北海道キャンプ場見聞録
我が家のファミリー通信 No.59
そらち炭鉱の記憶アートプロジェクト2014 |
去年初めて見に行った、旧住友奔別炭鉱石炭積み出しホッパーの建物を利用して開催された奔別アートプロジェクト2013。 |
旧住友奔別炭鉱のシンボル、立坑櫓 |
まずは去年と同じ幾春別の奔別炭鉱会場へと向かう。 私は芸術に造詣が深い方ではないが、説明を聞いて初めて云々とうなずく様な作品ってどうなのかな〜と思ってしまう。 しかし、石炭積み出しホッパーとして使われていた巨大な建物に足を踏み入れた瞬間、がっかりしてしまった。 釈然としないまま、ガイドツアーの後ろについて歩いていく。 建物の外をあるている時に、かみさんがコンクリートの叩きの上に残された動物の足跡を発見した。 選炭ホッパーが作られたのは昭和35年なので、この足跡もそれくらいの時期に付けられたものかもしれない。 |
水たまりに映る積み出しホッパー |
奔別会場を後にして、幾春別市街地にある更科食堂で昼食にする。 炭鉱町独特の気質なのだろうかと色々考えた結果、今回は自分でもかけそばともりそばを注文してみた。 その後は北炭送電線鉄塔の道と名付けられた道道夕張岩見沢線経由で夕張を目指す。 鉄塔アートの方は、古い小さな鉄塔に旗を取り付けただけのもので「あれ?」って印象でだった。 道道夕張岩見沢線沿線には、他にも万字炭山跡や、芸術家が多く住んでいたり美味しいパン屋もあったりする上美流渡地区など面白い場所が多い。 峠を越えて夕張の街へと降りてくる。 大きな建物ほど廃屋化しているのが、ここの特徴だろう。 それでいて、本当の廃屋にしか見えない建物にはまだ人が住んでいて、何だかそれでホッとさせられる。 旧北炭清水沢火力発電所の建物がその会場である。 私は勝手に、同じ夕張にある滝の上発電所の様なレンガ造りの建物を思い浮かべていたのだが、こちらの発電所はまるで要塞の様な無骨なコンクリート造りだった。 建物の内部も期待に反しない美しさだった。 |
内部の迫力は奔別の積み出しホッパーよりこちらの方が勝っている |
発電所の2階部分も素晴らしい空間だ | 割れた窓ガラスさえアートの一部に思える |
ここには多くのアート作品が展示されていて、去年の積み出しホッパーでの宝探し的な楽しみも味わえた。 インスタレーション作品とは、場所や空間全体を作品として体験させる芸術のことを言うらしいが、この火力発電所の建物は作品を飾る空間としては素晴らしいものである。 事務所として使われていた部屋の、机の引き出しの中に色とりどりの千羽鶴が納められていた。 壁に開いた穴から見える緑の風景も、それだけで芸術作品である。 |
事務所として使われていた部屋がアートになる | 映像よりも空間の方が素晴らしい |
この壁が写真をより美しく見せてくれる |