北海道キャンプ場見聞録
締めのキャンプはやっぱり大沼
東大沼野営場(10月27日〜29日)
雨雲の間をすり抜けながらやってきた東大沼野営場は予想外の良い天気だった。 東大沼のキャンプ場で何時も困らされるのは、日中は決まって湖からの風がもろに吹き付けてくることである。 テントを張り終えたらまずはビールで乾杯するところなのに、かみさんが直ぐに薪集めを始めた。 思う存分に焚き火を楽しむためには、その量では少な過ぎることは分かっているので、私も付き合うことにした。 夕食のメニューはダッチオープンで作るポトフ。 夕食を済ませたら、後はワインを飲みながらの焚き火タイム。 |
湖面に金星の光の筋が延びる | 遠くに夜汽車の音が聞こえる大沼の夜 |
翌朝は、イリジウム衛星の写真を撮ろうと思って、まだ暗いうちから起き出す。 次第に空が白んでくる 湖の奥では霧が発生しているようだ。 静かな大沼の湖面を水鳥が静かに動いていく。 |
湖の奥から湧き上がった朝霧が次第にこちらに流れてくる |
朝食を終え、一休みしたところで、大沼一周のランニングへと出かける。 我が家が大沼を訪れるのは何時も秋。 しかし、心配だったのが数日前に痛めた腰である。 サイトの前をスタートして、大沼の周りを時計回りで走ることにした。 車で走っていると見逃してしまうけれど、大沼の南側には所々に駒ケ岳を眺められるビュースポットがある。 それでも、落ち葉を踏みしめながら紅葉の風景の中を走るのは、最高に気持ちが良い。 そうして、ちょうど1時間半でキャンプ場まで戻ってきた。 |
紅葉の中を走る | 最高のランニングコースだ |
その後は流山温泉で汗を流し、昼食は大沼公園駅近くのカフェ・ミーチョに入る。 店内のガラスで囲われたスペースの中で、ここの飼い猫が優雅にお昼寝をしていた。 ランニングで走ったのと同じコースを今度は車で走り、所々で紅葉の写真を撮る。 |
大岩園地の紅葉 |
午後2時過ぎにはサイトに戻ってきて、今日はもう、焚き火をしながらビールを飲んでまったりと過ごすだけである。 今年から我が家のキャンプグッズに新しく仲間入りしたケトルも、ダッチオーブンの隣に一緒にぶら下げる。 青空が広がり、風も弱く、10月最後の週末とは思えない様な暖かさだ。 ダッチオーブンで作る焼き芋は、下火だけでは出来上がるまでにかなり時間がかかってしまう。 夕陽が場内を真っ赤に染め上げる。 「今夜あたり国際宇宙ステーションが見られないかな」と思ってスマホのアプリで確認すると、ちょうど1時間後くらいに現れることになっていた。 夕食を済ませ、湖面にその姿を映す金星と宇宙ステーションが姿を現すべき場所が両方収まる様にカメラの向きを調整して、その瞬間を待つ。 「うわっ!大変だ!これでは金星と宇宙ステーションが一緒に写らない!」 そんなイベントもあり、焚き火にあたりながら道南キャンプ最後の夜はまったりと過ぎて行ったのである。 |
予想していたより高いところに宇宙ステーションが現れたが、何とか一つの画面に収まってくれた |
翌朝は曇り空。 こんな時は少しでも早くテントを片付けたいのだが、結露が酷くて、雑巾で拭いてはみたものの完全に乾くまでは暫く時間がかかりそうだ。 昨日の夕方から風はピタリと止んだままで、目の前に広がる大沼の湖面にはさざ波一つ立っていない。 朝食を済ませる頃になっても雨が降ってくるような気配は無く、逆に太陽の光が雲間からこぼれてきた。 |
静かな湖面を水鳥が横切る | 太陽の日射しがテントを乾かしてくれる |
この日の予定は、道南温泉巡りのラストとして奥美利河温泉に入るだけである。 奥美利河温泉山の家までは、ピリカベツ川の上流に向かって曲がりくねった細い道を進んでいく。 山深いところにポツンと建っているひなびた温泉宿をイメージしていたけれど、やっと到着したそこは、周囲は公園のように整備され、山の家の建物も立派なログハウス風の建物でちょっと驚かされた。 内湯の浴槽は小さく、直ぐに露天風呂へ出てみる。目の前には素晴らしい山の風景が広がっていた。 内湯の板の隙間でコオロギがずーっと鳴き続けていたのは良い風情だった。 温泉から出た後は、山の家で昼を食べる。 山の上に東屋らしきものが見えたので、帰る前にそこまで登ってみた。 |
小さな内湯 | 展望台の東屋から温泉を見下ろす |
温泉からの帰り道、川底の薄緑色が気になり、車で入れる場所を見つけて川原に下りてみた。 その後はピリカ旧石器文化館に寄り道。 紅葉を楽しみ、山登りを楽しみ、温泉も楽しみ、そして北海道の歴史や地質まで楽しみ、何時も以上に充実した道南3泊4日の旅となったのである。 |
旧石器時代の展示物に見入る | この付近は古い農具が並んでいる |
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