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オホーツクの空の下で網走キャンプ

オートキャンプ場てんとらんど(9月26日〜28日)

網走マラソンを走るために宿泊場所に選んだのは、オートキャンプ場てんとらんど。
呼人浦キャンプ場にも泊まってみたかったけれど、マラソンに集中するためには高規格のオートキャンプ場の方が何かと便利なのである。

遠くまで出かける時に昼食を何処で食べるかは、一つの楽しみでもある。
今回は常呂町のフレンチの店「レストランブレ」を候補に選んだ。
ところが、12時前に着いたのに既に店内は満席。しょうがないので、国道沿いにある「レストハウスところ」に入った。
常呂町といえばホタテが有名なので帆立刺身定食を食べてみるが、可もなし不可もなし。普通のホタテだった。

能取湖サンゴ草群生地能取湖のサンゴ草群生地にも寄り道。
5年前に園地整備の失敗により壊滅的な打撃を受けたと聞いていたけれど、以前に見た時とほぼ同じくらいの、真っ赤に色付いたサンゴ草を楽しむ事ができた。
今年の8月31日にサンゴ草の復活宣言もされたそうである。

それでも、ちょうど見頃の時期にも関わらず、観光客の姿は疎らだった。
シルバーウィークが終わったばかりのせいもありそうだが、もしかしたら5年前の件が尾を引いているのかもしれない。

その後は、マラソンコースの下見も兼ねて能取半島を一周する。
美岬のヤチダモに能取岬の灯台。サンゴ草群落も含めて、前回訪れたのは確か14年前なので、懐かしさを感じる。
ここが明日のマラソンコースでも、その時以上に、15年前の冬にここでキャンプをした時の思い出の方が強烈に残っていた。
我が家にとっての能取岬は、流氷に囲まれ寒風吹きすさぶ真っ白なイメージなのである。

今日の能取岬はその時とは正反対の穏やかな表情を見せていた。
明日マラソンでここを走るのが楽しみである。

岬の一部は、網走市営の美岬牧場になっている。
広々とした牧場の向こうには知床連山が眺められ、能取岬の風景をより美しく演出している。
この牧場には馬と牛が一緒に放牧されているので、馬と牛が並んで草を食んでいるような、他ではなかなか見かけない光景も楽しめる。

 
能取岬の灯台
明日はこの灯台の周りを一周する

美岬のヤチダモ   牛と馬
美岬のヤチダモと背比べ?  

牛と馬が一緒に放牧されている


ヒマワリ畑半島を一周した後は、マラソンのゴール地点である大曲湖畔園地へ行ってみた。
そこには広大なコスモス畑とヒマワリ畑が広がっていて、マラソンの最後は、そのヒマワリ畑の真ん中を駆け抜けてゴールするのである。
何とも素晴らしい演出だが、果たして私はそのビクトリーロードを走って駆け抜けるか、トボトボと歩いて通る事になるのか、それが心配だった。

そうしてキャンプ場に到着。
ここを利用するのは初めて。
予約する時にサイトまで指定できるので、Googleの航空写真を参考にしながら、一番良さそうなサイトを予約しておいた。

プライベートサイトところが、航空写真では平面的な様子は把握できるけれど、高低差までは分からない。
このキャンプ場は標高207mの天都山の山腹に造成されているので、かなりの起伏があるのだ。
予約したサイトよりももっと展望の良いサイトがあったのだけれど、そちらには先客がいたので、それはしょうがない。

マラソンがあるのでキャンプ場も混雑するかもしれないと思って予約したのだが、そんな心配は無用だった。
広い場内に、キャンパーは10組もいなかった。

私の感覚では、地方のマラソン大会に出るのならば普通にキャンプ場に泊まるのだけれど、一般ランナーはそうでもないらしい。

我が家のサイトキャンプ場にマラソン会場が隣接している別海では、それなりにキャンプ場も賑わっていたけれど、洞爺湖マラソンの時のグリーンステイ洞爺湖などはがら空きだった。

キャンプ場の管理はさすがに行き届いていて、サイトの芝生も最高の状態である。
これでは焚き火は無理だろうと思ったが、念のために焚き火台を使ってもダメなのか聞いてみたら、各サイトに用意されているブロックを使用して芝生を焦がさないようにすれば大丈夫とのこと。
そのことだけで、このキャンプ場が好きになってしまった。

夕方になって、街の中で行われるマラソンの開会式に出かける。
会場へと向かう途中、網走湖を染める夕陽の風景に感動した。


夕暮れの網走湖
夕日に染まる網走湖

月の美しいキャンプの夜開会式を終えてキャンプ場に戻ってくる頃には、辺りは既に真っ暗。
場内の照明も、園路部分だけを照らすような最低限のものしかないので、ヘッドランプが無ければ行動できないくらいだ。
それでも、満月間近の大きな月が空に浮かび、場内を優しく照らしていた。
そんな月明かりを感じられるキャンプ場なのが素晴らしい。

夕食は簡単に済ませて、月を眺めながら焚き火を楽しむ。
ただ、風が少し強かったので、優雅な焚き火とはならなかった。
明日のマラソン本番に備えて、ビールを少々飲んだだけで早めに就寝。

キャンプ場の朝日マラソン大会当日の天気は、曇りで午後には雨が降るとの予報になっていた。
ところが、翌朝は見事な快晴の空が広がっていた。
キャンプ場は東向きの斜面なので、サイトの真正面から朝日が昇ってくる。

朝目覚めた時は、明けの明星の金星だけが東の空に輝いていた。
そして間もなく、東の空を赤く染めながら朝日が昇ってきた。

空気が澄んでいれば、知床連山や斜里岳の姿も望めるのだが、今朝は残念ながらそれらの姿は霞んでしまっている。
それでも、予想外の美しい朝の風景を楽しむ事ができて、気持ち良くマラソン会場へと向かった。


朝日に照らされるキャンプ場
朝日に照らされるキャンプ場

長崎ちゃんぽんで冷えた身体を温める9時にスタートする頃には天気も良かったのに、午後2時頃から土砂降りの雨となり、ずぶ濡れになってゴールイン。
その後、雨も止み、ゴール地点の収穫祭会場で提供されていた長崎チャンポンで身体を温め、駐車場から出る車の大渋滞にはまり、キャンプ場に戻ってくる頃には既に陽も沈みかけていた。

何時もならばレース後は近くの温泉で汗を流すところだが、土砂降りの雨のおかげで既に汗は流れてしまっていたので、キャンプ場の無料シャワーで済ませることにした。

シャワーを浴びて外に出てくると、東の空には真ん丸い月が浮かんでいた。
今日は中秋の名月である。
天気が悪そうなので、今回の中秋の名月は見られないだろうと、半ば諦めていたので嬉しかった。

豪華な夕食夕食を作る気力も無いので、市内のスーパーで買ってきた生寿司が今日のメニューである。
しかし、この生寿司がネタも新鮮で、スーパーで買ったものとは思えないような美味しさだった。

フードマスターベーシックと聞いたことの無いスーパーだが、昨日ここで買い物した時も、刺身類の新鮮さに驚かされていたので、夕食は迷うことなくここで買うことにしたのである。

惣菜類が美味しい事で、地元でも評判の店らしい。
お疲れ様の乾杯をし、「レストハウスところで食べた刺身定食よりも、こっちの方が安くて美味しいよね」と言いながら、生寿司を頬張った。

今夜は風も無く、焚き火日和である。
ここの場内には薪小屋まであったので、そこの薪も少し使わせてもらった。
後で調べてみると、ここの薪は無料で自由に使えるらしい。綺麗に割られた良質の薪で、これが無料なんて信じられない。

焚き火を囲んで反省会 我が家がこのまま一週間くらい連泊したら、小屋に残っていた薪は完全に燃やし尽くせそうだ。
ここに泊まるキャンパーは、そんなにガツガツと焚き火をするような人は少ないので、無料で提供する事が可能なのかもしれない。

今夜は他のキャンパーは数組しかいない。多分全員が今日のマラソンを走った人たちなのだろう。
ここのキャンプ場は9月に入れば料金も安くなり、おまけに今日は平日料金で更に安くなる。
二日分の料金が合計で5,700円。これだけで快適なキャンプを楽しめるのだから、高規格オートキャンプ場も捨てたものではない。

中秋の名月の下、二人で今日のマラソンを色々な出来事を振り返りながら焚き火を楽しむ。
マラソンの方は過去最低の記録だったけれど、何故か疲れもそれ程残っていない。
冷たい雨に濡れたおかげで、筋肉をクールダウンできたのだろう。
気持ち良く、テントに潜り込んだ。


中秋の名月と焚き火
中秋の名月に照らされる良い夜だった

斜里岳のシルエットキャンプ最後の朝も素晴らしい快晴に恵まれた。
場内の一番高い場所まで登って日の出を楽しむ。

今朝は、斜里岳から知床連山までくっきりと見渡せた。
天気が心配な三日間だったけれど、蓋を開けてみればマラソン中に雨に当たっただけで、予想外の天気に恵まれる事となったのである。

快適な朝の時間を過ごし、テントも乾いたところで気持ち良く撤収。

キャンプ場を出た後は、一観光客としてオホーツク流氷館、博物館網走監獄を見て回る。


美しい朝日
斜里岳や海別岳のシルエットと知床半島から昇る朝日

朝の場内   朝の場内
落ち葉が朝日に映える  

朝日に照らされる我が家のサイト


網走監獄は、道内の有名観光地の中で未だに訪れていない場所として、最後まで残っていたところである。
良い機会なので時間をかけてゆっくりと見て回った。

網走監獄で何時ものように蝋人形と絡みながら写真を撮る。
網走監獄は、その蝋人形も沢山あって、おまけになかなか良くできているので、本物の人間と区別が付かなくなる。
蝋人形かと思ったら、本物の人間だったりして、ビックリさせられる。

昼は回転寿司にすることで二人の意見は一致。
昨日の夜も生寿司だったけれど、美味しければ二日連続でもかまわない。

入ったのは「ビッグサン」と言う、名前も外観も全く寿司屋らしくない店。
でも、これが地元の人の人気店らしく、リーズナブルな料金で美味しい海鮮丼を食べられて満足。

札幌へと帰る途中は、身の危険を感じるような風と雨に見舞われながら、楽しい網走キャンプを終えたのである。

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網走監獄   海鮮丼
網走監獄は見応えがあった  

ランチメニューの海鮮丼1000円也



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