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誰もいない洞爺湖キャンプ

グリーンステイ洞爺湖(5月17日〜18日)

日曜日の洞爺湖マラソン参加のために、前日の宿泊地に選んだのがグリーンステイ洞爺湖だった。
仲洞爺キャンプ場の選択肢もあったけれど、マラソン会場に近い駐車場に車を停めるためには朝早くに会場入りする必要がある。そこで、撤収の楽なオートキャンプ場に泊ることにしたのだ。

週末の天気予報はパッとせず、土曜日の札幌は朝から雨が降り続いていた。
洞爺湖方面は雨の心配はなさそうだけれど、風が強いとの予報である。
洞爺湖入りする前に室蘭観光をすることにした。
黒いスープが特徴のしょう油ラーメン室蘭は私にとってあまり馴染みのない街で、こんな機会を利用しなければ、訪れる機会も少ないのである。
高速道路を室蘭インターで降りて、白鳥大橋を渡って、目星を付けておいたなかよしラーメン入江店に直行する。
室蘭と言えばカレーラーメンらしいが、カレー味のラーメンに魅力は感じないので、普通のラーメンを食べることにしたのだ。
食べログの点数は高かったけれど、私とかみさんの食後の感想は「普通だね」だった。

その後、道の駅みたら室蘭へと向かう。
この道の駅は白鳥大橋の完成と同時にオープンし、白鳥大橋に関する展示コーナーも作られている。
初めて渡った白鳥大橋の迫力に感動したばかりなので、そこも覗いてみたが、如何にもおざなりに作った様な展示物ばかり。
白鳥大橋白鳥大橋が出来たばかりの頃は、ここもそれなり賑わっていたのだろうが、現在は、故障した展示もあったりし、てうら寂しささえ感じるような施設に変わり果てていた。

併設されたレストランは閑古鳥が鳴き、売店で売られている品物も変わり映えしないものばかり。
でも、その中でボルタ人形だけは別だった。
鉄のまち室蘭らしい、ボルトやナットを半田付けして作られた人形。
それを一目見たときから、その可愛らしさが気に入って、室蘭に行く機会があれば是非購入しようと思っていたのだ。
かみさんは、鉄の冷たさが好きじゃないと言って興味を示さないが、私はボルタ人形のコーナーにくぎ付けになって、楽器シリーズの中からベースとトランペットの2体を購入した。

 
絵鞆臨海公園の幸福の鐘  
道の駅隣にあった幸福の鐘を鳴らす   観光パンフの写真を背景にボルタ君

日本製鋼所室蘭と言ってもう一つ私のトレンドなのが工場夜景。
白鳥大橋を渡る前の右側に見えている室蘭製油所の巨大煙突にワクワクして、祝津公園展望台から見える日本製鋼所の風景にカメラを向ける。

そんな私なので、もちろん工場夜景も憧れの一つである。
これにもかみさんはあまり興味がないようで、室蘭自体にあまり良いイメージはないようだ。
この辺りはやっぱり、男子と女子との好みの違いなのだろう。

最後に測量山に登って室蘭市内を一望する。
山の名前からして測量山というくらいだから、室蘭は徹底して土木系の街なのである。
標高は200m足らずなのに、眺めはなかなか良い。
それにしても、札幌を出てから風はずーっと強いままで、海に突き出た室蘭では体が吹き飛ばされそうになるくらいの強風が吹き荒れている。

室蘭の観光地として他の代表的なものに地球岬があるが、そこだけは過去に一度訪れたことがある。
今日の室蘭観光はこれくらいにして、そろそろ洞爺湖へ向かうことにした。


白鳥大橋と精油所の煙突
白鳥大橋と精油所の集合煙突

祝津公園展望台で   測量山からの展望
祝津公園展望台からの眺め   測量山から地球岬方向の眺め

洞爺湖は大荒れそれにしても、こんなに風が強いとキャンプ場でテントを張ることさえ困難である。
心配しながら到着した洞爺湖の湖面には、ここが湖だとは俄かには信じられないくらいの大波が立っていた。
北西の風なので、もしも仲洞爺に泊ることにしていたら、すごすごと撤退することになっていたかもしれない。

グリーンステイ洞爺湖は、洞爺湖の外輪山に風が遮られるためか、心配していたほどの風は吹いていなかった。
しかし、場内には他のキャンパーの姿は無し。
天気が悪いとは言え、これはちょっと拍子抜けだった。
明日の洞爺湖マラソンの受付をしてきた洞爺湖文化センターの駐車場では、禁止されている緑地帯部分にテントが沢山張られていたのだ。
それならば、そこから車で5分ほどのオートキャンプ場にも、沢山のランナーがテントを張っているだろうと思っていたのである。
キャンプ場に予約の電話を入れる時、「満員だって言われたらどうしよう」なんて心配していたことが馬鹿らしく思えた。

ボルタ君と我が家のテントここに泊るのは14年ぶりで、前回は何処にテントを張ったのかも全然覚えていない。
受付で、Jの番号が振られたサイトの何処にテントを張っても良いと言われる。
他にキャンパーがいないのだから、施設に近いところにすれば便利なのに、わざわざ奥の方にテントを張ってしまうのが我が家の何時ものパターンである。

風が吹いていても、テントを張るのにそれ程支障はなかった。
それでも、風を避けてテントの前室部分にこもっていなければ、寒くてしょうがない。
気温は10度にも満たないだろう。
日射しがあればまだ救われるのだが、太陽は鉛色の雲に隠されたままだ。

新緑と桜が綺麗な場内これでは何の取り柄もないキャンプになってしまうところだが、新緑に包まれ始めている場内の風景が心を和ませてくれていた。
桜もまだ花を残している。

4千円も支払って泊る価値があるかという問題は抜きにして、私はこのキャンプ場が結構好きである。
サイトから洞爺湖の湖面が見えない。
湖畔を一周する道路がキャンプ場に隣接している。
背後の山の上にはザ・ウィンザーホテル洞爺リゾートが鎮座していて、そこから見下ろされているようで気分が悪い。

そんな欠点があっても、傾斜地に作られたサイトは平面的に造成されたキャンプ場よりも変化があり、場内に残された自然木や造成時に植栽された木々も大きく育って、落ち着いた雰囲気を演出している。
洞爺湖の他のキャンプ場と比較すれば見劣りするのは否めないが、一般的なオートキャンプ場の中では我が家の好みに合っている方である。

シラカバが多いのが辛い場内にはシラカバも多い。
シラカバ花粉症に悩まされている私達夫婦には、あまり嬉しくな状況だ。
ただ、この付近のシラカバも含めて、既に花粉は飛ばし終えているはずである。
それなのに、二人の花粉症の症状は今がピークで、持ってきていたティッシュをあっという間に使い果たしてしまった。
車用に積んであるティッシュがあったので助かったが、もしもそれが無ければ鼻水垂れ流しのキャンプになるところだった。

気温が低くて鼻水を垂らしていても、キャンプで飲むビールはやっぱり美味い。
何時ものキャンプならば、夕食を済ませた後は焚き火にあたりながらワインを飲み、ワイン1本を空けて焚き火がほぼ燃え尽きたところで就寝というパターンとなる。
ところが今回は、焚き火の用意もしていなくて、明日のマラソンに備えてワインも飲まない。
まあ、焚き火をしようとしても、今日の風では落ち着いて楽しんでもいられない。
と言うことで、夜8時にはシュラフにもぐりこんだ。


キャンプ場のボルタ君   山の上のホテル
ボルタ君も一緒にキャンプ   山の上のホテルが目障り

翌朝も、テントの中が明るくなる頃には既に起きだして、まずはシュラフやマットをたたむ。
テントが結露していないのが嬉しかった。
今日は乾かす余裕もないので、もしも結露していたら、雑巾で水滴を拭いただけで撤収しなければならないのだ。
風も弱まり、青空も覗いてきていた。
マラソンを走るのにはまずまずのコンディションだろう。

我が家のサイトマラソンに備えて朝食もしっかりと食べなければならない。
そして、お腹の中のものもすっきりと出しておかねばならない。
そうしてマラソン会場の近くに車を停めたいので、なるべく早くキャンプ場を出発したい。
早起きはしたけれど、とても忙しい朝になってしまった。

これならば、当日朝早くに自宅を出てきた方が良かったかもしれない。
それでも前泊したおかげで、相変わらず鼻水は止まらないものの体調的にはベストコンディションとなり、朝6時には本日のフルマラソンチャレンジに向けてキャンプ場を後にしたのである。



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