トップページ > キャンプ > キャンプ日記 > 2013年キャンプ日記

ランニング合宿in朱鞠内

朱鞠内湖キャンプ場(9月21日〜23日)

フルマラソン初チャレンジとなる別海マラソンを2週間後に控えて、この週末は最後の30キロの走り込みをするつもりでいた。
天気に恵まれた3連休。何処かでキャンプもしたいので、キャンプとランニングの両方を楽しめそうな場所として思い付いたのが朱鞠内湖だった。
朱鞠内湖に行くのならば、当然カヌーも積んで、できれば湖畔のサイトにテントを張りたいので、自宅を午前6時半に出発。
9時前にはキャンプ場に到着し、これで一番乗りかと思ったら、受付の方の話によると二番乗りとのこと。
湖畔のサイトを確保その受付にいたのは、知り合いのkazunokoさんだった。
遠くまでやってきて、知っている人に会えるのはとても嬉しい。

二番乗りだけれど、第3サイトの一番湖畔寄りのサイトはまだ空いていた。
先客は、第3サイトの隣に突き出た半島の先端に場所を確保したようである。
我が家が朱鞠内湖でテントを張る時、第一候補となるのはこのどちらかのサイトなのだ。
今回は2泊する予定なので、これでもう快適なキャンプは約束されたようなものである。
湖の水位も上がっていて、サイトの目の前から直ぐにカヌーを出せるのも嬉しいところだ。

紅葉の進み具合は、シラカバの葉が少しだけ黄色く色づき始めている程度で、場内に多いミズナラの葉はまだ緑のままだ。
それでも、所々で気の早いヤマブドウなどが真っ赤に染まっていた。

ヤマイグチは食べる気になれないそれよりも、場内のそこらじゅうに生えているキノコに目を奪われる。
どれもとても美味しそうに見えるけれど、持ってきたキノコ図鑑を見ても同定するのは難しい。
ハッキリと分かるのは特徴的な山イグチ程度である。
でもこれは、見た目が美味しそうとは絶対に言えない様なキノコなので、それを敢えて食べる気にはなれない。
結局、これらのキノコは見て楽しむだけで終わってしまった。

昼食はレイクハウスで蕎麦を食べようと考えていたが、残念ながらそこで食べられるのはカレーとラーメン程度。
諦めて、サイトに戻ってカップ麺を食べることにした。

その代りでもないが、そこで売られている「サクッとワカサギ」を購入。
キャンプ場の運営等を任されているNPO法人が作っているもので、ブログなどでも紹介されていて、以前から気になっていた一品である。
1箱千円と値段はちょっと高めだが、ビールのつまみに食べていると、ついつい止まらなくなってしまうくらいに美味しかった。

 
所々で紅葉も進む   金麦とサクッとワカサギ
レイクハウス前の広場では紅葉した木が目立っていた   サクッとワカサギはビールのつまみにちょうど良い

Little Treeのサイト第2サイトの方はテントがどんどん増えてきていた。
その中で、張られたロープにずらりとライフジャケットを吊るしているサイトトが目立っていた。
直ぐにそれが、南富良野でカヌーガイドなどをやっているLittle Treeのものであることが分かった。

たまたま昨日、フェイスブックで、沢山のカナディアンを車に積んだ写真と「北へ向かいます」との書き込みを見ていたので、直ぐにピンときたのだ。
そこで一人で留守番をしていた女性は、多分、空知川国体コースのほとりにあるパン屋さん「フォーチュンベーグルズ」で一か月前くらいにあったばかりの人のはずだ。
カヌーの世界は狭いのである。

湖でカヌー湖の風景を眺めながらサイトでのんびりと時間を過ごす。
そして気が向いたらカヌーで湖に漕ぎ出す。

カヌーを初めて十数年。最近ようやくJストロークができるようになってきたので、その練習をする。
かみさんもチャレンジするが、こちらは全くダメ。
「これは無理〜」と直ぐに諦めてしまうので、何時まで経っても上達しないのである。

それでも、タンデムのバウを漕がせたら、長い間これ一筋に漕いできただけあって、さすがに上手い。
私が後ろで何もしないでビールを飲んでいても、一人でサイトまで漕ぎ着けてしまう程である。

夕方が近づくと、湖の上空がピンク色に染まり始めた。
夕陽は湖とは反対側の森の中に沈むのだけど、その夕日が反対側の空まで染めているのだ。


夕焼けに染まる湖
夕焼けに染まる湖にカヌーで漕ぎ出す

月の出を楽しむ夕食はチゲ鍋と、函館で買ってきたホタテご飯の素を使った炊き込みご飯。
このホタテご飯の素が、もっと沢山買っておけば良かったと後悔するくらいに美味しかった。

やがて真正面の森の中から、満月2日過ぎの、まだまん丸い月が昇ってきた。
焚き火にあたり、ワインを飲みながら、そんな風景を楽しむ。

真昼のように明るい湖を見ていると、我慢できなくなってカヌーで漕ぎ出す。
テントに戻ってきて、かみさんに撮ってもらった写真を確認しても自分の姿が写っていない。
「どこ写してんだよ〜」と文句を言ったけれど、良く考えてみるとスローシャッターで写しているので、動き回っていたらまともに写るわけがないのである。

夜のキャンプ場の風景明日の30キロランに備えて9時には就寝。
ところが深夜1時過ぎ、辺りが騒がしくて目が覚めた。
バイクのエンジン音、テントのペグを打つ音。
「こんな時間にやってくるなんて、なんて非常識な奴らだ」と思っていると、そのうちに聞こえてきた話し声は英語。
その話声が全く止む気配がない。
「こんな奴らのために寝不足になって、今日のランに影響が出てはたまったもんじゃない。でも、なんと言って注意すれば良いんだろう?Be quiet?そんな英語あったかな〜」
そんなことを考えているうちに、いつの間にか眠ってしまった。

4時過ぎにテントから起き出す。
隣のテントで寝ていたかみさんは、私が怒って注意しに行かないかと心配して眠れなかったとのこと。
それでもお互いに、この非常識外人ライダーに眠りを妨げられた時間は1時間程度で済んだようである。

暗いうちから起き出したのには理由があった。
イリジウム衛星なるものをカメラに収めたかったのである。
スマホのアプリでイリジウム衛星が見られる時間と方角が分かるものがあり、ちょうどこの日の朝イリジウム衛星が北の空に4時22分に現れることになっていたのだ。
しかし、残念ながらその時間のその方向の空には雲がかかっていて、見られずじまい。
夜明け前の湖そのおよそ10分後、今度はISS(国際宇宙ステーション)が現れるはずだった。
スマホアプリは、このISSを見られる時間を調べるためにインストールしたもので、イリジウム衛星のことは、このアプリで初めてその存在を知ったのである。
10分の間にその辺りの雲は消えてなくなり、ISSはアプリで示された時間と方角、高度の通りに姿を現した。
しかし、既に空は明るくなりつつあり、良い写真は写せなかった。

その後、感動的に美しい日の出の風景を楽しむ。
これまでに何度も朱鞠内湖の日の出を見ているけれど、その度に全く違った美しさを見せてくれるのが朱鞠内湖である。


朱鞠内湖の日の出
毎回違った表情を見せてくれる朱鞠内湖の日の出

朝食後、凪いだ朱鞠内湖に漕ぎ出す。
満水の朱鞠内湖は、ダム湖特有の湖岸に露出した裸地が隠され、北欧の湖にカヌーを浮かべている気分を味わえる。
弁天島と中の島の間を抜け、思案島へとカヌーを向ける。
西の空高くに月が浮かんでいた。
べた凪の湖でカヌーを漕ぐ藤原島の先端を過ぎると、遠くの湖面に枯木が突き出しているのが見えた。
お馴染みの二又の木である。
1本の枯木が途中から二又に分かれているのだけれど、水位が上がっているので2本の木に見えている。
近くで見るとかなり風化が進んでいて、この枯木の姿を楽しめるのも、せいぜい後4、5年くらいだろう。

そろそろサイトに戻ろうと思って時計を見ると、既に午前7時を過ぎていた。
「あっ、今日は30キロ走るのに、7時半にはキャンプ場を出発するつもりだったんだ!」
軽く湖上散歩を楽しむつもりで漕ぎ出したのが、美しい風景に見惚れているうちに思わぬ遠くまで来てしまって、時間も既に1時間以上経っていた。
そこから我が家のテントまでは何時も以上に遠く感じられ、やっとたどり着いた時には、1日分のエネルギーを使い果たした気分だった。


朱鞠内湖二叉の木   朱鞠内湖二叉の木
二叉の木まではサイトから片道2.5キロくらい   風化がかなり進んでいる気がする

「これから30キロ走らなければならないのに、俺達って何やってんだろう」
そんなことを言いながら、ランニングのスタート地点に予定しているせいわ温泉ルオントに向かう。
そしてそこから、朱鞠内湖方向に向かって走り始める。
雨竜川を渡る政和の集落では、新しくできたそば屋のおじさんらしき人から、頑張ってと声をかけられた。
その先、日本一の広さの蕎麦畑や雨竜川を横目に見ながら、ひたすら走り続ける。

川沿いに上流に向かうと言うことは、次第に標高が上がっていくと言うことでもある。
この付近は比較的平坦な地形が広がっている様なイメージがあって、30キロランの場所に選んだのだけれど、実際に走ってみるとアップダウンも多くて、なかなかきついコースである。

15キロの折り返しは、添牛内の集落を過ぎたまだその先。そこまでは、まだ何とか余裕もあった。
しかし、折り返した後はずーっと下りが続くだろうと思って走ってきたので、その後の微妙なアップダウンでの登りが、たまらなくきつく感じる。
そして22キロ付近の直線道路で、ついに心が折れてしまった。
心が折れた直線「もうだめだ〜」と言って歩き始めた私を、かみさんは躊躇いも無く見捨てて、先へ行ってしまう。
一人取り残された私は、そこから歩いたり走ったりを繰り返しながら、ゴールのルオントを目指した。

もう急ぐ必要もなく、日本一の蕎麦畑を一望できる高台から、ゆっくりとその風景を撮影。
それでも最後の3キロでは一度も歩かないで、何とか30キロを走りきることができた。
タイムは3時間11分で、3週間前に30キロを走った時と殆ど同じ時間だった。
でも走り終えた後の疲労度は、前回とは比べ物にならないくらいに大きかった。
私よりも、ずーっと前にゴールしていたかみさんも25キロ過ぎからばててしまい、最後は歩いてしまったとのこと。
果たしてこれで2週間後のフルマラソンを完走できるのだろうか。
気合を入れて臨んだ朱鞠内合宿は、自信を喪失しただけで終わってしまったのである。

刈り取りの終わった日本一の蕎麦畑その後はルオントで温泉に入り、レストランで蕎麦を食べる。
ここの蕎麦は以前はもっと美味しかったような気がしたが、今回は混んでいたとは言え、注文してから出てくるまでに時間がかかり過ぎ、蕎麦もモソモソしてあまり美味しくなかった。
これならば、道の駅物産館内の「玄蕎麦処○」の方が空いていたし、走っている途中に応援してくれた政和の「政和三頭山」に入った方が良かったかもしれない。

幌加内の市街地まで戻って買い物をしてからキャンプ場へと戻る。
今日はもう体力も使い果たし、後はサイトでビールを飲んで過ごすだけである。
ただ、第3サイトのトイレは、湖畔からはかなり離れた場所にあり、おまけに標高差もあるものだから、その往復が大変だ。

湖上で金麦を飲む日が西へ傾いてくると私達のサイトには陽射しが届かなくなるので、カヌーで漕ぎ出して湖の上でビールを飲む。
足の方は疲れきっていても、カヌーを漕ぐ分の体力はまだ十分に残っているようだ。

ここで働いているkazunokoさんの旦那さんが顔を出してくれた。
気さくで楽しい方である。
湖の水位のことを尋ねてみると、泊原発が停止している関係から、北電が発電量を増やす目的だかどうかで、ずーっと満水に近い状況に保っているらしい。
とりあえずは、泊原発が停まっている間は、美しい朱鞠内湖の姿を楽しめるかもしれない。

湖上から眺める第3サイト大雨が降ったりしたら、湖畔部の低いサイトは水没することもあるらしい。
第3サイトは、昨日よりもテントの数が増えていた。
昔は湖水祭りの日でも第3サイトにテントを張るキャンパーは少なかったのに、随分様変わりしたようである。
キャンプ場の経営がNPOに変わってから、情報発信も積極的で、それで利用者も増えてきているのだろう。

昨日の、いや、今日の深夜1時にやってきた非常識外人3人組ライダーのテントもそのまま残っているのでちょっと嫌な予感がした。

今日の夕食の食材は何も用意してなくて、幌加内町のAコープで買い出ししようと思ったら、日曜日で休業中。
唯一開いていた、おばあちゃんが店番をしている小さな店でレトルトの八宝菜を買うことができて、これで何とか夕飯を食べることができるようになった。
この米で雑炊を作るところが、昨日ホタテの炊き込みご飯を作った時の鍋に、焦げたコメをうるかすために水を入れておいたところ、コメがふやけて、まるで雑炊の様になっていた。
「捨てるの勿体ないし、これを昨日のチゲ鍋の残りに入れれば雑炊になるんじゃない?」
こうしてできあがった究極の手抜き料理。
これが最高に美味しかったりするのだから、アウトドア料理は面白い。

家から持ってきた薪もたっぷりと残っていて、ワインを飲みながら焚き火を楽しむ。
実家からもらった十勝ワインの50周年スペシャルブレンド赤。
これがまた、なかなか美味しいワインだった。
次第に暗さが増すにつれて、上空で瞬く星の数が増えてくる。
しかしそれらの星も、対岸の森の中から月が昇ってくると、また姿を消していく。


朱鞠内湖の月の出
星空が月に取って代わられる

湖の遠くの方から車の通行音が聞こえてくる。
その音を聞いて、昔ここで同じように汽車の走る音を聞いた記憶が突然蘇ってきた。
かみさんにその話をしたところ「えっ?そんな訳ないじゃない。深名線が廃線になったのはずっと昔の話でしょ」と言われた。
キャンプ場の夜そこで調べてみたところ、廃線になったのは平成7年。
それから考えると、私が朱鞠内湖で列車の音を聞いた記憶はどうやら間違いではなかったようだ。
今はその形跡さえ探すのが難しくなった深名線も、我が家のキャンプの歴史の中ではそれ程古い話しでもなかったのである。

9時を過ぎ、我が家が寝る時間になっても例の近所迷惑外人3人組ライダーは帰ってきてなかった。
「あなたは明日運転しなければならないから、耳栓を貸してあげるわよ」とかみさん。
何時もならば二人分持ち歩いている耳栓なのに、今回に限って一つしか無かったのである。
その耳栓をして、ランニングの疲れもあり、私は朝までぐっすりと眠ることができた。

翌朝も4時20分頃にイリジウム衛星が飛ぶはずなので、張り切って4時過ぎに起き出す。
ところが辺りは濃い霧に包まれ、イリジウム衛星どころか星の姿さえ見えなかった。
今日は朝から快晴の予報になっていたのでがっかりである。

霧の朝かみさんも起きてきたので例の3人組がどうだったのかを聞いてみたら、何と、かみさんは、途中で我慢できずに一人で注意しに行ったとのこと。
人一倍大人しいかみさんが、図体のでかい外人3人組相手に一人で注意しに行くなんて、私にとっては信じられない出来事である。
「そんなに酷かったのか?」と聞いても、「後で教えてあげるから」と詳しいことを話してくれない。
それでも一応はかみさんの注意を聞いてくれたみたいだった。

その馬鹿外人達以外にも、第3サイトのど真ん中にテントを張っていた若者グループが午前3時まで大騒ぎしていたとのこと。
「そっちの方が酷いだろ!」と言うと、「彼らはまだ若いからしょうがないわ」とこちらには随分と優しい対応である。

いずれにしても、昔はどんなに混んでいる時でも第3サイトは静かに過ごせる場所だった。グループのキャンパーは第2サイト、静かに直ぐしたいキャンパーは際3サイトと、自然とキャンパーの棲み分けができていた気がする。
それがとうとう朱鞠内湖キャンプ場も他のキャンプ場と大して変りなくなってしまったのかと思うと、何だかとても寂しい気持ちになった。

霧に包まれた静寂の湖そんな出来事も忘れさせてくれる程、霧に包まれた朱鞠内湖の風景は素晴らしかった。
湖上は静寂の世界だ。
べた凪の湖面の水が、まるでねっとりとした油の様にパドルに纏わり付いてくる。
湖面から生えている木々の枝には、霧の粒子を捉えてレース模様のようになった蜘蛛の巣が張り巡らされている。
真っ白な霧の中から突然現れたカヌーの影は、Little Treeの早朝カヌーツアーの人達だった。

この後には、朝霧をオレンジ色に染めながら朝日が昇ってくるのだろうと期待していたが、結局この霧は晴れるどころかますます濃くなり、私達が帰る頃まで湖を覆っていたのである。

帰りの車の中で、かみさんがようやく真相を話してくれた。
話声だけなら我慢していたのに、大音量で音楽までかけ始めたので、それだけは許せなかったとのことである。
注意したら音量は下げた様だが、その前にかみさんに向かって「自分たちは会話と音楽を楽しむためにキャンプに来ている。静かに寝たいのならばホテルに泊まれば良いだろう」とぬかしたそうである。
蜘蛛の巣かみさんがキャンプ場で私に話してくれなかった理由がようやく分かった。
もしもこれをキャンプ場で聞いていたら、自分がどんな行動をとったか、ちょっと予想がつかないのだ。

その後も、かみさんは前日のことや、言いたいことは一通り相手に伝えて、少しはすっきりできたようだ。
しかし、その後テントに戻ってからも、夜中に仕返しされたらどうしようとか考えたり、若者グループのどんちゃん騒ぎで、殆ど一睡もできなかったようである。

それにしても、絶対に許せない奴らである。
やつらのことを広く知らせるためにも、3台のバイクの写真も撮って、私のブログに一度は載せたのだけれど、かみさんから「もう忘れようとしているんだから、そんなことは止めて」と泣きつかれ、それは直ぐに削除してしまった。
3台のバイクはどれも本州ナンバーだったので、もしかしたら今頃も、道内のキャンプ場で傍若無人を繰り返しているのかもしれない。

そんなアクシデントがあり、次第に様変わりしつつある朱鞠内湖キャンプ場だったけれど、それでもやっぱり私の大好きなキャンプ場であることに変わりはないのだ。

朱鞠内湖キャンプの写真 


静寂の湖
霧に包まれた湖畔の風景

戻る   ページTOPへ ページトップへ