北海道キャンプ場見聞録
啓蟄だけど雪中キャンプ
糠平湖(3月6日〜7日)
2月中頃、今年の雪中キャンプは何処へ行こうかと考えていた時、まるで天命を授かるように突然頭の中に浮かんできたのが糠平湖のタウシュベツ橋梁だった。 週間予報では金曜、土曜日だけが晴れマーク。最高のキャンプを楽しめる条件は全て整った。 しかし、他でも事態は変わってきていた。 追い討ちをかけるように、天気予報も悪いほうへ変わりつつあった。 楽しいはずのキャンプを翌日に控えた木曜の夜になっても、気持ちは沈んだまま。 鹿追チーズ工房で、ワインのつまみ用にチーズを物色。 昼食は、あらかじめ調べておいた「カントリーホーム風景」に入る。 |
カントリーホーム風景で昼食 | 東ヌプカウシヌプリには雲がかかったまま |
上士幌の街の中に入ると、1月の札幌市内のように道路の両脇には大きな雪山ができていた。 しかし、糠平温泉街までやってくると、その雲が嘘のように消えてなくなったのである。 そうして、林道入り口に到着。 午後1時ちょうどに、タウシュベツ橋梁を目指して歩き始めた。 林道のカーブを曲がっていくと、その先には小さな角を生やした雄鹿の後姿があった。 今年の道東は記録的な大雪になっていて、この中で生きていくのはエゾシカにとっても大変なことに違いない。 |
若いオスジカ | 左が人間、右が鹿のトレース |
私達が跡を追っているトレースは、多分前日に付けられたものだろう。 それにしても、この深い雪の中を一人でラッセルしながらタウシュベツ橋梁を見に行ったなんて大したものである。 林道を2.5キロほど歩いたところで、信じられない光景を目にすることとなった こうなったら、その人の意思も引き継いで、何としてもタウシュベツ橋梁まで辿り着かなければならない。 見かねたかみさんが、ラッセルを変わってくれた。 真っ直ぐに続く林道の遥か先に、トンネルの出口のように明るく見える所があった。 晴れてはいるけれど、西の空には相変わらず雲がかかっていて、太陽はもう少しでその雲の中に飲み込まれてしまいそうだ。 |
青空に映えるタウシュベツ橋梁 |
お互いに疲れていたけれど、直ぐにテントを張らなければならない。 テントを張った後は、太陽がまだ出ているので、今度は湖面まで下りていって写真を撮る。 |
近くで見ると風化が進んでいるタウシュベツ橋梁 |
きのこ氷は雪に埋もれてしまった | 湖の上を歩くのも大変だ |
雪の斜面をヒーヒー言いながら登って、テントまで戻ってきた。 ここでようやくビールを飲む余裕が出てきた。 タウシュベツ橋梁の影が、真っ白な雪原に長く伸びてきていた。 そんな特権を思う存分楽しみたいところだが、西の山にかかった雲が少し邪魔をしていた。 それでも、それなりに美しい夕焼けとなる。 日が沈んだ後、次のお楽しみは月の出である 写真撮影は諦めて、夕食にする。 |
夕暮れのタウシュベツ橋梁 |
夜中に目を覚ますとテントの中が結構明るかった。 服を着込んでテントの外へ出てみると、月は既に西の空低くまでその場所を変えていた。 そもそも、この日の満月は今年の中で一番小さな満月なのである。 そうこうしているうちに、辺りは次第に明るくなってきていた。 |
朧月とタウシュベツ橋梁 | 朝方、テントにはうっすらと雪が積もっていた |
コーヒーを飲んで朝食を食べている間に、辺りは霧に覆われてきた。 ここでキャンプをしていると、刻々と表情を変えていくタウシュベツ橋梁の姿を楽しむことができる。 思い残すことも無く、テントを撤収。 途中で若い男女とすれ違った。 帰りは1時間40分で歩くことができたが、疲れの度合いに大きな違いは無い。 近くの野趣あふれる幌加温泉で汗を流し、久しぶりに三国峠を越え、上川町で美味しいラーメンを食べて札幌まで戻る。 |
これでタウシュベツ橋梁も見納め |
カーブミラーで記念撮影 | ヨレヨレになりながら車まで帰ってきた |
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