北海道キャンプ場見聞録
桜と仁淀ブルーに染まる
池川ふれあい公園オートキャンプ場(4月5日~6日)
やっと辿り着いた大鱒の滝駐車場
仁淀川の川下りを終え、N島さんとはここでお別れ。
それぞれがまた四国の旅を続けるのである。
キャンプ地の近くに「大鱒の滝」の看板があったので、ちょっと寄っていくことにした。
県道から入って5分ほどで駐車場に着くらしいのだが、そこまでの道が恐怖だった。
曲がりくねった山道で、片側はガードレールの無い切れ落ちた崖、反対側は蓋の無い側溝、車1台がやっと通れるだけの道幅しかない。
運転免許を取ってから40年近く、運転していてこれ程怖い思いをしたことはなかった。
そうして苦労して辿り着いた駐車場だったけれど、そこから大鱒の滝までは更に徒歩15分。
他にも行きたい場所があったので、滝を見るのは諦めて、再び恐ろしい思いをしながら県道へと戻った。
ひょうたん桜を見るため、こんなに高いところまで
次に向かったのが日本の桜百選にも入っている「ひょうたん桜」。
ここまでの道もまた、痺れる道だった。
転落の心配は無いけれど、ただひたすら対向車が来ないことを祈りながらの運転である。
平日にも関わらず、駐車場には沢山の車が停まっていた。
それを見て、四国の人はこんな道路を運転するのが苦にならないのかと感心してしまう。
肝心のひょうたん桜の大木は、まだ5分咲き程度だったが、周りの桜が満開で、美しい風景を楽しめた。
帰り道は、登ってきた時とは違う道を下る。桜の期間だけ、道路は一方通行になっているようだ。
そうでなければ、狭い道になれている四国のドライバーであっても、週末は大変なことになってしまうだろう。
ひょうたん桜
中津渓谷をお散歩
その後は、今日の宿泊地である池川ふれあい公園オートキャンプ場にテントを張ってから、「中津渓谷ゆの森」の温泉に入りに行く。
中津渓谷は仁淀川の支流である中津川にそう美しい渓谷である。
温泉から出た後、その渓谷を少し歩いてみる。
仁淀ブルーという言葉があるが、今日下った区間ではそれ程美しい仁淀ブルーには出会えなかった。
それが、ここにきてようやく本当の仁淀ブルーに出会えた気がした。
渓谷の中を縫うように延びている遊歩道を歩いて行くと、所々に仁淀ブルーに染まった美しい淵があるのだ。
遊歩道を更に進んでいくと渓谷の中に美しい滝が流れ落ちていた。
それが「雨竜の滝」がある。
遊歩道はまだ続いていたが、せっかく温泉に入ったのに、これ以上先まで進むと汗をかきそうなので、そこから引き返すことにする。
中津渓谷の仁淀ブルー
土居川が横を流れるテントサイト
キャンプ場へと戻ってきた。
オートキャンプ場と名前は付いているが、そこは道路と土居川の間に作られた細長いただの公園で、車を乗り入れてテントを張れるというだけの話しである。
道路側は擁壁になっているので、車の通行は気にならないが、土居川を挟んだ対岸には民家や木工場が立ち並んでいて、あまり落ち着かない。
しかし、場内の満開の桜が、そんな事は忘れさせてくれる。
これだけ美しい桜の中にテントを張るのは初めてだった。
もしもこれが北海道だったとしたら、人が沢山やってきて、とてもキャンプなどしていられないだろう。
ところがここでは、私達がテントを張っている間にやって来たのは数名だけ。
四国にやって来てまだ数日しか経ってないが、何処にでも美しい桜が咲いているのがとても印象的だった。
この公園程度の桜は、何処にでもあるのかもしれない。
桜が満開のキャンプ場
夜桜も楽しめる
仁淀川の支流である土居川も澄んだ水が流れていて良い川だ。
街の中なので両岸がブロック護岸なのは、しょうがない。
それでも、ブロック護岸の所々に階段が作られ川まで下りられるようになっているのは、人の生活の川が繋がっている証拠なのだろう。
辺りが暗くなると、ランタンの明かりで桜がライトアップされる。
贅沢なキャンプである。
翌朝は、今にも雨が降り出してきそうな空模様だった。
当初の予定では、この後は四万十川に向かい、そして四万十川の川旅をするつもりでいた。
しかし、この先の天気がパッとしなくて、四万十川を下れるかどうかも怪しくなってきていた。
今回の旅では吉野川小歩危のラフティングも予定に入れてあった。
ラフティングなら雨が降っても関係ないだろうと思って、目星を付けていたラフト会社に電話を入れると、まだラフトの営業はしていないとのこと。
今にも雨が降ってきそうな空模様
他にやっているところがないか聞いてみると、この時期は水が少ないのでお勧めできないと言われてしまう。
それでは高いツアー料金を払ってまでラフトに乗ることもないだろうと、小歩危でのラフティングは諦めることにした。
こうなると当初計画を大幅に変更するしかない。
雨が降るのでテント泊も厳しい。
丁度、祖谷渓にバンガローのあるキャンプ場があり、祖谷渓は当初計画にも入っていたので、この日はとりあえずそこに向かうことにする。
パラパラと雨粒が落ちてくる中、大急ぎでテントを撤収しキャンプ場を後にした。