かみさんも何とか滑り降りてきて、次は長峰のコースを滑ることにする。
キロロのスキー場の欠点は、下の方の斜面が緩すぎると言うことである。ゴンドラに乗って頂上まで登り後は一気に麓まで滑ろうと思っても、最後の半分近くはダラダラと続く緩斜面を直滑降で滑ることになってしまう。
楽しく滑れるコースは今まで滑っていた頂上直下のリフト沿いのコースと、これから向かう長峰の頂上リフトの脇くらいだ。
長峰の方を滑るには一度下まで降りなければならない。絶好の天気に恵まれた週末、そろそろ人も増えてきたかなと思ったら、リフトやゴンドラ乗り場で並んでいる人はほとんどいなかった。
4人乗りリフトに一人で乗っても、誰も文句を言わない。つくづくスキー人口が減ったんだなーと言うことを実感してしまう。
30分待ちでリフトに乗っていた時代が信じられない。しかもそのリフトは一人乗りで、コロコロと滑車の回る音が聞こえ、スピードもやたらに遅い。今の高速リフトに乗り慣れてしまうと、その遅さは堪えられないだろう。
現在は高速リフトに待ち時間無しで乗ることができてしまう。我が家の場合、途中で1,2回止まるだけで一気に滑り降りてくるので、そうなるとほとんど休む間もなく滑り続けることになる。
そのおかげで最近は、4時間券を購入してもまともにその時間を滑ったことがない。その前に体がギブアップしてしまうのである。
リフトを2本乗り継いで長峰の頂上までやってくると、また違う景色が広がっている。深雪をこいで切り立った斜面の端まで行ってみると、眼下に日本海が広がっていた。そして遠くには増毛の山並み、毛無し峠で見た風景よりもこちらの方がダイナミックである。
かみさんが太陽の周りに架かる暈に気が付いた。かみさんに命ぜられるままにその光景を撮影する。無理矢理撮させられた割りには、できあがった写真はなかなか幻想的である。
遠くの山並みの向こうに見慣れた山の頂が少しだけ顔を出していた。
「あれってもしかしたら羊蹄山?」
キロロから羊蹄山が見えるなんて一瞬信じられなかったが、どう見ても羊蹄山の山頂である。家に帰ってからカシミールという地図ソフトで3D表示にしてみたら、確かにそれは羊蹄山の姿だった。
その地図ソフトを見ていてもう一つのことに気が付いた。そこから一山越えれば定山渓の国際スキー場まで滑り降りられるのだ。
余市岳まで登ることを考えたら、無理な距離ではない。ただ、そちら側に滑り降りてしまったら、車の回収に苦労するのだけは確かである。
長峰の頂上リフト沿いには3本のコースがある。
両側は綺麗に圧雪してあって、斜度も適度で滑りやすい。中央のコースは圧雪していないのでコブも多く、最後にそこで1本滑ったら完全に体力を使い果たしてしまった。
時間は12時、5時間券を買ったのでまだ2時間分は残っているが、十分に満足できたのでそれで帰ることにした。
最近は滑る回数は減ったけれど、スキーはやっぱり楽しい。
でも、今回のキロロの風景を見て、ますますゲレンデスキーより山スキーの方に興味が湧き始めてしまったのは困ったことである。 |