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練習漬けの支笏湖キャンプ

モラップキャンプ場(7月4日〜5日)

6月の例会が終わった翌週は、カヌークラブの練習会。
ミニ例会とか練習会とか言って、最近は毎週のようにカヌーに出かけている。
我が家の場合、月一回の休カヌー週末を設けているが、クラブのメンバーの中には本当に毎週カヌーに出かけている人もいて、家庭生活は大丈夫なのかと心配になってくる。

天気の良いモラップキャンプ場土曜日は静水練習ということで、会場は支笏湖のモラップキャンプ場である。
同じ支笏湖の美笛キャンプ場が豪雨災害からの復旧工事によりオープンが遅れているため、モラップキャンプ場も混雑するだろうと予想されていた。
そこで、早めに家を出て10時前にはキャンプ場に到着。

さすがにキャンプ場はまだ空いていたけれど、クラブのメンバーは5名が先着していて、既にまったりとしたキャンプモードに入っていた。
それもそのはず、昨日からキャンプしていたり、深夜に到着したりしたような人ばかりなのである。
本気で、皆さんの家庭生活のことが心配になってきた。

既に張られていた小さなタープの下は満員だったので、その横に我が家のコールマンタープを張る。
こんな時でないと出番のない我が家のタープなのである。
タープに続いて、それぞれのソロテントを張っている間に、他のメンバーも続々と到着する。

そろそろ練習するか!天気も良く、風もほとんど吹いていない。
支笏湖の湖面も、沖の方ではさざ波が立っているものの、湖岸近くはべた凪ぎである。
設営が終わり、そんな風景を眺めながらビールでも飲もうとしていると、他のメンバーが黙々と着替えを始めた。

「えっ?本当に練習するの?」
カヌー初心者を対象に、初日は静水でパドリングの基礎を練習、翌日には川で流水体験、そんなイメージで開催した練習会だったのだが、参加を予定していた初心者1名がドタキャンとなり、結局は集まったのは何時ものメンバーばかり。
それなので、昼飯を食べた後に1時間くらいカヌーに乗ってそれで練習会は切り上げ、と思い込んでいたので、この動きはちょっと意外だった。

でも、昨日から泊り込んでいれば、そろそろ退屈してきて「カヌーにでも乗ろうか」と考えるのは、普通の成り行きなのだろう。
そんな宿泊組みの行動につられる様に、他のメンバーも着替え始める。

マッドリバー MEこうなると、私達だけビールを飲んでるわけにもいかない。
それに今回は、N島先輩にお願いして、ホワイトウォーター用のカナディアンカヌーであるマッドリバーのMEを持ってきてもらっていたので、それに慣れておかなければならない。
明日はMEで尻別川の二股の瀬を下るつもりなのである。

現在乗っているフリーダムは購入してから8年経っているが、これまでの酷使がたたって、あちらこちらがボロボロになってきていた。
もう限界といっても良い様な状態なのである。
そこで、N島先輩が以前からMEに乗ってみたらどうだと言ってくれていたので、本気で考える事にしたのだ。

組み立て式のカナディアンカヌーであるアリーから今のリジットタイプのフリーダムに乗り換えた時、その違いが全く分からなかった様な私なので、果たしてMEの違いが分かるだろうかと考えていた。
しかし、実際に乗ってみて、さすがに道具音痴の私でも、その回転性の良さだけは実感できた。
練習風景回転性が良すぎて、一人で漕ぐと真っ直ぐ進むのに苦労するが、タンデムならば問題ない。
後は、川の中での実践だけだと言うことで練習は終了。

私達夫婦は、パドリングの基本を誰かから教えられた事もなく、ずーっと自己流で漕いでいた。
それでも、岩だらけの川でも何とか下れているので、不自由は感じていない。
それが、先月の釧路川でカナディアンに乗り始めてまだ間もない人達と一緒に川を下った時、そのパドリングが明らかに私達より上手なのにショックを受けてしまった。
聞いてみると、プロのガイドの方から教えてもらっているらしい。

まあ、ショックは受けたけれど、波の大きな激流ではバランスさえ崩さなければ良いだけだし、岩の多い瀬ではタンデムの息を合わせれば良いだけなので、テクニックがなくても川は下れるのである。
練習風景ただ、一人で漕いでいる時は、せめてJストロークくらいできるようになりたいなと切実に感じてしまうのである。

私達が自分達のテーマ練習を終えても、他のメンバーはまだぞれぞれのテーマ練習に一生懸命だった。
そのテーマはただ一つ、ロールで起きる事である。
OC-1でのロールは確かに大変そうだけれど、カヤックのロールは基本テクニックの様な気がする。

ところが、私達のクラブでは、ベテランメンバーでもロールで起きれない人が結構いるのである。
もしかしたら、道内のカヌークラブの中でロールができる人の割合が一番低いのは、私達のクラブかもしれない。
一生懸命練習を繰り返すが、一向に成功しそうな気配もない。

 
練習風景
練習を始める頃はテントもまだまばらだった

練習風景でも、これが私達のクラブで楽しく川下りを続けられている理由じゃないのかとも思ってしまう。。
皆が百発百中でロールができるようになってしまえば、普通の川では飽き足らなくなってくるのが道理である。
ところが、ロールができないと、どんな川でもドキドキハラハラしながら下る事になり、そして下り終えた時の満足感も大きくなる。

勿論、百発百中あるいは百発八十中くらいの確率でロールができるメンバーもいるので、もしもの時は助けてもらえる安心感もある。
助けたり助けられたりしながら川を下るのが、クラブでのツアーの面白いところでもある。
だから、ロールができない事は決して恥じる事では無いのである。

CCに試乗私はロールとは無縁なので、ひっくり返ったカナディアンへの再乗艇の練習をしてみたり、他の人のCC(膝立ちでシングルパドルで漕ぐカヤック)を漕いでみる。
試乗したのがボリュームのある舟だったので、安定していて全く違和感無く漕ぐ事ができた。
カナディアンを止める時は、自分で車に積めなくなった時との話しを良く聞くが、私たちは今でさえ車に積む時に四苦八苦している。
「CCに転向したら」との話しを、まじめに考えてしまいそうだった。

既に12時を回っていたので、練習を切り上げ昼の休憩となる。
ここでようやく冷えたビールを口にする。
我が家の昼食はラーメンだったけれど、他のメンバーは炭を熾して早くも焼肉を始めた。

モラップキャンプ場の広い砂浜も、何時の間にかテントで埋め尽くされていた。
若者や子供達の喚声が聞こえてくる。
金髪の美女がビキニの水着で湖畔をかっ歩していく。
完全に夏の浜辺の風景である。

午後からは曇りそんな風景を眺めながら、このまま夕方までまったりしているのかと思ったら、N島先輩からいきなり、練習会午後の部を始めるとの号令がかかった。
「まじかよ!」と思いながら、干してあったドライスーツに再び袖を通す。
N島先輩に逆らうことはできない。

午前中は晴れていたのに、次第に雲が広がってきていた。
天気予報では、午後は所により雷雨となっていたので、そのとおりになりそうだ。
一時的に恵庭岳や風不死岳が完全に雲に隠れてしまったが、キャンプ場付近ではパラパラと雨が降っただけで済んでくれた。

午後の部もロール練習が中心である。
OC-1でのロールが起きずに苦労していたN島先輩が、試しにCCを借りてロールをすると、いとも簡単に起きてしまう。
それまでCCでロールができずにいたO橋さんと228君が、それを見て悔しがったのは言うまでも無い。
でも、今回の練習会でロールにチャレンジした回数が一番多いのはN島先輩で、最後まで湖に残って練習していたのもN島先輩である。
早々に着替えてしまい、砂浜に寝転びながら声だけ出していた二人とは、根本的に違うのである。


ロール練習   ロール練習
I山さんのアドバイスで練習するN島先輩  

最後まで一人練習を繰り返すN島先輩


上空を覆っていた雲の切れ間から天使の梯子が湖上へと下りてきた。
午後の部の練習会も一段落。
私達の姿が消えて静けさを取り戻した湖に、ファミリーの乗るカナディアンが漕ぎ出していく。
天子の梯子の前でそのカナディアンがシルエットとなる。
絵になる風景とは、正にこの様な風景のことを言うのだろう。


湖に天使の梯子が降りてきた
天使の梯子が降りた湖とそこに浮かぶカヌー

11年ぶりのタンデムその風景に感動したO橋さんがMEに乗って再び湖へと漕ぎ出そうとしていた。
そこへ228君も乗り込み、2004年の旭川カヌーレースでサルゲッチュの仮装で出場して以来の二人のタンデム復活となる。

元気良く湖へ漕ぎ出していった二人。
先程までの一服の美しい絵が、二人の乗ったカヌーのシルエットとそのカヌーが立てる波で、ぐちゃぐちゃの絵に変わってしまった。
そこへN島先輩までが加わって2艇で競争まで始めるに至っては、雲の上の天使もあきれ果てて梯子を引っ込めてしまった。

広い砂浜にも隙間無くテントが立ち並んでいたが、私達のタープと湖岸の間のスペースだけが、誰もテントを張ろうとせずに広々と空いたままだった。
賢明なキャンパーは、怪しい集団には近付かないのである。


MEでタンデム   競争が始まった
MEだと二人の距離が近すぎ!   突然競争が始まった

夕方になって雲もかなり取れてきたが、楽しみにしていた金星と木星は少しだけ姿を見せただけで、直ぐにまた雲に隠されてしまった。
キャンプの夜7月1日に月の大きさの距離まで近づいた金星と木星。
その前後の札幌はずーっと曇ったままで、その接近の様子を一度も見れていなかったのだ。
雲の切れ間からちらりと見えた二つの星の距離は、既に驚くほどのものではなくなっていた。

ガンちゃんが土鍋飯を炊いてくれる。
ガンちゃんらしい男前の料理である。
皆で焼肉をつつき、マグロのカマを焼き、お汁粉を食べ、夜も楽しく更けていく。

11時前には就寝。
耳栓のおかげで遠くから聞こえてくる喧騒も気にならず、朝までぐっすりと寝る事ができた。


夕暮れの一漕ぎ   土鍋飯
途中で酔い覚ましに一漕ぎ   ガンちゃんの男前土鍋飯

キャンプの夕暮れ
この空では火星は見られない

翌朝は曇り空。
早起きした人の話しによると、早朝はもっと晴れていたのに、次第にガスがかかってきたとのこと。
もう少し早起きすればよかったと後悔する。

コールマンとスノーピークのテントだらけ場内を一回りすると、見事なほどにコールマンのテントだらけ。
一昔前はコールマン一色だったような気がするが、最近はコールマンに負けないくらいにスノーピークが幅をきかせてきている。
コールマンとスノーピークの2色模様が、夏のキャンプ場の定番風景に変わってきそうだ。

今日は尻別川での流水練習である。
朝食を済ませた後は、他のキャンパーよりも早めに撤収開始。

撤収が終わる頃には、ようやく霧も晴れて支笏湖が再び美しい姿を現した。
今日も最高の川下りを楽しめそうだ。
皆で揃って尻別川に向かって車を走らせた。


最後に晴れたモラップキャンプ場
帰る頃になって霧が晴れた


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