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洞爺湖お月見キャンプ

アルトリ岬キャンプ場(7月13日~14日)

我が家のトイレに下げてある太陽・月・星のカレンダーを見ていて、久しぶりに満月のお月見キャンプがしたくなった。
9月の満月と言えば中秋の名月、と思っていたら今年の中秋の名月は10月4日である。
一ヶ月早いけれど、空に昇る月に変わりはない。

そうして出かけたのが洞爺湖の曙公園キャンプ場。
洞爺湖の中島を月光が明るく照らし出す、お月見キャンプにはおあつらえ向きのキャンプ場である。


曙公園で一番お気に入りのサイト

ただ、この日の天気予報は一日中曇り。
月が見られないとなると他のキャンプ場に行く選択肢もあったが、気象衛星ヒマワリの画像を見る限りでは、何となく晴れそうな予感もあった。

その予感は当たって、少し雲は多いものの、洞爺湖の上空には青空が広がっていた。
小公園の方にはテントが幾つか張られていたが、曙公園の方には先客は誰もいない。
ロケーションは曙公園の方が良いと思うのだけど、やっぱり便利の良い方のキャンプ場を選ぶ人が多いのだろう。

曙公園の一番お気に入りの場所にテントを張る。
他の場所も考えてみたけれど、やっぱりテントを張るのはここしか無いのである。


1本のニセアカシアがここのサイトの風景を引き締めている



対岸に見える有珠山と温泉街

途中の道の駅で買ってきた長芋キムチを肴にして金麦で乾杯。
これまで曙公園でキャンプしたのはカヌークラブの例会の時だけなので、私達だけでここにテントを張るのは初めてだった。
美しい風景を眺めながらのんびりと寛ぐ。

かみさんがカヌーで湖に漕ぎ出したが、少し風が吹いていて思うように操作できず、早々に戻って来た。
交代で私が漕ぎ出す。

場内の一番奥に、お馴染みの白鳥の夫婦がいた。
今年5月の洞爺湖マラソンでここの前を通った時は卵を抱えていたけれど、子どもの姿は見えない。
今年の子育ては上手くいかなかったようだ。


浮見堂に近づくのはこれが初めて

夕方近くになって風も止んできたので、二人で浮見堂までカヌーを漕いでいく。
何時も遠くから眺めるだけで、近くまで行くのは今回が初めてだった。

横に立てられていた説明看板を見ると、平成15年に雷の直撃を受けて消失しそのご後再建されたとのこと。
かみさんは記憶にあったらしいが、私はそんな事実を初めて知った気がする。

今日の夕食はバーベキュー。
キャンプで何を作ろうかと色々悩まなくて済むメニューである。
今回のキャンプはお月見が目的なので、夕食には手間をかけない。


中島を背景にする浮見堂



湖面に延びる光の道

食事も終え、焚き火をしながら月の出を待つ。
しかし、夕方になって旧に雲が増えてきて、月が登ってくるはずの時間を過ぎても、その姿が見えない。

やっぱりダメだったかと気落ちしていると、低い雲と上空の雲との間に空が覗き、そこに真ん丸い月が姿を現した。

期待していたとおりの光の道が湖上に姿を現す。

かみさんが「あそこにカヌーが浮かんでいたら絵になるんじゃない」と言って、カヌーで漕ぎ出した。
それは暗に「上手に撮してよ」と言ってるようなものである。
ところが、そう言っていた癖して、その光の道の中に入ってきてくれないのである。


光の道の中にカヌーを浮かべる


しょうがないので私が湖畔を走って撮影ポイントまで移動する。
三脚をセットしてカメラを向けると、ゆっくりと移動しているのでまた光の道から外れてしまっていた。

こちらも再び三脚を抱えて移動する。
完全に静止してくれないので、スローシャッターだとどうしてもぶれてしまう。
「上手く撮れた?」と言いながら戻って来たが、満足のできる写真は撮れなかったのである。


じっとしていてくれないと、ぶれてしまう


空には雲が広がり、月の姿も見えなくなる。
時折、雲の切れ間から光が漏れてくるものの、湖全体を明るく照らすことはない。


雲が次第に増えてくる



温泉街の花火が見える

そのうちに対岸の温泉街で花火の打ち上げが始まった。
今年の夏は一度も花火を見ていなかったので、遠すぎて小さくしか見えない花火でも十分に楽しめた。

小型の三脚しか持ってこなかったので、望遠で花火を撮ろうとすると、微妙にぶれてしまう。

花火が終わる頃には上空を覆っていた雲が消え始めていた。
そしてようやく、満月の明るい光りが湖を照らし出し、そこに中島の黒いシルエットがくっきりと浮かび上がる。
私が思い描いていたとおりの、満月の洞爺湖の風景が目の前に広がっていた。

やっぱり、他のキャンプ場に行かなくて正解だった。
何事も諦めないことが肝心なのである。


ようやく満月の光りが湖全体を照らすようになる



次第に青空が広がる朝

翌朝は雲が広がり朝日が昇ってくる瞬間は見られなかったけれど、次第に青空も広がってきた。

水鳥の集団が湖上をゆっくりと移動していく。
目をそらしている間に、その集団が突然消えてしまった。
あれ?と思っていると、暫くして水中から次々と姿を現す。

それを何度も繰り返し、見ていても飽きることがない。
もっと近くで様子を見ようと静かにカヌーで近づいていく。
15秒くらいは潜っているので、その間に一気に近づこうとしたが、そんな魂胆は見透かしているかのように水鳥達は一斉に遠ざかっていった


白鳥と戯れる

遠くの方にいた白鳥のつがいが、こちらの方に近づいてきた。
人を恐れる素振りもなく、全く自由気ままに振る舞っている。

水の中に頭を突っ込み、砂の中を嘴で漁っている。
その中の藻でも食べているのだろうか。

朝の食事を終えると、岸に上がって今度は朝寝である。
本当に自由だ。
ただ、砂浜には彼らのものと思われる巨大なウンチがあちらこちらに転がっているのが困りものだ。

私達が朝食を食べていると、1羽のカモメが近づいてきた。
図々しいカラスと比べて控えめなカモメには、何となく好感を抱いてしまう。

私達の周りをセキレイが飛び交う。
カモも1羽上陸してきた。
曙公園は、私達の他にソロの男性がテントを張っているだけで、その主役は鳥達である。


馴れ馴れしく近寄ってくるカモメ

潜水を繰り返す水鳥の群れ


 
朝食を終えて、カヌーで漕ぎ出す。
風も無く、凪いだ湖面が広がっている。
薄い雲を通してきた淡い光りが、周りの風景も淡いものにしていた。
そんな風景の中、カヌーの上で寛ぐ。
至福の一時である。


美しい風景の中を漂う


直ぐ近くの洞爺いこいの家で温泉に入ってから帰ることにした。
営業は10時からなので、朝露に濡れたテントをゆっくりと乾かしてから撤収。


最後に洞爺いこいの家の風呂でまったり

キャンプ場に人はいなくても、駐車場にはキャンピングカーや車中泊の人達が集まっているのは何処でも同じだ。
平日にこんなところに泊まっているのは勿論リタイア組の人達である。
たまたまその横を通り過ぎたら、話の内容は年金を何時から貰えるかについてだった。

これまで、そんな人達とは一線を画してきたつもりだったけれど、今や全く同じ境遇になっていることを改めて思い知らされ、何となく複雑な気持ちにさせられる。

洞爺湖を眺めながら一番風呂に入って、キャンプ場を後にしたのである。



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