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台風の狭間で東神楽キャンプ

東神楽森林公園キャンプ場(8月19日〜20日)

週末のカヌークラブ例会で泊まる予定のひがしかぐら森林公園。
退職して毎日サンデーになった身としては、土曜日の朝早くに慌ただしく出かけるよりも、前日から出かけてキャンプ場入りした方がゆっくりとできる。

そう思ったものの、かみさんは何故か嫌だと言う。
それが金曜日になってから「やっぱり今日行きましょう」と言い始めた。
最近は万事がこの調子なので、かみさんのご機嫌を窺いながら予定を立てるしかない。
毎日サンデーだからと言って、何事も自由にできるわけではないのである。

パン屋きみかげ近所の店で昼食を済ませてから札幌を出発。
途中で、最近その存在を知ったばかりの当別町のパン屋「きみかげ」に寄ってみた。
かみさんは店に入って直ぐに感じたようだが、有名な忍路のパン屋「エグ・ヴィヴ」に似ているらしい。
後で調べてみると、エグ・ヴィヴで修行していた方がこの店を作ったとのことなので、似ているのも当然なのだろう。

この店で高校の時の同級生と十数年ぶりに会ったのには驚いた。
お互いに初めての来店だったので、本当に偶然である。

その後は真っ直ぐにキャンプ場入り。

場内の様子2日前には台風7号が北海道に上陸したばかり。
そして次の台風11号が北海道に接近中で週末の天気もかなり荒れ模様になりそうだ。

そんな状況にも関わらず、キャンパーの数は意外と多かった。
学校がまだ夏休みのところも多いので、殆どがファミリーキャンパーである。

受付の時に2泊分の料金を払おうとしたら、「明日は天気が荒れそうで、払い戻しもできないので、とりあえず1泊にしておいた方が良い」と言われて、素直に従う。
受付の方のこの気遣いに、後で助けられることになるのである。

今回は例会のキャンプがメインなので、皆が使いやすいように駐車場のすぐ隣にビッグタープを張る。
5年前にもクラブの例会でこのキャンプ場を利用していたが、その時はこの場所はテント設営禁止になっていたはずである。
この変更は嬉しかったけれど、料金システムも変更されていて、こちらはちょっと残念だった。

我が家のサイト前回は、入場料の他に大型テントやタープを張る時だけ別料金はかかっていた。
それが今回は、テントの大きさに関わらず一張り400円が取られるのである。
他のキャンプ場でも、同じような料金システムのところがあるが、夫婦別々にテントを張る私達のスタイルでは負担が大きいのだ。

入場料も200円から300円に値上げされていて、今回はタープも含めて、1泊するのに1800円もかかってしまった。
オートキャンプ場よりは安いと言っても、これまでのリーズナブルさが失われたのは残念だった。

ビッグタープを張った後はそれぞれのテントを設営。
明日は大雨になりそうなので、水の溜まらないような場所を選ぶ。
かみさんは買ったばかりのファイントラックのテントの初張りである。
最初から雨に晒されることとなり、このテントの先行きが心配になってくる。

ビッグタープビッグタープの下は、広すぎて何となく落ち着かない。
他のキャンパーから見れば、テントは山用のソロテントでタープばかりがやたらに大きく、かなり風変わりなキャンプスタイルと思われそうだ。

同じ毎日サンデー組のN島先輩とY須賀先輩も来るだろうと思っていたら、その二人は何故か上富良野の日の出公園キャンプ場に泊まっているみたいだ。

キャンプ場の隣の「森の湯 花神楽」で温泉に入り、夕食を作るのも面倒なので、そこで食事も済ませてしまう。
テントに戻ってくる頃には、既に辺りは薄暗くなっていた。

 
夜の場内

静けさに包まれる夜の場内


夜を過ごすランタンの明かりの下でワインを飲んでいると、ゴロゴロと音を立てながらキャリーケースを引っ張る3人連れの親子が場内に入ってきた。
全く場違いな様子に面食らっていると、子供が「今日も芝生の上に寝るの?」と聞いているのが聞こえてきた。
「野宿しに来たのか?」と思ったが、暗闇の中、ヘッドランプの明かりでテントを立て始めたので、普通のキャンパーだったようである。

ファミリーが多いけれど、子供達の喚声も聞こえてこず、場内は静かだった。
テーブルの上にセミが飛び込んできて、腹を上に向けてバタバタと騒いでいる。
それを隣のシラカバの木に移してやる。

すると今度はトンボが飛んできて、同じくテーブルの上でひっくり返ってバタバタしていた。
しょうがないのでティッシュペーパーにとまらせてやると、ようやく大人しくなった。

クワガタとかが灯りに誘われて飛んでくるのは夏のキャンプでは良くあるけれど、セミやトンボは意外な訪問者だった。


セミ   トンボ
お客さんその1  

お客さんその2


満月を過ぎたばかりの月が雲間に姿を現したが、直ぐにまた厚い雲に隠れてしまった。
ワインが空いたところでそれぞれのテントに潜り込む。

夜中の12時過ぎ頃からテントを叩く雨音が聞こえ始めた。
その音が次第に大きくなり、そのうちにうるさくて寝ていられない程になる。
うつらうつらしながらスマホを確認すると、真夜中にN島さんから明日の例会中止の連絡が入っていた。
朝には上川にも大雨警報が発令され、これは正しい判断だっただろう。

雨上がりの朝明け方になると雨も止んできた。
例会が中止と決まればこの日で帰ることになるので、シュラフやマットを片付けてから起き出す。
私が最初にテントを張ろうと考えた場所には、大きな水溜まりができていた。

タープの中の物は濡れてはいなかったけれど、地面はグショグショで、結構な量の雨が夜中に降っていたことを思わせる。
先にテントを撤収すると、私のテントの下は丁度くぼ地になっていたみたいで、そこにも水が溜まっていた。

場内を散歩すると、隣を流れている小さな川も増水していた。
これでは今日、明日に下る予定だった忠別川や石狩川も大変なことになっていそうだ。


増水した小川   園内で飼われているヒツジ
園内を流れる川は増水中  

ヒツジも飼われている


キャリーケースキャンパー昨夜のキャリーケースファミリーは、場内の東屋の中にテントを張っていた。
装備を見ると、如何にも山登りをしていそうな感じだ。

撤収の手際も良く、再びキャリーケース一つをゴロゴロと引っ張りながら車へと戻っていった。
多分、そのキャリーケースの中には親子3人分のキャンプ道具が見事にパッキングされているのだろう。
なかなか面白そうなキャンプスタイルである。

私達も撤収開始。
最後にビッグタープを片付ける。

大型のタープだけれど、設営や撤収にかかる手間はペグを打つ本数がちょっと多いだけで他のタープと大して違わない。
これなら、ソロテントとビッグタープの組み合わせも意外といけるかもしれない。
ソロテントには小さなタープとか、そんな固定観念にとらわれる必要は全くないのである。

増水した忠別川N島さんとY須賀さんがタープの撤収の手伝いに来てくれたが、その時には既に片付け終わっていた。
太陽が顔を出し、セミ達が一斉に鳴き始める。
何だか川下り日和になってきたけれど、それは見かけだけである。

帰りに忠別川の様子を見てみたけれど、足がすくむような流れになっていた。
そして再び雨も降り始め、その後自宅に辿り着くまで車の前も見えなくなるような土砂降りの雨が降り続いたのである。

この翌日11号が、更に2日後に9号が北海道に上陸。
そしてとどめに台風10号が北海道をかすめ甚大な被害を及ぼすこととなる。
そんな状況の中で普通にキャンプを楽しめたのは奇跡に近かったのかもしれない。




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