トップページ > キャンプ > キャンプ日記 > 2017年キャンプ日記

マラソンキャンプ

別海町ふれあいキャンプ場(9月30日~10月2日)

別海マラソン出場のための道東遠征は、出だしからつまずいていた。
まずは、昼食で立ち寄った遠軽のドライブイン登代里から。
店内に入った時、奥の座敷の前に大量の靴が並んでいるのが気になったが、隣のテーブルの客には直ぐに料理が運ばれてきたので、それで待たされることは無さそうである。
料理のボリュームもありそうで、明日のマラソンに備えて昼食はガッツリ食べるつもりでいたので、丁度良かった。


もう2度と入らないと思うドライブイン登代里

しかしその後、待てど暮らせど料理が運ばれてくる気配は全く無し。
先に食べ終わった客が出ていった後も、直ぐに次の客がやって来て、店内はほぼ満席。
その中で、食事している客は誰もいない。
何となく、店内に嫌な雰囲気が漂い始める。

しびれを切らした客が一組、店を出て行った。
私も、注文をとっていた女性に「時間かかるのですか?」と聞いてみたが、「ちょっと待ってください」と言って厨房に入っていったまま、なしのつぶて。
店に入ってから50分経って、さすがに私も切れてしまった。
厨房の中の人間に、「私達が注文したものを作っているのか?」と聞いてみたが、返事は無し。
先程の女性店員が奥の座敷の方にカレーを運んでいるところを見ると、そこに入った団体さんの注文も全て出し終えていないようだ。

最初に店に入った時、「団体さんが入っているので時間がかかります」と一言でも言ってくれたら、こちらも対応できたのに、最後までそんな説明もないまま50分も放置されたのである。
基本的な接客が全くできていない、久しぶりに酷い店に入ってしまった。

フルマラソン前日の食事はとても重要なのに、思わぬ事態である。
これから他の店を探していてはキャンプ場到着も遅くなりそうなので、近くのコンビニでおにぎりやパンを買って、それを食べながら車を走らせた。


スラリーを浴びた車を洗車中

美幌峠の展望台も時間がないのでそのまま通過し、弟子屈の街も過ぎて道東の酪農地帯へと入っていく。
そこで二つ目の不幸が待っていた。
周辺の牧草地では二番牧草も刈り終わって、その後の堆肥散布が始まっているようだ。
牛の糞尿が混ざってドロドロになったものをスラリーと言うが、それを牧草地に散布すると強烈な臭いが発生する。
その臭いは、固形物の堆肥の比ではない。

行く手ではスプレッダと言う大型機械でスラリーの散布をしているところだった。
強烈に臭くても、少し我慢すれば良いだけだ。
道路際で作業していたスプレッダが、畑の端まできて方向転換しスラリーの噴き出す方向が道路の方を向いた。
その瞬間に私の車がスプレッダの横を通りすぎる。
本来ならば道路まで飛ぶはずがないのに、運良く強い風が吹いていたのだ。


タンチョウの親子

通り過ぎた瞬間に、車のフロントガラス全面に黄色い水滴が広がった。
それと同時に、車の中が強烈な臭気に包まれた。
久しぶりに心が落ち込む出来事だった。
堪らずに、GSの洗車場に飛び込んで車を洗う。

そんなトラブルに遭いながらも、牧草畑で餌を啄むタンチョウの親子の姿に癒される。

別海の街に近づくと、道路の際を一人黙々と走っているランナーの姿が目に付いた。
「あれ?あの後ろ姿ってもしかしたら・・・」
追い抜きざまに横を見ると、それはやっぱり明日の別海マラソンにゲスト参加する公務員ランナーの川内選手だった。

午後4時半近くになって、今日の宿泊地であるふれあいキャンプ場に到着。
そこでは既に、kenjiさんご夫婦が何時もの定位置にテントを張っていた。
kenjiの姫さんは別海マラソンに毎年参加していて、何時もこのキャンプ場に泊まっているのである。
私達は、3年前の別海マラソン以来の、ここでのキャンプだった。


ふれあいキャンプ場に到着



川内選手の選手宣誓

テントを張り終えて一息付いたら、午後5時から始まる開会式へと出かける。
会場はキャンプ場のすぐ隣。
マラソンのスタートもすぐ隣の陸上競技場なので、ここのキャンプ場はマラソン参加のためにとても便利なのである。

開会式では、先程走っている姿を見たばかりの川内選手が選手宣誓。
ゲストとは言っても、僅かな時間を利用して練習している川内選手の姿に、公務員ランナーとしての厳しさを感じてしまった。
抽選会では何も当たらず、牛乳とアイスクリームを貰ってキャンプ場へと戻る。

夕食は、カーボローディングの一環として炭水化物を多めにとる。
今回は、レース3日前から食事はカーボローディングを意識したものに変え、昨日からはビールを飲むのも控えていた。
勿論今夜もビールは抜き。
焚き火の前で飲むのは麦茶である。

それだけ完璧にマラソンに向けた準備をしているのに、キャンプとカヌーの時だけは吸って良いことにしているタバコだけは止めることができなかった。
明日のレースに備えて午後9時には就寝。

別海マラソン当日の朝は、こんなに晴れなくても良いのにと思う位の完璧な青空が広がっていた。
マラソンを走る時は、少し曇っていてくれた方がありがたいのだ。


快晴の朝を迎えた


朝食も、炭水化物を中心に腹一杯食べる。
これだけ沢山食べて朝のお通じがないと、カーボローディングも逆効果になりそうなのだが、それも無事にクリアして、これまでに無いくらい万全の態勢でフルマラソンに挑むことができる。
スタートは10時なので、時間ギリギリまでキャンプ場でゆっくりしてから、会場へと向かったのである。

(マラソンの様子はこちら


ふくらはぎが痙ってしまった

そしてとうとう、フルマラソンにチャレンジしてからの目標であった、5時間切りと、歩かずに完走の両方を一度に達成することができたのである。
しかし、その分、身体はボロボロになっていた。

足を引きずりながらキャンプ場へ戻ってきて、園路の縁石の僅かな段差を上がろうとした瞬間にふくらはぎが痙ってしまう。
立ち上がろうとすると、今度は股関節付近が痙ってくる。
最後には、かみさんに介護されながらようやく椅子に腰掛けることができた。

kenjiさん達は、浜中アイスキャンドルのイベントで手に入ったペンションの無料宿泊券があるとのことで、移動していった。
私達は移動するような元気もなく、キャンプ場にもう1泊。

3年前は、kenjiさん達と翌日に釧路川を下ろうとの話しになり、走り終わった後に屈斜路湖の和琴半島湖畔キャンプ場まで移動してテント設営。
良くそんな元気があったものだと、今から考えると信じられない。


後夜祭の打ち上げ花火

隣のべっかい郊楽苑でモール温泉に入り、マラソンの疲れを癒す。
夕食を作る気にもなれず、ビールを飲みながら町内のスーパーで買ってきた生寿司を食べる。

そのうちに、後夜祭の打ち上げ花火が始まった。
場内で連泊しているキャンパーは、ほとんどがその後夜祭に出席しているようだ。
私達は焚き火にあたりながらのんびりと花火を見物していた。

疲れて起きていることができず、午後8時には私だけ先にテントに潜り込む。
かみさんが一人で焚き火にあたりながら缶チューハイを飲んでいるところに、今日も管理人さんが見回りに来たようだ。
去年から若いご夫婦がこのキャンプ場の管理人をやっているらしい。
場内の野外炉をコツコツと補修したり、管理棟で軽食を提供したりと、キャンプ場の管理に積極的に取り組んでいる。
毎年ここに泊まっているkenjiの姫さんの話しでは、この管理人さんになってからキャンプ場の居心地がとても良くなったらしい。


キャンプの夜



キャンプの朝

夜中に目を覚ますと、森の中からエゾシカのラッティングコールのような鳴き声が頻繁に聞こえてきていた。
翌朝、その鳴き声はエゾシカではなく、近くのふるさとの森動物館から聞こえていたものであることが判明。
ちょっとガッカリする。

ちょっと風が強いけれど、今日も青空が広がっていた。
足のリハビリを兼ねて、ふるさとの森の中を散策。
数本だけ落葉キノコをゲット。

夜中も風が吹いていたおかげで、テントが夜露でびしょ濡れになることもなく、撤収もスムーズに。
管理人さんに挨拶してキャンプ場を後にした。

根釧台地を車を走らせる。
8月末に一緒に釧路川を下ったあしやんの牧場前を通り過ぎる。
残念ながら、あしやんは留守で会うことができず。


牛さんともお別れ


浜中町から海沿いの道に出て、冬枯れの霧多布湿原の風景を眺めながら、琵琶瀬展望台へ。
売店やレストランはまだ営業しているようだが、観光シーズンも終わって訪れる人は誰もいなそうだ。


冬枯れの霧多布湿原



涙岬へ続く遊歩道

厚岸に向かって北太平洋シーサイドラインを走っていると、涙岬の看板が目に付いた。
この辺りの観光地はほとんど回り尽くしたと思っていたが、ここを訪れた記憶はないような気がする。

強風に吹き飛ばされそうになりながら、涙岬の先端まで歩いていく。
本当に訪れたことが無いかどうかは、そこの風景を見てもハッキリしなかったが、なかなか良い場所であることは確かである。

花の咲いていないアヤメヶ原は、駐車場まで入っただけでUターン。
私達が最後にここを訪れたのは10年前。
何となく原生花園に入っていくゲートの様子だけは記憶に残っていた。
今年はもう一度、道東の原生花園の花が咲く時期にゆっくりと時間をかけて回ってみようと思っていたが、カヌーに時間を費やし過ぎて行くことができず。
来年こそは、この計画を実現させたいものである。


最後に思わぬ出合いが

厚岸のエーウロコでお土産を買って、厚岸駅前の氏家待合所で牡蠣飯を食べる。
後は、別海マラソン完走賞としてもらった鮭2本のうち1本を十勝の実家に届けるだけ。

そう思って車を走らせていると、前方に昨日分かれたkenjiさん達の車を発見。
後ろに付けてパッシングしてやろうと思っていたら、kenjiさんの車は前に並んでいた遅い車の列をゴボウ抜きしていき、追い付くのを諦める。
ところが、その先でセブンイレブンの駐車場に入っていったので、私もその後に続く。
すると、その駐車場で手を振っていたのは、今日会えなかったあしやん。
私は、kenjiさん達とあしやんがそこで待ち合わせしていたのかと思ったら、全くの偶然だったらしい。
そこへ突然私達が現れたものだから、向こうも相当驚いたようだ。

そんなちょっとしたハプニングもあって、別海マラソンに合わせた道東遠征キャンプはめでたく終わりを告げたのである。
 

ページトップへ