以前、職場で回覧されていた土木関連小冊子に、旧狩勝線の大築堤(大カーブとも呼ばれる)が土木学会選奨土木遺産に入賞した記事が載っていて、それ以来この大築堤に興味を持っていた。
国の役人の天下り先として作られた財団が、その予算消化のために発行しているようなしょうもない小冊子だけれど、こんな中にもたまに遊びのヒントが見つかることもあるのだ。
清水町の実家からも近く、何時かはここを歩いてみようと考えていたのが、今年のGWは実家へ行く以外に何も予定が無かったので、ちょうど良い機会だった。
旧狩勝線は、その跡地の旧新内駅から新得までが「狩勝ポッポの道」というフットパスとして整備されている。
私達が歩こうと考えたのはそのフットパスではなくて、大築堤を含む旧新内駅から狩勝隧道(狩勝トンネル)までの区間。
旧新内駅までは車で行けるけれど、そこから狩勝隧道までは片道7キロ。でも、そこまで行ったらまた戻ってこなくてはならないので、14キロを歩かなければならない。
まあ、朝の散歩で7キロを歩くこともあるので、それくらいの距離は何とかなるだろう。
まずは新内駅にある客車を改造したインフォメーションセンターで、このコースの概要を聞いてみることにした。
ここでは人力トロッコ(エコトロッコ)や乗馬体験なども楽しむことができる。
私達が歩こうとしている旧狩勝線のガイドツアーも行われていて、コースのことを教えてくれたのは、そのガイドをやっていると言うおじさんだったので、とても詳しく教えてもらえることができた。
そこで驚かされたのが、何と、そこから狩勝隧道までは車で行くことができると言うのである。
せっかく14キロを歩く覚悟でやって来たというのに、何だかガッカリしたような、嬉しいような、何とも複雑な気持ちだった。
200円で旧狩勝線ガイドマップを購入。
この区間には林道も入り組んでいるので、このガイドマップとおじさんの説明を聞かなければ、途中で道に迷うかもしれない。
まるで林道のような廃線跡を車で走る。
そのまま全区間を車で走っては面白くないので、大カーブの部分だけは車を降りて歩くことにした。
林道がその大カーブを横断するように通っているので、その途中に車を停めておけば効率良く一周することができるのだ。
距離にすると3キロ程だろうか。
ちょうど良い駐車スペースもあったので、そこから歩き始めることにした。
カラマツ林の中の林道を少し逆戻りして、いよいよ旧狩勝線へと足を踏み入れる。
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