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戦いに備えて別海キャンプ

別海ふれあいキャンプ場(10月5日〜7日)

日曜日の別海パイロットマラソンに出場するため、月・火と休みを取っての3泊4日の道東遠征。
1泊目はマラソン会場に隣接する別海町ふれあい公園キャンプ場に宿泊、マラソンを走り終えてから尾岱沼青少年旅行村に移動して北海シマエビを食し、3泊目はオンネトーで紅葉を楽しむ。
ざっとそんな計画を立てて、午前7時前に札幌を出発。道東道の足寄ICまで高速道路をひた走り、弟子屈で昼食。
事前に調べておいた店の名前を忘れてしまい、しょうがなく弟子屈ラーメン総本店でラーメンを食べる。
ラーメン屋でラーメンライスを注文したことは一度も無い私だけれど、マラソンを翌日に控えてのカーボローディングを兼ねて、一緒にライスも食べた。

鮭が泳ぐ西別川まだ時間も早かったので、西別川上流のさけます事業所へと寄り道する。
特に目的は無かったのだが、数日前の北海道新聞で「台風の増水により別海町の捕獲場で捕えられなかったサケが上流部で自然産卵」との記事が出ていたのを思い出して、何となく来てみたのだ。
事業所手前の橋の上から川を見下ろすと、バイカモがゆらゆらと揺れる清流の中で、傷だらけになったサケが泳いでいる姿を沢山確認できた。

西別川は、明日のマラソンコースにもなる国道243号に沿うように流れ、別海町の市街地を抜けて根室海峡へと注いでいる。
私も明日はこのサケを見習って、国道243号を元気良く走りたいものである。

西春別の鉄道記念館別海へ向かう途中の西春別では、鉄道記念館に立ち寄る。
奥行臼駅逓の様な古い建物を期待していたのに、記念館自体は旧西春別駅跡地に建てられたモダンな建物だったので、ちょっと興醒めである。
私としては、当時の駅前一等地だったはずの何もない空き地の方に、賑わっていた昔の風景を重ね合わせてしまうのだった。

午後2時前に、キャンプ場に到着。
ここに今日泊まる人は、ほぼ全員が明日のマラソンに参加する人達なのだろう。
受付のおじさんが「札幌から出てくると今頃の到着になるんだね〜。北見や釧路から来る人はもっと早く着いているよ」と笑っていた。
ここに泊まるのが初めてだと言うと、色々と親切に教えてくれる。
テントの数はまだ少ないけれど、これからどんどんと増えてくるみたいだ。
おじさんがお勧めしてくれた、一番奥の方サイトにテントを張る。

我が家のサイト別海町の市街地に隣接する運動公園の中にこのキャンプ場がある。
直ぐ隣を道路が通り、市街地にも近い割には、結構落ち着けるところである。
市街地と言っても、一歩外に出れば茫洋たる根釧原野が広がり、道路が隣接と言っても、通行車両の数はたかが知れているのだ。

間もなくして、kenjiさん、姫さんが到着。
今朝、私達が出発の準備をしている頃に、フェイスブックに「釧路川を下っています」との書き込みをしていたkenjiさんである。
昨日は仕事が終わってから自宅を出て、ここへ来るまで一睡もしていないとのことだった。
それで姫さんは明日のフルマラソンを走るのだから、とんでもなく元気な夫婦である。

ここのキャンプ場には郊楽苑という温泉が隣接している。キャンプ場から坂道を登っていくと直ぐそこが温泉だった。
モール泉のなかなか良いお湯で、こんな温泉が直ぐ近くにあるのだから、恵まれたキャンプ場である。

キャンプ場の夕暮れテントに戻り、湯上りのビールを飲む。
上空を覆っていた雲も、西の方から晴れ間がのぞき、夕陽がその空を赤く染める。
明日は晴れそうだけれど、フルマラソンを走るのには今日のような曇り空の方が有り難い。

隣の体育館で行われている開会式を見に行く。
姫さんから、ミルクガールの歌と踊りが見られると聞いて「あか抜けしない田舎のアイドルだろうな〜」って想像していたが、これがなかなか本格的なアイドルっぽくてびっくりした。

ミルクガールキッズというのも有って、こちらは子供たちのダンスユニット。
ミルクガールの方はステージ上で歌っているのに、ミルクガールキッズは背が小さいのにステージの下で踊っているので、後ろからは良く見えない。
何だか、将来のミルクガール入りを目指して、奈落で一生懸命頑張っている研修生って感じだ。
ミルクガール地元アイドルのミルクガールにその予備軍。まるでNHK朝ドラのあまちゃんの世界である。
そんな様子を、無料で配られる別海産の牛乳とアイスクリームを味わいながら、楽しく見させてもらった。

この日の夕食はカーボローディングメニューで、炊き込みご飯とだまこ鍋。
炭水化物を沢山とろうとしたけれど、普段から小食なのに急にそんなに沢山食べられるわけは無い。
結局は普段の夕食と大して変りなかった気がする。

食後はkenjiさんの大型テントの中で暖まらせてもらって、姫さんからフルマラソン完走のための秘訣を授かる。
そして、明日に備えて9時には就寝。

戦いの朝、場内は霧に包まれていた。
郊楽苑のある丘の上に登って朝日が昇るのを眺める。
朝霧に霞む別海の街並みが朝日で赤く染まり、何とも幻想的な風景が広がっていた。

 
朝霧が赤く染まる別海の朝
別海の街は朝霧に霞み幻想的な風景が広がる

霧の朝   日の出
霧に包まれたキャンプ場の朝   オブジェの中から朝日が昇る

カラスが隣のキャンパーの荷物を一生懸命突いているのを眺めながら朝食をとる。
街に近くてカラスも沢山いそうなキャンプ場で、荷物を片付けもせず寝てしまうのでは自業自得だろう。
食べ物類は無かったようだけれど、カラスの場合はそんなことはお構いなく、手当たり次第にそこらの物を引っ張り出すのである。

キャンプ場の様子マラソンに備えてストレッチをする人や、場内を一周している通路を走る人など、普通のキャンプ場の朝とは違った風景が展開されている。
私達は余計な体力は使いたくなかったけれど、少しくらいは体を動かそうと、キャンプ場の隣のふれあいの森を散策する。
それも、あまり歩き過ぎると疲れそうなので、途中から引き返すような始末だ。
何せ、これから42キロも走らなければならないので、少しでも体力を温存して、最初の10キロをウォーミングアップ代わりに走れば良いのである。

スタートまで1時間を切ったところで、悠々とキャンプ場を後にする。

(別海パイロットマラソンの様子はこちら

戦い終えてキャンプ場へそうして、人生で初めて走る42195mの距離を体中で嫌という程に味わい、キャンプ場に戻って来た時は既に午後3時半を過ぎていた。
この日は、マラソンで疲れるだろうからと、尾岱沼キャンプ場のバンガローに泊まるつもりでいた。
しかし、そのためにはまずテントを撤収しなければならない。
そんな体力が残っている訳もなく、あっさりと計画を変更して、ここにもう1泊泊まることにする。
そもそも、最初の計画を考えた時は、フルマラソンを4時間程度で走り終える前提でいたのである。
それが、5時間以上もかかってゴールするのだから、最初から無理な計画だったのだ。

この後、屈斜路湖のキャンプ場に移動し、明日の朝は釧路川源流部を下ると言って、何の疲れも見せずにキャンプ場を出ていくkenjiさん姫さんを見送り、私達は隣の温泉で汗を流した。

夕焼け温泉から出てくると、素晴らしい夕焼け空が広がっていた。
今日の夕食は、疲労回復には豚肉が良いからと豚しゃぶの用意をしていたけれど、準備をするのも面倒で、コンビニ弁当を買ってきてそれで済ませる。
昨日は多くのキャンパーで賑わっていたキャンプ場も、今日は半分以上が帰ってしまった。
テントは残っているけれど、ほとんどの人は後夜祭へ行っているのだろう。
場内はひっそりと静まり返っている。

遠くから賑やかな音楽が聞こえてくるのは、多分ミルクガールが歌っているのだろう。
昨日はそのフレッシュな姿に魅了されていたおじさんも、今日はその会場まで見に行く元気もない。
午後6時半からは、大会を記念した花火大会も予定されているが、それはサイトからも見えるはずだ。

静かに焚き火テントの前の野外炉で焚き火をしながら、二人で今日のレースを振り返る。
完走賞として大判のバスタオルと山漬けのサケを一匹貰い、参加賞は別海産チーズとバターとハニーミルクとやら。
レース後は具が山盛りのサケ汁も無料で振る舞われ、これで参加費が5千円なのだから、大会運営は確実に赤字なのだろう。
札幌からは遠いけれど、これからも参加し続けたい大会である。

やがて花火大会が始まった。
真っ暗な夜空に上がる花火がとても美しい。
予定を変更したおかげで思わぬ得をした気分だ。
炉の薪がほぼ燃え尽きたところで就寝。


キャンプ場の夜   花火
キャンプ場の静かな夜   花火大会が始まった

花火しかし、この前に身体にちょっとしたトラブルが発生していた。
何故か下着に染みが付いていたのである。トイレでお尻を拭くと血も混じっていた。
たまたま姫さんと、マラソン後の血便の話をしていたものだから、内臓が傷ついて血便が漏れ出ていたのかと焦ってしまう。
しかし、どうやらそれは内部から出ているものではなく、肛門周辺から出てきているらしい。
しかも、拭いても拭いても止まる様子が無い。

自分のお尻で一体何が起こっているというのだ。
スマホを使って検索してみると、その症状に合致しそうなものは痔瘻だけだった。
花火痔瘻は手術するしか治す方法は無く、しかもかなり難しい手術らしい。
気分は完全にブルーである。

シュラフの中を汚すのが心配なので、かみさんの生理用品をもらってトイレの中で装着する。
「こ、これってどうやって付けるんだ?」
勿論、そんなものを触るのは初めてである。

おかげで夜中に変な夢を見た。
何故か舞台は街の中。
お尻の様子が心配で何処かの店のトイレに入ろうとしたが、どこも空いていない。
花火やっと見つけて入ったトイレは鍵がかからない。
外に人の気配が。
そっと様子を窺うと、何と、そこは女子寮のトイレだった。
見つかったら痴漢と間違われて警察に突き出されるのは確実。
言い訳しようと思ってもパンツの中には生理用品が。
万事休す!

朝を迎えても、相変わらずお尻の状態に変化は無し。
今日はオンネトーのキャンプ場に泊まって紅葉を楽しむつもりでいたけれど、これではキャンプどころではない。
幸いというか、今日の夜から明日にかけて雨の予報になっていたので、キャンプは諦めて十勝の実家に向かうことにした。
完走賞でもらったサケを1本は実家に分けてあげようと考えていたのでちょうど良かった。

完璧な青空が広がる朝キャンプ場の上空に広がる雲一つない青空が、何だかとても恨めしく思えてしまう。
管理人さんにお別れを言ってキャンプ場を後にした。

弟子屈の新しくできた道の駅のトイレはウォッシュレット。
そこでは堂々と身障者用のトイレを使わせてもらう。
その中にはオストメイト対応トイレまであって、もしも重症ならば自分もこのトイレの世話になるかも知れないと思うと、複雑な気分になる。
でも、ようやくお尻を洗えたことにより、気持ちもリフレッシュして、観光しながら十勝の実家へ向かうことにした。

阿寒湖の滝見橋から見る滝は良い感じで紅葉が進んでいた。
鹿避けの柵をくぐって下まで降りてみると、カツラの良い香りに包まれた。


滝見橋の滝   滝見橋の滝
滝見橋から見る紅葉   滝見橋の下まで降りてみた

温泉街で蕎麦を食べ、オンネトーへ向かう途中に白藤の滝へ寄り道。
形の良い滝なのだけれど、相変わらず川の水は茶色く濁っていて、水しぶきがかかる周りの草木も薄汚れて見えるのが残念だ。


白藤の滝   茶色く濁った水
白藤の滝は形は良いのだけれど・・・   流れ落ちる水は何故か何時も濁っている

オンネトーへの道その後はオンネトーへ。
平日にも関わらず観光客の姿が多い。
次の3連休あたりが紅葉の見頃となりそうで、その時は大変な混雑となるのだろう。
湖を一周したかったけれど、お尻が気になって途中から引き返す。

ここまで来てテントを張らずに帰ってしまうのが何とも口惜しくてしょうがない。
それでも上空に広がりつつある雲のおかげで、何とか諦めを付けて実家へと向かうことができた。

最後でそんなトラブルがあったキャンプだったけれど、原因は痔瘻ではなく脱肛だった。
脱肛も初めての経験だったが、痔瘻に比べれば深刻さは無い。
ただ、しばらくの間はお尻を気にする生活が続きそうだ。


オンネトー
オンネトーから眺める雌阿寒岳と阿寒富士

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