北海道キャンプ場見聞録
巨大な一枚鏡
チミケップ湖キャンプ場(10月26日〜28日)
2泊3日で紅葉を楽しむキャンプに出かけよう。 途中の層雲峡では、温泉街手前までは散り遅れた紅葉も楽しめたのが、銀河トンネルを抜けた先では、既に木々はその葉を全て散らして、遠くに見える大雪の山々は真っ白に雪化粧し、既に初冬の風景に変わっていた。 昼は北見の「麺屋はる吉」と言うラーメン屋で美味しいラーメンを食べる。 チミケップ湖を訪れるのは今回が4回目となる。 途中で道を間違えて、訓子府寄りの道道494号でチミケップを目指す。 そうして午後2時頃にチミケップ湖キャンプ場に到着。 キャンプ場入口から湖畔までは120〜130mくらいの距離があるが、2泊するのであれば荷物運びも全然苦にはならない。 石北峠から降りてきた辺りでは、道路際に立てられた交通安全の旗が千切れそうになるくらいの強風が吹いていたのに、チミコップ湖はほぼ無風だった。 小魚たちが立てる小さな波紋がべた凪の湖面にポツリポツリと広がる。 かみさんがその湖面にカヌーで漕ぎ出した。 キャンプ場からカヌーで沖に出ると、キャンプ場の裏にそびえる山の姿が見えるようになる。 太陽が西の空に傾いてきたころ、二人で再びカヌーで漕ぎ出す。 |
山の稜線に月が昇る | 沖に出ると背後の山が見えるようになる |
近くにエゾマツ等の倒木があって、かなり以前に倒れたものらしく、その枝もかなりもろくなっている。 午後4時には湖の対岸の森の中に陽が沈んでしまう。 |
8年前の写真 | 現在の様子 |
今回のキャンプで目的地として浮かんだ3か所は、いずれも湖岸にテントを張れるキャンプ場ばかりだった。 周りの木々に遮られて、サイトからは月の姿を見ることができないが、湖の対岸の森はその明かりに照らされた湖の上に真っ黒なシルエットとなって浮かび上がっている。 私もその鳴き声を真似してみた。 雄鹿の声に交じって犬の鳴き声が山の中から聞こえてきた。 月明かりにも負けず、夜空では沢山の星が輝いていた。 午前4時、外はまだ真っ暗だけど服を着替えて起き出す。 昨日寝る時には白鳥座が見えていた空には、それに代わって冬の星座であるオリオン座が輝いていた。 焚き火台の灰の中では、昨夜の燃え残りがまだ赤くくすぶっていた。 私が星空の撮影に気をとられている間に、かみさんが何度も流れ星を見ていた。 湖岸に立つと、自分の足元で星が輝いている。 空が次第に明るくなるにしたがって、見えている星の数が少なくなってくる。 |
チミケップ湖に朝が訪れた |
湖に漕ぎ出したかみさんの乗るカヌーが、その朝霧に包まれて見えなくなる。 テントの霜は、朝起きた時よりも更に増えていた。 朝食を終え、湖を覆っていた朝霧が消え去ったところで、二人でカヌーで漕ぎ出す。 湖岸に近づくと湖に映った紅葉の方が美しく見えてしまう。 |
美しすぎて言葉も出ない |
美しい風景をたっぷりと楽しんでテントに戻ってきた。 管理人のおじさんが、トイレや炊事場の掃除をしに来ていた。 ここのキャンプ場の唯一の欠点は、観光客が頻繁にやってくることである。 さすがに煩わしくなってきたので野鳥の森を歩いて、チミケップ湖を見下ろせる見晴台まで行ってみることにした。 樹木が開けて湖を見下ろせる場所まで登ってきた。 |
第一見晴台からは湖が少ししか見えない | 8年前、フウマがチミケップ湖の風景を楽しんでいた |
サイトに戻ってきてカップ麺の質素な昼食を食べる。 その滝は陸別と津別への分岐を、津別側に少し入ったところにあった。 そんな滝を楽しんで、サイトへと戻ってきた。 かみさんがチジミを焼いてくれたので、それをつまみにビールを飲む。 雪虫も沢山飛び始めた。 今朝の冷え込みのせいもあるのか、頭上からは次々に落ち葉が舞い落ちてくる。 ただ、観光客だけは相変わらず、入れ替わり立ち代わりやってくる。 チミケップ湖の今朝の様子を教えてあげると、本当に残念そうにしていた。 深夜0時を過ぎた頃から急に風が強く吹き始めた。 朝になってもその風は止んでいなかった。 風のおかげでテントも結露することなく、朝食を終えて直ぐに撤収作業に入ることができた。 途中の津別町二又付近で廃校らしい建物があったので立ち寄ってみる。 |
廃校となった小学校に立ち寄る | 制作者の名の入った卒業記念の絵画が・・・ |
上利別付近で道路上から滝が見えたので、立ち寄ってみる。 しかし、畑の中を通る道は、普通の乗用車では腹がつかえそうで、最後の徒歩400mは鹿避け柵の出入り口を4度開け閉めし、タヌキの糞を踏みつけそうになりながら、頭上から岩が落ちてきそうな危険地帯を通過し、スズメバチが活動している時は絶対に通過できないと思われる巨大な蜂の巣の下を通り過ぎ、ヤマブシタケを収穫して喜んだりしながら、やっとの思いでたどり着けるのである。 そんなおまけもあり、道東道の占冠から夕張紅葉山にかけては今年一番の素晴らしい紅葉風景に癒され、楽しく札幌まで戻ってきたのである。 |
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