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クリンソウが繋ぐ足寄キャンプ

足寄町里見が丘キャンプ場(6月13日〜14日)

和琴半島湖畔キャンプ場を撤収した後、和琴半島を一周する自然探勝路を歩いてみる。
半島付け根にある露天風呂までは来ることがあっても、その先へは一度も足を踏み入れたことがなかった。
湖畔キャンプ場に泊まる時は何時もカヌーを積んでくるので、わざわざ半島を歩く気にはならないのだ。

屈斜路神社まずは、少し入った場所の屈斜路神社に参拝する。
原木のままの鳥居が良い雰囲気を醸し出しているが、その先の本殿はちょっと貧弱、と言ってしまうと罰が当たりそうだ。

境内には土俵もあり、上にテントを張るようなパイプの骨組みも作られている。
寂れた神社に見えるが、ここでお祭りも開催されているのかもしれない。

そこから時計回りで半島を一周する。
原生林という程ではないが、なかなか良い森である。
中でもカツラの巨木が目を引いた。

 
カツラの巨木   和琴半島自然探勝路
カツラの巨木  

快適な遊歩道だ


展望台から見えるオヤコツ地獄散策路のイメージで歩き始めたけれど、半島の先端に向かって結構な登り坂となっている。
標高差にして50mくらいは登っただろうか。
そこからようやく下り坂となり、途中から階段を一気に下りていく。
湖岸から白い湯気が立ち昇っていた。
オヤコツ地獄と呼ばれる場所である。
カヌーで上陸すれば、そこで蒸し物を作ったりできるのだが、ここでは途中の展望台から見下ろすしかなかった。

そこから更に下って湖岸近くまで下りてきた。
確かその辺りの湖底から温泉が湧いていて、回りに岩を積み上げて露天風呂風になっているところが有るはずだ。
山田べにこさんがテレビの番組で入っているのを見た事がある。
コンクリートベンチが置かれたそれらしい場所を見つけたが、遊歩道からは外れていて、微かな踏み分け道がそこまで続いていた。
和琴半島奥の湯笹を掻き分けて近づいてみたが、湖の水位が上がっていて、岩を積み上げた浴槽は完全に水没してしまっていた。
見つけたら入ってみようと考えていたので、ちょっとがっかりである。
調べてみると、ここは和琴半島奥の湯と呼ばれているらしい。

その先の湖岸には小さな小屋が建っていた。
自然探勝路入り口の案内看板に書かれていた公衆浴場とは、この小屋の事なのかもしれない。
中に入るのが躊躇われるような外観の小屋のドアを恐る恐る開けて、中を覗いてみる。
そこが脱衣場になっていて、更にドアを開けるとそこに浴槽があった。
コンクリートの枠があるけれど、浴槽の底はそのまま湖底になっているようだ。
お湯は適温だが、人が入った様子はあまり無い。
これならば、半島付け根にある露天風呂の方がまだ入る気になる感じである。


和琴半島公衆浴場   和琴半島公衆浴場
湖畔にひっそりと建つ公衆浴場  

浴槽の底はそのまま湖底だ


そうして半島一周を終えたけれど、そんな温泉の様子を見ていたら無性に露天風呂に入りたくなってきた。
そこで急遽、直ぐ近くの三香温泉に行くことにする。
三香温泉のクリンソウここは露天風呂がメインの野趣に富んだ温泉宿だが、男女別に別れ回りを囲まれた露天風呂なので、かみさんも安心して入れるのだ。
露天風呂の横では、ここでもクリンソウが花を咲かせていた。

利別川の川下りが明日に延期になっていたので、川下りの下見をしながら今日のキャンプ地にである陸別のかぶとの里キャンプ場へ向かう以外、特に予定は無し。
白滝アウトライダーの村林さんから、土曜日にチミケップ湖でウッド・キャンバスカヌーの進水式をやるとの情報がフェイスブックにコメントされていたので、その様子も見に行ってみたい。
今回の旅では、突然釧路川の川下りの誘いが舞い込んだり、チミケップ湖に立ち寄った後にこんな話しが出てきたりで、何だか面白い展開になっていた。


三香温泉の露天風呂
野趣溢れる三香温泉の露天風呂

温泉から出た後は、陸別へと向かう途中、昨日一緒に釧路川を下った亜香里さんの店に立ち寄ることにして、阿寒へと向かう。
天気予報どおり、途中から雨が落ちてきて、雄阿寒岳や雌阿寒岳の姿も雲の中に隠れてしまっていた。

クマゲラ国道241号の足寄峠を越えて足寄側に下ってくると、間もなくして真っ赤な屋根のログハウスが現れる。
それが、亜香里さんとご両親がやっているドライブイン・民宿のクマゲラである。

店の前には、真っ赤なカナディアンカヌーを屋根に乗せたままの亜香里さんの愛車が停まっていた。
昨日の釧路川の打ち上げで帰りが遅くなり、カヌーを下ろす暇も無かったのだろう。

ログハウスの真っ赤な屋根と見事にマッチしていて、そのままの状態で店の看板モニュメントにしたいくらいだった。

店の前で記念撮影この店に最後に入ったのは何時だったのかと調べてみると、13年前にオンネトーキャンプからの帰りに立ち寄って以来だった。
その時と同じテーブルに座る。
窓からは雌阿寒岳と阿寒富士の姿が美しく見えたはずなのに、今日は残念ながら雲の中である。

亜香里さんお勧めの、店の周辺で採れたばかりの山菜がたっぷりと入った山菜そばを食べる。
旅の疲れが出てきたのか、ここに来るまでは何となく調子が悪かったのに、美味しい山菜そばを食べて急に元気が出てきた。
山ワサビ収穫体験、ヤギへの餌やり体験のおまけまで付けてもらって、店を後にする。

明日の利別川川下りに備えて、上陸可能地点等の下見をしながら陸別へと向かっていると、雨が本格的に降り始めた。
陸別神社その雨で、チミケップ湖まで向かう気力も無くなり、町内の神社にお参りするなど時間つぶしをしてから、かぶとの里キャンプ場に向かう。
今回の旅の3泊目も、当然バンガロー泊である。

キャンプ場に着いても誰もいないので、管理人さんに電話して予約してあった事を告げると、「キャンプ場はまだオープンしていないので、近くにあるログハウスを使ってください」と言われる。

「えっ?何それ?」と思いながら、電話で言われたログハウスを探すと、それは民家の庭先に建てられた6畳ほどのログハウスだった。
中にはテレビも置かれていて、多分この家に住んでいる人がセカンドハウス代わりに使っているのだろう。

キャンプ場のバンガローよりは立派だけれど、他人の家の庭先では全然落ち着けない。
断りの電話を入れて、足寄のキャンプ場に向かう事にした。
「オープンしていないのならば、宿泊など受け付けるな」と腹が立ってくる。
多分、このキャンプ場には2度と訪れる事はないだろう。

足寄の里見が丘キャンプ場にも安いバンガローがあり、空きがある事は事前に確認しておいた。
最初からこちらに泊まることにしていれば、行動パターンも変わっていたはずである。
足寄までやってくると、雨は上がっていた。
上がったと言うより、道路には水溜りも無く完全に乾いていたので、この辺りでは雨は降っていなかったみたいだ。

里見が丘キャンプ場のクリンソウこのキャンプ場に来るのは初めてである。
受付では、とても優しい管理人さんが対応してくれ、それだけでキャンプ場のイメージが良くなってしまう。
キャンプ場の良し悪しは管理人さんの対応次第。
最近は特にそんな思いが強くなってきた気がする。

管理等の前の花壇では、ここでもクリンソウが花を咲かせていた。
今回の旅の大きな目的として、クリンソウの群落を見る事も含まれていたが、何だか行く先々でクリンソウの花を見ることになった。
今回は、殆ど行き当たりばったりの旅だったような気がする、知らないところでこのクリンソウの花が縁を繋いでいてくれたのかもしれない。

サイトにはテントが4張りも天気も悪くて、利用者は誰もいないだろうと予想していたが、結構テントが張られていて驚いてしまう。
しかも、ここには立派なバーベキューハウスが数棟あって、今日は団体さんの利用があるみたいだ。

一方、バンガローの利用者は私達だけ。
最近は、テントサイトに誰もいなくてもバンガローだけは満室、といった状況を何時も見ていたので、今回もバンガローは満室なんじゃないだろうかと心配していたくらいなのだ。

そのバンガローがとても小さいのは予想外だった。
ガイドブックでは6人用バンガローとなっていたが、どう見てもその大きさは2人用である。
屋根裏部屋があるので、それを含めても寝られるのはせいぜい4人。
テントの収容人員と同じく、マミー型寝袋を互い違いに並べた場合の面積を元に、6人用とうたっているのだろう。
まあ、私達二人で利用するのだから、その大きさに不満は無い。


里見が丘キャンプ場バンガロー   里見が丘キャンプ場バンガロー
これで6人用バンガロー   バンガローは森の中に建っている

バンガローは林間に建っていて、そこには枯れ枝が沢山落ちていた。
おまけに、コンクリートの枠の付いた炉のような施設まである。
これはどう見ても、焚き火をして下さいと言われている様なものである。

落ちている枝は少し湿り気味だけれど、こんなことを想定して、和琴のキャンプ場で焚き火をした時に、家から持参した薪を全部燃やさずに、4本だけ残しておいたのである。
焚き火この乾いた薪さえあれば、それが核となって燃える時に湿った枝を乾かし、そして更に炎が大きくなれば、枝が少々湿っていても関係なく燃えるようになる。

早速、焚き火を始める。
まさか今日の天気で焚き火ができるとは、思ってもいなかった。
我が家のキャンプに焚き火は欠かせない。
おかげで、キャンプ旅最後の夜が、とても良い夜となった。
夕食も焚き火にあたりながら済ませる。

バーベキュー小屋が次第に賑やかになってきたが、バンガローからは離れているのでそれほど気にならない。
地元の会社のグループらしい。
テントサイトはその直ぐ近くなので、もしもそこにテントを張っていたら、とんだ災難に遭っていたところだ。
それでも、午後9時を過ぎると撤収を始め、綺麗に片付けて帰っていった様子なので、変なキャンパーよりは良かったのかもしれない。


焚き火を楽しみながら夕食   焚き火
焚き火の横で食事   次第に辺りが暗くなる

焚き火
焚き火ができればそれだけで幸せ

小さなバンガローの上下に分かれて就寝。
私は小さな屋根裏部屋の方を選択した。 テントの中で寝るのと同じ感覚である。

バンガローの屋根裏部屋最終日は川下りのため、kenjiさん達と朝7時に足寄の道の駅で待ち合わせしていた。
テント泊でこの時間ならば大変だけれど、バンガロー泊だと何時ものキャンプと同じくらいにゆったりできる。
でも、前日もこの日の朝も里見が丘公園内の遊歩道を歩く時間を取れなかったのがちょっと残念だった。

片づけを済ませて6時半にはキャンプ場を後にした。
なかなか良いキャンプ場なので、機会があればもっとゆっくりと過ごしてみたいところだ。

この後は、今回の旅の一番の目的だった利別川の川下りを楽しんで、札幌へと帰ることになる。
朝は曇っていたものの、日中からは青空も広がり、比較的天気にも恵まれ充実した旅となったのである。


テントサイト   バンガローサイト
この付近ならばテントを張ってみたい   林間のバンガローも良い雰囲気だ


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