北海道キャンプ場見聞録
夏は河原で歴舟キャンプ
歴舟川の川原(8月14日〜15日)
せっかくのお盆休み、比較的空いていそうな道北方面でキャンプすることも考えてみた。 その快適なキャンプが歴舟川での河原キャンプである。 前日はカヌークラブのメンバーと鵡川を下り、そのまま十勝の実家に泊ったので、時間に余裕を持って歴舟川へ向かうことができる。 秋を思わせる澄んだ青空には、十勝の風景が良く似合う。 午前9時前にカムイコタンキャンプ場に到着して、カヌーとキャンプ道具を降ろす。 つい先日、北海道の近くまでやってきた台風11号の大雨で、歴舟川は大増水していた。 藪の中の道を抜けて河原へ降りようとしたところ、その部分に泥が分厚く積っていた。 我が家の川原キャンプの時は、何時も事前に河口に車を回すようにしている。 青空の下で見る「他人の木」は、美瑛の丘で有名になっている様々な木にも劣らないくらいに、素晴らしい風景を作っていた。 |
歴舟川河口近くの他人の木 |
「いや〜、ここまで来るのは今年2回目だよ。前回は何処で待っているか分からずに、凄い藪の中を走らされて大変だった。」 そうして午前10時半、キャンプ場前の川原から歴舟川に漕ぎ出した。 キャンプ場前の河原はかなり水没していて、それで水の多さが分かる。 最初の土壁ではそこらじゅうから湧水が噴き出し、滝のようになって土壁を濡らしていた。 三つ目の土壁を過ぎたところの川原で昼食にする。 |
瀬の波は高い | この上がキャンプ適地だった |
その後も波の高い瀬がいくつも現れる。 私がカヌークラブに入ったのは、ホワイトウォーターを下ることが目的ではなく、今回の様に単独の時でも安全に川を下るためのスキルを身につけることが一番の目的だった。 それにしても、台風の爪跡がそこらじゅうに残っていた。 一か月前にショウドウツバメの巣穴があった土手も、一部が削り取られて巣穴もなくなっていた。 今回のキャンプ地は、事前にある程度目星を付けてあった。 今回こそはその川原にテントを張るぞと心に決めていたのに、知らない間にその場所を通り過ぎてしまった。 しかし、三日前の大増水によって川の様子ががらりと変わってしまい、一か月前の記憶など何の役にも立たなくなっていた。 一か月前と同じく、再びキャンプ難民になってしまいそうだった。 その奥に流れていた川の対岸に良い川原が見えていた。 そして、苦労は報われた。 葉もまだ付いたままで、3日前に流れてきたばかりの流木なのだろう。 焚き火用の流木も直ぐに集まった。 午後からは雲が広がってくるだろうと覚悟していたが、逆に青空の方が広がってきた。 残念なのが、前回に続いて近くに魚の釣れそうなポイントが無かったことである。 |
予想外の青空が広がった |
大焚き火はインディアン式? | かみさん専用の小焚き火 |
太陽はちょうど、川の上流に見えている日高山脈へと沈んでいく。 夕食を済ませた後は、焚き火の炎と夕日のコラボレーションを楽しむ。 次第に薄い雲が広がってきて、さすがに星空までは楽しめそうにない。 その星空の中を長く尾を引く流れ星が横切った。 夜露のために、河原の石も濡れてきていた。 焚き火から離れると、だだっ広い川原の中で、その炎だけが暗闇の中に小さく揺れていた。 遠くに花火の音が聞こえる。 |
最高に贅沢な時間を過ごす |
夕日に照らされながらの夕食 | 焚き火燃やし放題 |
かみさんの「朝日が昇ってきたわよ」との声で起こされる。 天気予報では今日も曇り時々晴れで、午前中を中心に晴れ間が広がるらしい。 実は、天気さえ良ければ川原で2泊する計画もあり、食糧やビールなどはもう1泊分持ってきていた。 川の水位は少しだけ下がっていたが、濁りはそれ程取れていない。 荷物を片付け終える頃、大量に集めた流木もほぼ燃え尽きていた。 一カ月前にキャンプをした河原に上陸してみる。 落差があって大きな波の立つ瀬のチキンルートを恐々と下っていくと、その先で猛烈な勢いで水が逆流していた。 |
根元を洗われ薄くなった河畔林 | あちらこちらに流木が転がっている |
途中からポツリポツリと降り始めた雨も、本格的な雨にならないうちにゴールできそうだ。 今回は河原まで車を入れられないので、車の近くの中州にカヌーを置いて、後は行けるところまで歩くことにした。 海が荒れると、今度は太平洋の大波が歴舟川が流し出した土砂を海岸に押し戻し、そこに大きな砂丘を築くことになる。 こうして我が家の短い夏休みは終わりを告げた。 |
旅の最後に最近流行の魔女ジャンプ! |
歴舟川水位 |
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