、私はFブロックからのスタートとなる。
スタートは網走刑務所の敷地内。
ヒマワリの咲く網走刑務所
スタートの合図とともに集団が動き始めるが、敷地内の幅の狭い園路を通るので、走るのは無理である。
ようやくゲート前までたどり着いて、そこで東京農大応援団が大根踊りで見送ってくれている姿を写そうとしていたら、そこで急に皆が走り始めて慌ててしまう。
東京農大応援団とチアリーダーによる大根踊りのお見送り
事前の計画では前半はキロ6分50秒ペースで走るつもりでいたけれど、GPSウォッチを忘れたので、自分の感覚で走るしかない。
そうすると、次々に追い抜かれていく。
自分はそんなにゆっくり走っているつもりはないので、他のランナーのペースが速すぎるのだろう。
街を抜けるまでは沿道の応援が多い
幸い1キロごとに表示があるので、普通の腕時計のストップウォッチ機能で、自分のペースは大体見当がつく。
概ねキロ7分程度で走っていたので、しばらくはこのペースを保つことにした。
ゲストランナーのエリック・ワイナイナさんが、皆の背中を叩きながら凄いスピードで追い抜いていった。
スタート時のFブロックでは、すぐ前に5時間のペースランナーがいた。
それに付いていこうかなとも思ったけれど、その姿はどんどん遠ざかっていってしまった。
最初のエイドが4キロ地点の私設エイドで、カニ汁が振る舞われている。
過去2回は「レースが始まったばかりなのに、こんなところでゆっくりとカニ汁なんか食べてられない」と素通りしていたが、今回はしっかりといただくことに。
少ししょっぱかったけれど、5.5キロに給水ポイントが有ったので、助かった。
カニ汁エイドの案内をする子供たち
カニ汁エイドの前は大賑わいだ
そこからいよいよ能取岬への坂道が始まる。
この網走マラソンに備えて、手稲山で坂道ランのトレーニングもしていたので、坂道もそれ程苦にはならない。
坂道でダース・ベイダーに追い越された
アップダウンの繰り返しはあるものの、標高差は80m程度。
手稲山で一気に300mを登るのに比べると楽なものである。
7.8キロの自衛隊エイドでは、コーラとミニトマトに手を出す。
マラソンのエイドでコーラを飲むのは初めてだったけれど、なかなか美味しいものだ。
走っている途中にゲップが出るけれど、それは大して気にならない。
10キロで出された「お菓子な牛乳かい?」は地元で作られているお菓子。
これがとても美味しかったので、お土産に買って帰った。
エイドで出されていたお菓子な牛乳かい!?
お土産に買って帰ったお菓子な牛乳かい!?
能取岬は灯台をぐるりと回って折り返しコースとなる。
そこでかみさんの姿を探していたら、4時間30分のペースランナーの大集団に混ざった走っているのを見つけハイタッチをする。
能取灯台を一周する
能取岬の風景には青空が似合うのだけれど、今日は曇り空。
でも、曇り空のおかげで今日はとても走りやすい。
ここのエイドでは、芋団子にあんぱんと牛乳に手を出した。
あんぱんだけだと喉つまりするけれど、牛乳があるのはありがたい。
いも団子にかぼちゃ団子
あんぱんの他に牛乳もあるのが嬉しい
能取岬の往復コースを登りきると、後は下っていくだけである。
エイドでゆっくりとして、上り坂もあった割りには、ここまでまだキロ7分のペースで走れていた。
この後は、何処までこのペースを維持できるかである。
ここから先はほぼ平坦な道が続く
20キロの通過は、自分の時計で2時間20分。
キロ7分ペースをしっかり維持できていた。
そこのエイドでレモンを口に含む。
ものまねエイドの橋本真也
その先の22キロ地点にあった「ものまねエイド」には笑ってしまった。
東京農大の学生が色々なエイドをやっているとは開会式の時に聞いていたけれど、それがまさかものまねとは思ってもいない。
しかもそのものまねがプロレスラーの橋本真也なのには痺れてしまった。
2005年に40歳にして亡くなったのだけれど、私がまだプロレスを良く見ていた頃のレスラーなので懐かしかった。
一緒にレイザーラモンもいたけれど、橋本真也と比べると影が薄い。
ついでに、そこでチョコレートも貰っていく。
25キロエイドでは、砂糖菓子の「天才ビートくん」とバナナ。
走っている時に天才ビートくんの甘さは嬉しかったけれど、お土産に買って帰るほどのインパクトはない。
たまたまトイレが空いていたので、ついでにそこで用を足しておく。
25キロエイドのバナナ
25キロエイドの天才ビートくん
26キロ手前から往復3キロの区間は、折り返しコースとなる。
そこではもう、かみさんの姿は見つけられなかった。
5時間のペースランナーが意外と近くを走っていたので、何とかそれに追い付きたいものである。
29キロエイドにいた意味不明のゆるキャラ
27キロに初めてスポンジポイントがある。
暑い時ならばもっと早くからスポンジが欲しくなりそうだが、今日ならばここで十分だった。
両腿と首筋にスポンジで水をかける。
29キロエイドも充実している。
メインはシジミ汁。直ぐ隣の網走湖は北海道で一番のシジミ産地なのである。
しょっぱいけれど、塩分補給には丁度良い。
他に揚げカマボコの「長天」とコーラもいただく。
ベーグルもあったけれど、喉つまりしそうで手は出さなかった。
ここのエイドで時間をとり過ぎたので、少しペースを上げる。
30キロを過ぎてもまだ足は動いていた。
9月には30キロを2回走っていたけれど、いずれも最後まで走り切れずに途中で歩いてしまった。
今日も何処まで走り続けられるか不安だったけれど、気温も20度程度までしか上がらなかったのが幸いしたようだ。
人気のシジミ汁
長天も美味しかった
ただ、遠くを見るとその距離が嫌になって、先に心が折れてしまいそうなので、地面だけを見ながら黙々と走り続ける。
33キロの私設エイドからもくもくと立ち昇っている煙を見ると、急に元気になる。
それはあばしり和牛を焼く煙で、臭いまで漂ってくるのである。
最初に走った時は既に品切れ、2度目に走った時はかろうじて干からびかけた肉が残っているだけ。
今回はようやく、焼き立てのジューシーなあばしり和牛を食べることができた。
ミニトマトもいただいて先へ進む。
肉を焼く煙と匂いに元気づけられた
ミニトマトも嬉しい
網走市と交流のある天童市のエイド
ステーキを食べた後はデザートが待っている。
35キロエイドは天童市スペシャルとして、リンゴとシャインマスカットが提供されているのだ。
疲れているので、リンゴを急いで食べるのはちょっと大変だった。
エアーサロンパスのサービスもあったけれど、今のところそれに頼る必要は無さそうだ。
35キロを過ぎると、サイクリングロードを走るようになる。
そしてその先にはゾンビ坂が待っているのだ。
標高差20m程度の坂だけれど、足が動かなくなってきているところでの坂なのでかなりきつい。
皆がゾンビの様にフラフラしながら歩いているので、私がそう名付けた坂である。
ゾンビの様に坂道を歩くランナー達
今回はそのゾンビ坂も歩くことなく駆け上がる。
ここで何と、ゾンビ化していたジャック・スパロウさんを追い抜いてしまった。
仮装して走っているランナーは、元々が速い人ばかりなので、追い抜けることなど殆どない。
それが今回は、21キロ付近でかぐや姫を追い抜いて更にジャックまで追い抜いたのだから、自分でも信じられない。
坂を登り終えた後の下りに入って、股関節が痛くなってきた。
今年の千歳マラソンでも、最後の方の下り坂で股関節が痛くなり歩いてしまったが、今日は何とかそのまま走り続けられた。
ゴール会場の大曲湖畔園地に入ってきても、まだゴールまで2キロ近くある。
そこでとうとう5時間のペースランナーに追い付いた。
そしてそのまま追い抜いて、最後の力を振り絞ってゴールを目指す。
2キロ近い距離をラストスパートする力が残っていたことが自分でも信じられない。
最後の力を振り絞ってヒマワリ畑の中をゴール目指して走り続ける
そうして4時間57分19秒でゴールゲートをくぐり抜けた。
ネットタイムは4時間52分47秒、自己ベストを大きく更新である。
何時もは、ゴール後に足が攣って動けなくなるのに今日はそんなこともない。
アイシング用の氷を貰って直ぐに冷やしたのも良かったようだ。
4時間半のペースランナーと一緒に走っていたかみさんも、途中でペースランナーを追い越し、4時間23分18秒(ネットタイム4時間20分21秒)と自己ベストを大幅更新。
平坦コースでもない網走マラソンで2人そろって自己ベストを更新できたのは、曇り空で気温もそんなに上がらなかった天候のコンディションに恵まれたこともあるのだろうが、それ以外に網走マラソンの運営の素晴らしさに助けられた部分も大きい気がする。
2人そろって自己ベストを大幅更新
自分で用意していた栄養補給のゼリーなどには全く頼らずに、エイドで提供されている食べ物だけで済ますこともできた。
一般的なマラソンでは給水は5キロごとが普通だけれど、網走マラソンではほぼ2.5キロごとに給水があるのにも助けられた。
水分補給にあまり気を使わなくて済むし、足が辛くなってきたらその水をかけてアイシング代わりにもなるのだ。
ある程度の余裕を持って42キロを走りとおすことが初めてできて、ようやく一端のマラソンランナーになれたような気がした網走マラソンだったのである。