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カニが届いた丸瀬布キャンプ

丸瀬布いこいの森オートキャンプ場(6月15日〜16日)

カヌークラブの6月例会で支湧別川を下った後、翌日は上川町のルベシベ川を下る予定だったので、例会キャンプ地は上川ファミリーオートキャンプ場が予定されていた。
このキャンプ場は国道沿いにあるので、何時もその様子を横目で見ながら通り過ぎ、我が家がここに泊まることは絶対にないだろうと思っていた場所でもある。
例会のキャンプ地に適当な場所を探していたら、ここには使い勝手の良さそうな屋内バーベキュー施設もあり、クラブで利用するには意外と便利なところかもしれないと言うことになったのである。
普通のキャンプ場に飽きがきている我が家にとって、こんな機会でなければ利用することもないキャンプ場なので、私としてはここに泊まることをかなり楽しみにしていた。

ところが、支湧別川でカヤックを1艇喪失してしまうトラブルが発生し、日曜日もその捜索のために支湧別川を下ることになり、キャンプ地も急遽丸瀬布のいこいの森キャンプ場へ変更となった。
勿論、いこいの森は好きなキャンプ場の一つだけれど、今回は上川ファミリーオートキャンプ場に泊まるのを楽しみにしていたので、正直がっかりである。
おまけに、6月とはいえ天気の良い週末の人気キャンプ場で、おまけに到着するのも午後5時を過ぎれば、テントを張る場所が空いているかも心配である。
静かなキャンプを楽しんでいるところに怪しげな団体が突然やってきて、自分たちのすぐ隣にテントを張り始める。
自分がその立場だったことを考えると、今回は団体キャンパーの一員である私は、とっても気が重いのである。

そんな気分のまま、キャンプ場までやってきた。
既に午後5時を過ぎていて、予想通り場内は賑わっていて、SL雨宮号が煙を吐きながら走行していた。
管理棟では2組のファミリーが受付中。
様子を見ていると、そのうちの一組は今日が初めてのファミリーキャンプみたいだ。
そんなファミリー利用が中心のキャンプ場の中で、私達は全く場違いの存在のような気がしてしょうがない。
受付を済ませて、車でフリーサイトの中へと入っていく。
すると、テントで賑わっていたのは管理棟に近い場所だけで、奥まで入るとテントは一張りも見当たらない。
その様子を見てようやく、私の気分も晴れてきた。

我が家のサイトフリーサイトのど真ん中に、周りを車で囲んだ宴会スペースを確保。
ここならば、誰の迷惑にもならない。
自分たちが寝るためのテントは、武利川のほとりに設営。
午後6時近くになってもまだ陽は高く、立ち木にロープを張って、濡れた川下り用品をそこに干す。

炭を熾す前に風呂に入るかどうか悩ましいところだった。
昼間の川下りではドライスーツの中でたっぷりと汗をかいていたけれど、腹も減って喉も乾いて、そんなことはどうでも良くなった。
炭を熾してビールを飲んで、そのまま宴会モードに入っていく。

 

宴会スペース   武利川が目の前を流れるサイト
この付近は私達のグループで貸し切り   武利川のせせらぎが聞こえるテントサイト


やがて、遠軽までカニの買い出しに行っていたO橋さんが到着した。
カニが届いたちょっとした賭けで、それに負けたらカニを食べさせてやると冗談で言っていたのが、今日の支湧別川でK岡さんのカヤックが流されて行方不明になった事件のきっかけがO橋さんの沈脱だったものだから、責任を感じて本当にカニを買ってきたのである。
遠軽まで行けばカニを売ってるだろうと考えていたみたいだが、現実はそんなに甘くなかったようだ。
それでも、遠軽の生協の仕入れ担当が気まぐれで仕入れたタラバガニが、店の倉庫に解凍された状態で眠っていたと言う奇跡に恵まれて、はるばると丸瀬布のキャンプ場まで届けられることとなったのだ。
O橋さんが苦労して手に入れたこのタラバは、お世辞抜きで本当に美味しかった。

たまにかみさんを手伝うN島さんが持ってきたシカ肉も、これが本当にシカ肉なのかとビックリするくらいに美味しかった。
そんな美味しいものを食べながらの宴会の途中、地元の警察署からK岡さんに電話がかかってきた。
何と、行方不明になっていたカヤックが見つかったと言うのだ。

川でカヌーを流してしまった場合、警察に届けるのが鉄則である。
しかしこれは、後でカヌーだけが見つかった場合、遭難騒ぎにならない様にという意味で届けるだけで、それでカヌーを見つけてもらおうなんて全く考えていないのが普通である。
それがこんなに早く見つかるとは奇跡と言ってもいいだろう。

月が出てきたO橋さんがお酒を飲んでいないので、その車に乗ってK岡さんとI山さんが現地確認のため、再び支湧別川の流れる白滝まで戻っていった。
気持ちよく酔いが回ってきたころ、現地から報告が入る。
カヤックに取り付けてあったロープが何処かに引っ掛かり、カヤックはその状態で川の真ん中に浮いている状態らしい。
ドライスーツも用意していたので改修を試みたが、暗くなって危険なので翌朝に回収することにしたとのこと。

その後、捜索隊も戻ってきて、再び飲み直し。
カヤック発見の報が入るまでは反省の言葉も出ていたのに、心配事が無くなると、そんな反省の気持ちも吹き飛んでしまったようだ。
最近の機器の進歩により、GOPROの動画やデジカメ画像が、その日のうちにタブレット機器で皆で見ることができる。
ストレーナーに張り付いて取れなくなったカヤックの様子や、流れを塞ぐように水面すれすれに横たわった丸太に人間とカヤックが引っ掛かってしまう動画。
宴会が盛り上がるカヌーをやっている人間ならば恐ろしくて正視できない様なシーンを「うわ〜ぁ、酷いなこれ」と、何だかとっても楽しそうに語り合う人達。
懲りない面々とはこんな人達を表す言葉にピッタリである。

水量が増えた川は危険だと言うことが十分すぎるくらいに分かったはずなのに、明日は予定通りルベシベ川を下ることになってしまう。
その川だって、数年前の増水時に下り当時の会長のF本さんがカヤックを流してしまって、10数キロ先で奇跡的に見つかったと言う事件があったところである。
その時よりも水量は減っているようだけれど、まだ十分に増水中の川なのだ。
しかし、誰一人としてそんなことは心配せず、楽しい宴会が夜遅くまで続いたのである。

気持ちの良い朝夏至も近づき、午前3時過ぎには空も明るくなってくる。
家にいる時と比べると、昨晩は大変な夜更かしをしたというのに、空が明るくなるとともに目が覚めてしまうのは、年寄りの悲しいさがである。
これでは寝不足になってしまうと、一生懸命目をつぶるが、余計に目が冴えてきてしまう。
結局は家にいる時と同じく、午前4時過ぎに起き出してしまった。
山が近いので、さすがに太陽はまだ姿を現してはいなかったが、少しすると朝の爽やかな光がサイトまで射し込んできた。
今日はカヤック回収のために、朝7時半にキャンプ場を出ることにしていたので、早起きしても時間を持て余すことは無かった。
ただ、テントは濡れたまま撤収することになってしまう。
爽やかに晴れ渡った空の下、カヌーを積んだ怪しい車の一行が、早々とキャンプ場を出発していったのである。


テントに朝日が当たる   片付け開始
朝日がテントを照らす   朝日を浴びながら撤収開始

緑が清々しい場内風景
緑の風景が清々しい

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