北海道キャンプ場見聞録
山陰九州の旅(最終章)
津市内ビジネスホテル(4月17日~18日) 太平洋フェリー(18日~20日)
テントを完全に乾かして撤収
キャンプ最終日の朝はまだ青空も広がっていて、朝露で濡れたテントも完全に乾かして撤収完了。
この日はビジネスホテルに泊まることにしていたので、この日のうちに伊勢神宮に参拝することに予定を変更した。
キャンプ場を出る頃は晴れていたのに、伊勢神宮に着く頃には雨が降り始めていた。
まずは習わし通りに伊勢神宮の外宮から参拝する。
丁度昼頃に着いたので、駐車場近くにあった「お食事処 外苑」で伊勢うどんを食べる。
濃厚なツユを柔らかい麺にからめて食べる。
かみさんは結構好きみたいだけれど、刻みネギが乗っただけで私は何となく物足りなく感じた初めて食べる伊勢うどんだった。
雨のお伊勢参りとなる
店を出ると雨脚は更に強くなってきていた。
でも、この雨のおかげで境内はしっとりと落ち着いた風景となり、厳かな気持ちで参拝することができた。
ご正宮の隣に広大な空き地があり、そこにも何となく神聖な雰囲気が漂っている。
ここは何だろう?と思ったけれど、20年ごとに式年遷宮が行われることを思い出して、そこに前のご正宮が建っていたことを理解した。
ここが式年遷宮の用地なのだろう
外宮は参拝者も少なく静かだったけれど、さすがに内宮の方は駐車場からして規模が違った。
その駐車場からおかげ参道と名前の付いた地下歩道を通り、お土産屋の並ぶおはらい町を歩いて内宮を目指す。
外宮の入り口にも看板が立っていたけれど、内宮入り口にも「神宮行事につき土曜日の午後3時からと日曜日は参拝停止」と書かれた看板があった。
明日は、天皇陛下が最後に伊勢神宮を参拝する日であることが旅行に出る前から知ってはいた。
しかし、伊勢神宮のホームページを見てもそんなことは何も書いていなかったので「きっと我々下々の人間とは違うところから入ってくるのだろうから、普段通りに参拝できるのだろう」と都合良く考えていたのである。
ここで沈したらお清めになるかも、と考えている私達
やっぱり、そんなことがある訳はない。
最初の予定通り、明日神宮に着ていたら、周辺の道路は通行止めで大変な目に合っていたかもしれない。
時間はまだ午後1時を過ぎたばかりなので、ゆっくりと参拝できる。
宇治橋を渡って境内に入って行くと、川へ降りられる場所があった。
川を見ると喜んでしまう私達だけれど、ここは五十鈴川御手洗場と言って手水舎ではなくてここで手と口を清めることもできるらしい。
そんなことも知らずに、スマホで写真を撮って「ここで沈して流されたらお清めになるよね」などとSNSにアップしている私だった。
雨は少し小降りになってきたが境内には霧もかかって、神聖な雰囲気がさらに強くなる。
この日の雨に感謝したいくらいだ。
そんな厳かな雰囲気の中、各お宮を参拝して回った。
雨に霞む境内には神聖な空気が漂う
皆に触られ黒光りする杉の巨木
雨に濡れる宇治橋を渡る
参拝を済ませて、まずは定番の赤福を。
本店は混んでそうなので、内宮を出て直ぐのところにある店舗で購入。
その後、おかげ横丁をぶらついていると、かみさんがおぼろ昆布の手削り実演に興味をもって、削りたてのおぼろ昆布2袋お買い上げ。
傘で埋まる門前町
おぼろ昆布の実演販売
こんな安宿が結構快適だったりする
この日の宿は津市内のビジネスホテルじゃなくてビジネス旅館。
部屋は和室で、トイレと風呂は共同。
かみさんが嫌がるかと思っていたが、全く気にしていなかった。
部屋は広いし、風呂も貸し切りで入れるのでビジネスホテルの狭い風呂よりも快適、コンビニ弁当も電子レンジで温められる。
考えてみると四国遍路では何時もこんな宿に泊まっていたので、何となく懐かしさせえ感じてしまった。
そして宿の近くにある公園は津城の跡を公園化したもの。
朝は天気も回復し、朝食前にこの公園を散歩し、今回の旅のお城巡りを締めくくったのである。
宿の直ぐ近くにこんな城跡があった
この日の名古屋港発のフェリーの時間は午後7時。
その時間まで名古屋市内を観光する。
桜が満開の頃なら素晴らしい光景なのだろう
名古屋で観光するものと言ったら名古屋城程度しか思いつかず、まずはそこへ向かった。
さすがに桜の花はほぼ散ってしまっていたが、大きく枝を広げる桜は満開の時に見たら素晴らしそうだ。
本丸御殿は平成21年から復元工事が進められ昨年から完成公開が始まったばかり。
その豪華さに驚いたが、管理もやたらに厳重で、事前に荷物は体の前に抱えるように、襖や障子、金具類には絶対手を触れないこと等の注意を受ける。
係員があちらこちらに立っていて、少しでも何かに触れようものなら大声で注意される。
国宝の建物よりも厳しく管理されている感じだ。
それでも、真新しい障子に何ヵ所か穴が開いていて、やっぱり不注意な人もいるのだろう。
豪華な本丸御殿
廊下の障子には所々に穴が
天守閣も立派である。
ただ、鉄筋コンクリートで再建された天守閣なので、あまり有り難さは感じない。
エレベーターで上がるために、その構造物が天守閣の横腹をぶち抜いていたりする。
勇壮な城だけれど、鉄筋コンクリートで造られた天守では有難味はない
現在、この天守閣を木造で復元する話が出てきていて、そこにエレベーターを設置するかどうかで議論されていると聞く。
まあ、古くから残っている天守じゃないので、その辺は利用者が使いやすいように復元すれば良いのだろう。
ただ、石垣は昔のまま残っているものが多く、普請を請け負った大名の刻印が、石積みの所々に残っている。
かみさんはそれを探すのが楽しいらしく、一生懸命石垣に見入っている姿が、歴女と言うか、城女というか、石女みたいで笑ってしまう。
石垣の刻印を探すかみさん
色々な種類の刻印があるようだ
次に向かったのは熱田神宮。
名古屋の食はきしめん
今回の旅ではお城の他に神社も多くなっているが、せっかく伊勢神宮まで行くので御朱印を集めてみようと思って、有名どころの神社には寄り道しているのである。
昼が近かったので何か名古屋名物を食べようと考えたが、味噌カツは好みじゃないし、味噌煮込みうどんは猫舌なので苦手だし、ひつまぶしは高そうだし、手羽先はビールを飲みたくなるしで、結局熱田神宮の境内にある「宮きしめん」できしめんを食べた。
弘法大師お手植えと言われる大楠など、緑の多い熱田神宮はなかなか良いところだった。
私の勝手な好みによる神社の格は、その周りの森の深さと樹木の大きさで決まるのである。
熱田神宮の大楠
熱田神宮の参拝を終えたところで時間はまだ午後1時半。
フェリーの時間までどうやって過ごすか迷った結果、フェリー乗り場の近くに南極観測船ふじが展示されているのを知って、そこに行くことにした。
埠頭に係留されている南極観測船ふじ
その辺り一帯は名古屋港ガーデンふ頭として観光地化されているみたいだが、力を入れて造ったテーマパークで閑古鳥が鳴いているといった、良くあるパターンの観光地の様な気がした。
無駄に広い辺り一帯に人の姿は殆ど無く、誘導員に案内された大きな駐車場には数台の車が停まっているだけ。
それなのに有料駐車場なのである。
南極観測船ふじ、展望室、海洋博物館の3施設共通入場券を700円で購入して、何とか時間を持て余すことなく過ごすことができた。
水族館に入ればもっと楽しめたかもしれないけれど、1人2000円の料金をここで使う気にはなれなかったのである。
そうして午後7時発の苫小牧行きフェリーに乗り込んだ。
今回は和室を利用したけれど、ツインの洋室より快適だった。
それに部屋の窓から外が見えるのがやっぱり良い。
美しい夕日や朝日に夜景、平成最後の満月も楽しみ、途中下船した仙台では半田屋初体験。
二日後の午前11時、苫小牧港へと戻ってきた。
名古屋港の夕日
仙台港の夕焼け
名古屋港に浮かぶ月
旅で見る最後の朝日
平成最後の満月も洋上で見られた
船中4泊、キャンプ場14泊、ビジネスホテル4泊の旅は、大きなトラブルも無く楽しく終えることができたのである。
反省点をあげれば、欲張って色々なところに足を延ばし過ぎたこと。
次からはもう少し一か所に腰を落ち着けるような旅にしたいものである。