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ダメな大人達の美笛キャンプ

美笛キャンプ場(6月30日~7月2日)

10日前にキャンプしたばかりの美笛に再びやって来た。
カヌークラブの練習会が美笛で行われるのである。


十分なスペースを確保できた

私達はその場所取りのために金曜日に美笛入り。
前回の美笛キャンプでは、平日にも関わらないその混雑ぶりに驚かされた。
今回も天気が良く、しかも週末を控えて、チェックアウト時間を狙っても良い場所を確保できないかもしれない。
そんな心配をしていたのに、到着したキャンプ場はほとんどガラ空きとも言って良い状態。
拍子抜けしてしまった。

まずはビッグタープを設営。
その他にソロテント3張り、ミニタープまで張ってしまう。
間もなくH池さんも到着し、スクリーンテントとテントを張って、これでほぼ場所取りは完了。
N島さんも到着し、静かな美笛でまったりとした時間を過ごす。

次第にテントの数も増えてくるが、前回私達が泊まった時ほどではない。
混んできたら、空いている場所には次々とテントが張られるのが美笛の常である。
この程度の場所取りでは役に立たちそうにないが、今のところはキャンパーも少なく、十分に場所取りの目的を果たせていた。


静かな美笛の午後



こじんまりとした宴会中

ブルンブルンとエンジンを響かせながらジムニーが入ってきた。
近くにテントを張るのかなと思って運転席を見ると、そこに乗っていたのは久しぶりのmasaチャンだった。
訳あってカヌーは持ってきてないけれど、そのまま一緒にキャンプしていくことになる。

暗くなってから熊五郎さんが到着したが、ゲートは午後7時に閉鎖されている。
ゲートの横には潜り戸があって、人はそこから出入りできる。
ただ、その潜り戸は腰をかがめてやっと通れるくらいの小ささで、やや太めの熊五郎さんはギリギリで通り抜けられた。

酔っ払って11時過ぎ頃に自分のテントに潜り込む。
仕事が終わってから釧路を出発したO橋さんの声が聞こえてきたが、もう一度起き出す気力も無く、そのまま朝まで眠ってしまう。


テントの中から覗いた朝の支笏湖

キャンプ前日は興奮してあまり眠られず。
その寝不足分はキャンプで取り戻そうと思ったが、やっぱり朝早くに目が覚めてしまう。

小さなテントは簡単に外の様子を見られるのが良い。
残念ながら雲が多くて朝日は雲の中に隠れていた。

風も少し吹いていて、湖も小さな波が立っている。
ポリ袋に入れて湖で冷やしていた熊五郎さんの買ってきたビールは、袋から飛び出して湖岸に打ち上げられていた。

朝7時の開門と同時に、外で待っていた車が続々と入場してくる。
そのうちにクラブのメンバーも次々に到着。
場内も混みあってきて、大面積を専有しているのも気が引けるので、私のテントを動かしてスペースを空ける。

結局、その場所には後からやって来たゲスト参加のご夫婦がタープを張ってくれたので専有面積は同じまま。
周りには空いているスペースも残っていたけれど、最終的にそこは空いたままで残っていた。
一般のキャンパーとは明らかに異なる異様な集団の近くには、賢いキャンパーならば寄りつかないものなのである。


ゴムボート救出劇

午前中は風も強く、その風で沖に流されているゴムボートにパムさんが気が付く。
ボートにはお母さんとその息子さんの二人が乗っていた。
パムさんが「大丈夫ですか?」と声をかけると「大丈夫じゃないです」との返事が返ってくる。
ゴムボートはパムさんのカヤックに曳航され、母と息子は湖岸から何もできずに眺めていた父親の元に無事送り届けられた。

もしも誰も気が付かずにいたら、消防が出動するケースになっていたはずだ。
今回のキャンプに参加していたクラブのメンバーの中に、今年のGWにこの美笛でご兄弟を亡くされた方がいた。
ゴムボートに釣りに出たところ、突然吹き始めた風で沖に流され、消防に救助を求めるが乗っていた二人はそのまま行方不明。
翌日になって湖の対岸で発見された事故である。
それから2ヶ月も経たないうちに、こんなシーンを再び目の前で見せられては堪らない気持ちだったことだろう。

これからますますキャンパーが増えてくる時期。
水遊びの気分で湖に出て行くファミリーも沢山いるだろうが、そんな事故が2度と起こらないように祈るばかりだ。


のどかな風景にしか見えないが、これが一つ間違えば悲惨な結果となっていたかもしれないのだ



静水練習開始

集まったメンバーは、色々な舟を乗り比べたり、ロール練習をしたりと、練習会らしい風景が繰り広げられる。
気温も高く、水の上での練習会にはちょうど良い天気である。

毎年練習会にだけ参加してカヤックに乗っていたアメフト青年は、今年は可愛らしい彼女を連れてきて二人でカナディアンカヌー体験。
操船に慣れてくると、何時の間にか人目に付かない遠くまで漕いでいってしまった。

そんな練習会の様子に興味を持った父子がやって来たので、二人でカナディアンカヌーに乗せてあげる。
小学生の低学年くらいの息子さんは、長いパドルを振り回すようにお父さんより力強いパドリングをしていた。
その息子さんはハネタクに憧れているようで、こんなところからもカヌーの芽が芽生え始めてくるのだろう。


暖かくて練習日よりだ

興味を持って見学に来る人も


 


女性の方がOC-1を上手に乗りこなしていた

午前の部が終了し、お昼は我が家とN島さんがたまたま持ってきていた讃岐うどんをかみさんが茹でて、それを皆でつつく。
何だかカヌー合宿みたいである。
ビールに手を出してしまうと、なかなか午後の部に入る気持ちにならない。
それでも一人二人とドライスーツに着替えて湖へと出て行くと、こちらも重い腰を上げるしかない。

何時もカナディアンに乗っているメンバーは、N島さんのOC-1にチャレンジ。
私を含めた男性陣が全く乗りこなせないのに、熊五郎さんの奥さんやM木さんが普通に乗りこなしていたのは舌を巻いた。

H山さんご夫婦がファルトボートで再乗艇の練習。
H山さんとは前回の美笛キャンプで初めて会って、私が今回の練習会にお誘いしていたのだ。
クラブへの入会パターンは色々あるけれど、こんな風に川やキャンプ場で一本釣りされて入会した人も結構多い。


足の立つ場所ではこうやって乗り込むこともできるが

川での再乗艇は有り得ないけれど、湖でのもしもの時に備えてできるに越したことはない。
ショップでの購入時に、再乗艇は横から乗り込むとひっくり返るので、スターン側から乗り込むように教えられたとのこと。
しかし、足の付く場所ならできても、足の付かないところでスターンからの再乗艇は、見ていても絶対に無理としか思えない。
かなり長い時間頑張ったけれど、結局一度も成功せずに終わってしまった。
水温の低い時ならば、低体温症で意識を失っているである時間である。
ファルトでは、湖では絶対沈しないこと、沈しそうな時は沖に出ないこと。
これを心がけるのが一番のセルフレスキューと言えるだろう。

H池・M木ペアはカナディアンでの再乗艇。
こちらはファルトよりもハードルは低い。
ただ、お二人は身軽なので簡単にできていたけれど、これだってある程度練習しておかないと、本番でいきなりできる技ではない。


カナディアンでの再乗艇練習中、湖畔にはテントがビッシリと並んでいる



飲んだくれているダメな大人達

そんな練習も早々に切り上げ、午後3時過ぎから焼肉を始める人達が出てくる。
そうなると直ぐに、ビッグタープの下に人が集まり始める。

そんな中でウェットスーツを着たままで肉をつついているI山さん。
食べ終わったら再び湖に戻って、まつさんのロール特訓にお付き合いしていた。

まつさんは去年入会したばかりで、これまでに川を下ったのは2回だけ。
7月例会でシーソラプチ川を下ることを目標に、今日も午前中から休むことなくひたすら練習を続けているのだ。


練習を続けるまつさんと隣で遊ぶ娘さん

見事にいい加減な人間ばかり集まっているクラブの中で、彼のように生真面目な性格の人間は、ともすれば異質にも見えてしまう。
でも、様々な性格の人達が、川が好きだというそれだけの単純な気持ちで集まっているのがカヌークラブである。
色々な人間がいた方が面白い。

タープの下で、既に食べ飲み過ぎてグダグダとしているだらしのない大人達と、黙々とロール練習を続ける二人とその隣で無邪気に遊ぶまつさんの娘さん。
あまりにも対照的な姿に見えてしまう。

そんなまつさん父娘や日帰り参加のメンバーが帰った後も宴会は延々と続く。
我が家はこの日もダッチオーブン料理。
寒い時なら良いけれど、こんな蒸し暑い日に焚き火を使ったダッチオーブン料理は大変である。


暖かい夜で焚き火には誰も見向きもしない


2日間続いた寝不足もあって、私は10時前にはテントに潜り込む。
酔っ払ったかみさんから「もっと付き合いなさい」と言われなければ、9時過ぎには寝ていたところだ。


クラブのキャンプの朝は早い

日曜日は尻別川での流水練習。
キャンプ場出発は8時半と言われていたので、5時頃には皆も起き出してくる。
そして6時前には朝食を食べ始め、7時頃には撤収開始。

H山ご夫婦は、テントが大きくて撤収に時間がかかるからと、土曜日は日帰りして日曜日に直接川に来ることにしていた。
確かに、普通のキャンプ装備ではこの早さに付いていくのは大変である。

皆は早々に片付けを済ませ、クラブでのキャンプへの参加2回目で、まだこの早さになれていないH池・M木ペアの片付けを見守りながら、私達のタープやテントが無くなり混雑した湖岸の中でそこだけがポカリと空いてしまった砂浜の真ん中で、ウダウダと時間を過ごす。


片付けを終えると混雑した場内でここだけが広々としていた


そうして予定通り8時半には美笛キャンプ場を後にして、尻別川での流水練習へと向かったのである。



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