我が家のファミリー通信 No.41

新車購入顛末記


オデッセイ 我が家のオデッセイは走行距離20万キロを超え、翌年の7月には13年目の車検がやってくる。
 スタットレスタイヤを去年の秋に新しくして、夏タイヤも今年の春に買ったばかり。去年から今年にかけて足回りの修理にもかなりの金額をつぎ込んでいたので、車検ギリギリまではオデッセイに乗り続けるつもりでいた。
 タイミングベルトの交換も勧められていたが、さすがにそこまで金をかけてしまうと、13年目の車検も取らなくては勿体無いと思えてきそうなので止めておく。
 そこへ突然、エコカー補助金が今年の9月で終了、それも予算がなくなり次第終了するとのニュースが聞こえてきた。
 最初は「ふ〜ん、そうなんだ」程度にしか感じなかったが、考えてみれば来年に買い換えるつもりならば、エコカー補助金10万円をみすみす逃してしまうのは勿体無い。
 それに、走行距離20万キロを超えたのにタイミングベルトを交換していないのがやっぱり不安だった。
 山奥に入り込んでいる時に切れたりしたら最悪である。
 金を出してくれるかみさんも、購入には前向な様子で、こうして全く唐突に我が家の車購入計画が動き始めたのである。

 昔は、専門雑誌などで十分な情報を仕入れてから購入する車を決めていたが、今は車を買うのにそれ程精力を傾ける気にはならない。
 普段から車に対してあまり興味を持っていないので、いざ買おうと思ってもどんな車があるのかさえ分からない有り様である。

 条件としてはカヌーが積めて、荷物も沢山積めてと言うことになる。
 そうなるとミニバンやキャブワゴンがリストアップされるが、3列シートは対象外。
 今乗っているオデッセイはミニバンブームのきっかけを作った車だけれど、3列目シートに人を乗せたのは12年間で数回程度である。
 ミニバン等では2列目と3列目シートを折り畳めば広い荷室スペースができるけれど、3列目シートが無ければもっと広くなる。
 そう考えると、夫婦二人で3列シートの車を買う気にはなれないのである。

 もう一つのこだわりは車の形。
 四角形に近ければ近いほど、私にはシンプルで機能的なデザインに見えてくる。
 スポーツカーに乗るわけではないのだから、流線型である必要は全く無い。
 窓のラインが斜めになっていたり、屋根の形状が後ろに低くなっていたり、車幅に比べて屋根の幅が狭すぎたりしたら選択の対象外。
 基本的にはジープのような形が好きなのだけれど、山の中をガンガン走り回るつもりは無いので、本格的なSUVも対象外。

 以上の条件だけで、対象はかなり絞り込まれてくる。
 それでもまだ選ぶべき車の見当も付いていないところへ、かみさんの意見は「私はエクストレイルが好きだわ」
 これでもう7割方は決まったようなものである。
 エクストレイルを選んでおけば、少なくとも後になって「何でこんな車にしたの!」と文句を言われることは無いだろう。
 そこでエクストレイルについて調べてみると、防水シートに、汚れたものもそのまま放り込めるラゲッジルームと、カヌーやアウトドアを楽しむには最適な車らしい。
 それと、後部座席を倒して座面も取り外すと、185センチの私でも真っ直ぐに寝られるスペースができると言うのが、ちょっとだけ魅力だった。
 今回の車選びにおいて、車中泊については検討対象外だったけれど、極まれに「車の中で寝られたら便利だな」と思うようなシチュエーションになる事はあるのだ。

 しいて不満を言えば、ルーフレールへのキャリアの取り付け位置が決まっていることである。
 その位置では前後のバーの間隔が75センチしか取れなくて、カナディアンカヌーを積んでも狭すぎて安定しないのだ。
 カナディアンカヌーを積めるかどうかは、先にあげた車選びの条件よりも優先する、最も重要な事項だった。
 幸い、同じエクストレイルで工夫しながらカナディアンを積んでいる人がいたので、それを真似れば何とかなりそうである。


オデッセイにカヌーを積む エクストレイルにカヌーを積む

  もう一つの不満は、今のオデッセイよりも馬力が無いこと。
 これについても、高速道路の登り坂で追越するのを我慢さえすれば、それ程気にもならないだろう。
 歳を経るにしたがって、遅い車の後ろに付いてもイライラしないだけの我慢強さが身に付いてきているのだ。

 商談の際に当て馬にするようなライバル車も見当たらず、購入する車はエクストレイルにあっさりと決まってしまった。
 車のグレードも、余計なものは要らないので標準的な20Xにすんなりと決定。
 メーカーの希望小売価格は245万で、補助金や値引きを考えると、オデッセイを買った時よりも安くなりそうだ。
 そこに突然かみさんが、「ディーゼルにした方が維持費を考えたら得になるんじゃない?」と言い始めたのである。
 勿論、ディーゼルの方が燃費も良いし燃料代も安いのは分かっていたが、最近発売されたばかりのオートマ車は314万もするのだ。
 私にとって、たかが車に300万以上の金をかける事は、ありえない話しなのである。

  そもそもそんな金が何処から出てくると言うのだ?
 「ん・・・?、かみさんだって値段のことは知っているはずだし、それでもディーゼルが良いと言う事は・・・!」
 私の場合、我が家の家計については全くノータッチで、貯金がいくらあるかも全然知らないのである。
 別に私が、金のことにはこだわらない大らかな性格だという訳ではなく、かみさんに聞いても教えてくれないので、それ以上知ろうともしないだけの話である。
 私が管理しているのは、残高30万ほどの通帳一つだけで、パソコンとか趣味の道具類とか、私が個人的に欲しいものは全てここから支出している。
 今回は、私のこのささやかな個人資金からの拠出までは要請されていないので、全てかみさんが管理している通帳から支払い可能なのだろう。

 このディーゼル車はガソリン車よりも圧倒的に馬力もトルクもあり、今のオデッセイよりも性能は高い。
 300万の金額に抵抗を感じることに変わりは無いけれど、車の性能は別である。
 車には興味が無いとは言っても、どんな車でも良いと言うわけではない。
 信号が青に変わった瞬間には隣の車がバックミラーに写るくらいまで引き離したいし、高速道路で追抜きをかける時はなるべく短時間で済ませたい。
 つまり、それなりに走ってくれなくては満足できないのである。
 そこで、かみさんがディーゼル車が良いと言い始めた時は、内心はニンマリとしていたのだ。
 これならば高速道路の登り坂も気にならないだろうし、無料化で渋滞する一車線しかない高速道路でも、追い越し区間で一気に遅い車の列を抜き去り・・・。
 いやいや、そんな危険な運転はしないで、遅い車の列を半分だけ抜き去り、残りの半分は次の追い越し区間で抜き去ることにして、それまでは遅い車の後ろを我慢して付いて行くのである。

赤い車 こうして車種とグレードまで決まり、残るは色だけ。
 私は最初から赤しか眼中に無かったけれど、かみさんは「もう歳なんだから、5年後のこととか考えると、もっと落ち着いた色の方が良いんじゃない?」と言ってきた。
 でも、色だけは譲れなかった。
 どうせ遊びに使う車なのだから、色は派手な方が良いのだ。
 もしもまっ黄色があれば、躊躇い無くそちらを選んだことだろう。

 全てが決まったところで週末にディーラーに出かける。
 最初に入ったのは展示車両も多い比較的大きな店だった。
 まずまずの値引き条件が示され、「赤は在庫が2台しかないので直ぐに契約した方が良いですよ」と勧められる。
 私達夫婦は二人揃って、図図しく値引き交渉をすることができないタイプである。
 それでもさすがに、最初に入った店の初回の交渉で車を買ってしまう程には単純でないので、「ちょっと検討してみます」と言って店を出てきた。

  かみさんは「もうこれで決めても良いわね」と言っているが、念のために我が家から直ぐ近くの小さな店にも入ってみることにした。
 対応してくれた女性セールスマンは「ディーゼルは燃費が良いと言っても、それで元を取るには10年以上かかるので、 私はガソリン車をお勧めします」と見当違いのことを言ってきて、内心「わざわざ来なくても良かったかな」と思いながら一応見積りを出してもらう。
 そしてその、出てきた金額を見てビックリしてしまった。
 先ほどの店とは比べ物にならないくらいの値引きなのである。
 そしてその系列のディーラーには赤は1台しかなくて、現在他のお客さんが交渉中だけれど、今日中に決めてくれればこちらの権利になるとのこと。
 如何にもセールスマンが良く使う手口にも思えたけれど、補助金が何時打ち切られるかも心配だったので、とうとうそこで購入を決めてしまった。

 家に帰ってから最初の店のセールスマンから電話がかかってきた。
 既に他の店で決めたこと、そしてそこで出された条件を教えてやると「こちらならもっと良い条件を出せる、もう一度考えて欲しい」と言ってきた。
 それなら最初からその条件を出せば良いのに。
 多分もう少し粘れば、オプション品などでまだまだ安くできただろうけれど、値引き交渉の苦手な私達なので、少しずつ下げてくるようなセールスマンを相手にする気にはならないのである。

 後は納車を待つだけの状態になって、ちょっとだけ問題が起きた。
 オデッセイで十勝へ出かけようとした時、ブレーキを踏む度に異音がするようになってきたのである。
 ブレーキパッドが磨り減っているのが原因だろうと想像が付いたので、気にしないでそのまま札幌を出発。
 以前にディーラーで点検した際に指摘されていたのだけれど、もう半年持てば良いだけなので修理せずに放置していたのだ。
 ところが次第にブレーキを踏まなくても音がするようになってきて、十勝から戻ろうとした時には周りの人が驚くくらいの音の大きさになっていた。
 様子を見てみると、ディスク面にかなりの傷が付いているのが分かる。
 車の構造については全然分からないので、果たしてこの状態で札幌までたどり着けられるのか心配になってきた。
 まあ何とかなるだろうと開き直って、そのまま車を走らせ何とか札幌まで戻って来られた。
 ホンダのディーラーに見てもらうのも気が引けて、日産の店に相談しに行くと親切に対応してくれて、結局材料費5千円の負担で修理してくれることになったのである。
 でも、考えてみれば、新しいエクストレイルは登録も終えて、代金も半分は先払いし、それなのにまだ納車されていないのは相手の都合なのだから、これくらいは当然受けるべきサービスなのかもしれない。
 それにしても、最後の最後まで頑張り続けるオデッセイである。

 そうして今は、納車になった翌日からカヌーを積んで十勝へ出かけたのを初めとして、道東、道北、道南へとエクストレイルで快適に走り回っているのである。
 高速道路の坂道での加速にも不満は無く、それにやっぱり燃費の良さが嬉しい。
 これまでのようにガソリン代を気にすることも無く、おまけに高速道路も無料で、週末のたびに遠出している。
 心配していたカナディアンカヌーの搭載も問題なく、これまでのように一人で積み下ろしが出来なくなったが、それは主に私の非力さの影響の方が大きそうだ。


エクストレイルでお出かけ

 でも、CMでやっているようにびしょ濡れのものをそのままラゲッジルームに放り込む気にはなれないし、クリーンディーゼルの車種は何故か防水仕様のシートにはなっていないのだ。
 かみさんはそのシートの素材が安っぽいと文句を言っているが、かみさんが決めた車種なのだから、その矛先が私に向かってくることは無い。
 これまでのオデッセイと比べると、さすがに荷物の積める量は少なくなったが、それで困ることも無い。
 今まで以上に外に出かけるのが楽しくなった車、それが私のエクストレイルに対する感想である。



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