我が家の恒例になっている年に一度の温泉旅行、今年は丸瀬布のマウレ山荘コテージに泊まることになった。
毎年、この時だけは家で留守番をさせられているフウマだけれど、下痢のために一日に少なくとも5回以上はウンチをするような状況なので、今年は一緒に連れて行くしかない。
ペットと一緒に泊まれるような温泉宿もあるけれど、そんなところではウンチの度に外に連れ出すのも大変である。それで、ここのバンガローに目を付けたのだ。
しかし、5人用のコテージで1棟の料金がオフシーズン平日宿泊で21,000円、そこに夫婦二人だけで泊まって、おまけにペットの宿泊料金が1匹1,500円かかる。
かなり割高になってしまうが、今のフウマを連れて歩くにはこれくらいの出費は仕方が無いし、コテージに温泉が付いているのは魅力である。
別料金でホテルでの食事も付けられるけれど、そこまで贅沢はできないので、出発前に近所のスーパーで食材を仕入れる。
ちなみに、食事を別に頼めば最低でも一人5,250円から、一番上のピリカコースでは一人11,550円もするのである。
食材に思いっきり金をかけても、絶対に自炊した方が安く上がる。
そう考えると気持ちが大きくなり、そこのスーパーで一番高い肉、100g1,250円也のシャブシャブ用黒毛和牛を何のためらいも無く買い物かごに放り込む。
お寿司だって、大好きなカニが沢山乗っているのに手が伸びる。
次のビールコーナーでは、思わず第三のビールに伸びそうになった手を、無理やり向きを変えてサッポロ黒ラベルを掴ませた。
ワインだって豪華に、何時も飲んでいるワインの2倍もする、きゅうひゃくはちじゅうえんの高級ワインをチョイス。
しかし、もともとが貧乏性な性格なもので、贅沢すると言ってもこの辺までが限界。
最後にレジに並ぶ頃には、「少し無駄遣いをしてしまったかな・・・」と後悔の念が湧き上がってくるのである。
買出しを終えて高速道路で北に向かう。
最近は高速道路を走るのが恐ろしい。
後部座席で寝ているフウマが突然立ち上がるのは、以前は「窓から顔を出したい」のサインだったけれど、最近のそれは「ウンチが漏れそう」のサインなのである。
高速道路上で車を停めて、犬のウンチをさせているわけにもいかない。
「ま、待て!フウマ!もう少し我慢しろ!」
今回はその後直ぐにパーキングにたどり着いたけれど、高速道路を走るのはリスクが大きいのだ。
こんなフウマを連れての旅行は、まだまだ沢山のトラブルが待ち構えていそうである。
旭川で昼になったので、初めて旭川ラーメン村に行ってみることにした。
大きな三角屋根の建物に8店のラーメン屋が入っている。
ちょうど大型の観光バスが到着してゾロゾロと人が降りてきていたので、混雑する前にと、ネットで検索して名前だけを知っていた「天金」に慌てて飛び込んだ。
平日の昼食時間帯なのにあまり客の入っていない店内、素っ気の無い内装、シンプルなメニュー、もうちょっと店を吟味してから入ったほうが良かったかなと後悔する。
注文して出てきたしょう油ラーメンは麺につやが無く、如何にも粉っぽそうな外観で、これは旭川ラーメンの特徴かもしれない。
でも、一口スープをすすると、それらのマイナスイメージも吹き飛んでしまうような美味しいラーメンだった。
帰り際に他の店の様子も見てみたけれど、観光客向けに派手なメニューを並べたところが多く、案外と正しい店の選択だったような気がする。
今日はホテルに入る前に山彦の滝を見に行くつもりでいた。
冬期間は道路が除雪されていないために、滝までは2km程歩かなければならないけれど、凍りついた滝の姿はなかなか見事らしい。
しかし、旭川でラーメンを食べているうちから雪が降り始めてきてしまった。
今日から明日にかけて、北海道はこの冬一番の大荒れの天気になるとの予報が出ているのだ。
低気圧は南から進んでくるので、北の方ならば雪の降り出しも夕方頃になるかもしれないと淡い期待を抱いていたのに、天気の崩れは予報よりも早まっているようである。
丸瀬布に着く頃には既にホテルのチェックイン時間も過ぎていたので、山彦の滝は諦めてそのままホテルに入ることにする。
フロントでロッジの鍵を受け取ると、その瞬間に何となく自由を手に入れたような気分になれる。普通の部屋泊では、こうはいかないだろう。
ロッジはホテルから300m程離れていて、その前に1台分の駐車スペースが雪を除けて用意されている。
玄関前に置かれたスコップとほうきを見て嬉しくなった。雪が積もれば自分で何とかしなさいと言うことなのだろう。
ロッジの内部は、外から見た以上に広く感じる。そして、内装は壁から天井まで全てパイン材で覆われている。
今回は使うことも無さそうな一人用と二人用のベッドルームも、とても良い雰囲気で、二人で泊まるのが勿体無く思えてくる。
洗面所にはアメニティグッズも一通り揃っていて、これならばホテルの部屋に泊まるのと全く遜色が無いだろう。
|