自宅の庭仕事も何とか一区切りつけて、週末は遊びに出かける余裕ができた。
何処かでキャンプでもと思ったけれど、新緑の美しい季節も既に終わって、特に行きたい場所も思いつかない。
そこで、かみさんの「たまに海キャンも良いんじゃない?」との提案を直ぐに受け入れ、久しぶりに積丹に出かけることにする。
週末からは気温も上がりそうなので、暑いのが苦手な我が家にとってはちょうど良い計画となった。
壊れていた車のエアコンも、木曜日に部品が届いて、何とか週末に間に合うようにディーラーで直してもらった。
ギラギラと太陽が照りつける札幌を9時前に出発。
ところが、直ったはずのエアコンからは冷たい空気が全然出てこない。何となく涼しく感じるのは、外気温が20度なので、その外気が車の中に入ってきているだけの話しみたいだ。
修理を終えた後も、何となく冷えが悪いな〜と感じてはいたけれど、その日は寒いくらいの気温だったので、そのせいだろうと軽く考えていたのである。
久しぶりに車の窓を開けて、風に吹かれながらのドライブとなったが、キャンプ場に着くまで気温が20度を越えなかったのが救いだった。
11時頃に、野塚野営場に到着。他にキャンパーの姿は無く、今日は一番乗りのようだ。
ところが、トイレのシャッターは閉じたまま。「えっ?!」と思いながら炊事場の蛇口をひねるが、水は出ず。
一番乗りどころか、キャンプ場はまだオープンしていない様子だ。北海道キャンピングガイドでは6月からオープンしていることになっていたので、全くの想定外の展開である。
2リットルの水入れは持っているので、そこに水さえ満たせば最低限のキャンプはできる。
他に行くあてもないので、とりあえずどこかで水を組もうと車を走らせると、その先にある駐車場横のトイレは空いているようだ。
これで何とか文化的キャンプはできそうである。
ダメもとで、その近くにある水場の様子をかみさんが見に行く。砂を被ったよその様子から、そこも当然ダメだろうと思っていたら、これが何と水が出たのである。
それまで暗い雲に覆われていた心が、上空に広がる空と同じく一気に晴れあがった。
9年前の9月下旬ににここに泊まった時は、閉鎖されているトイレの方の、本来のサイトとは関係ない様な場所にテントを張っていたが、今回は素直に通常のサイトにテントを張ることする。
駐車場に沿った細長いサイトなので場所を選ぶ余地は少なく、とりあえずは一番良さそうなところに今シーズン初登場のソレアードを設営する。
その間に早くも次のキャンパーがやってきて、サイトの一番端にテントを張り始めた。
今の時期、この後にどれくらいのテントが張られるのか、全く予想ができない。
場所取りを兼ねて、かみさんの一人用テントも、ソレアードから少し距離を開けて張っておくことにした。
昼も近いので、どこかで昼食を食べることにする。
この近くあるのは観光客相手のうに丼屋くらいなので、私達もたまには観光客になってそんな店に入ることにした。
有名どころの「みさき」や「中村屋」は既に駐車場も満車になっていたが、道路を挟んだ「佐藤食堂」という店の駐車場にはまだ空きがある。
うに丼なんか、どこで食べても変わりは無いだろうと、佐藤食堂へ入る。
私は2500円のうに丼、かみさんは1000円の刺身定食を注文。
誤解の無いように書いておくが、これはかみさんが家計の事情をおもんばかって遠慮したわけではなく、ただ単にかみさんがウニが嫌いなだけの話である。
でも、運ばれて来た料理を見ると、コストパフォーマンスは明らかに刺身定食の方が上であった。
その後は積丹岬自然遊歩道を歩く。
駐車場はほぼ満車状態だったが、そのほとんどがトンネルを潜って島武意海岸だけを見る人達だろう。
1〜2割の人達は、アスファルトの急な坂道を登って出岬灯台までは行きそうだ。
しかし、その灯台から先の遊歩道を歩く人は数える程しかいない。
まだフウマが生きている頃に、ここを一緒に歩いたことがある。
その時も確か気温が高くて、フウマがかなりばてていたことを思い出した。
今日も、気温こそは20度程度だが、夏を思わせる日差しが強烈である。
でも、半袖にショートパンツで歩けばちょうど良いくらいだ。
積丹ブルーと言われる美しい海を眼下に見下ろす起伏に富んだ遊歩道は、礼文島の西海岸を歩いているような気分を味わえる。
そして、まだ残雪が残る積丹岳の眺めも素晴らしい。
今回のキャンプではその積丹岳に登ることも考えていたけれど、今日の暑さを思えば、こちらの自然遊歩道を選んだのが正解だったようだ。
エゾカンゾウやエゾスカシユリも花を咲かせている。
つい先日に桜が咲いたような気がしていたが、季節は何時の間にか大きく進んでいたようである。
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