北海道キャンプ場見聞録 我が家のファミリーキャンプ
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アンヌプリ2往復ニセコキャンプ

ニセコ野営場(9月7日〜8日)

毛無山展望状から眺める小樽市内金曜日は朝から文句の付けようのない青空が広がり、何時もは素通りする毛無峠の展望台に寄り道して眼下の小樽の町並みを楽しむ。
今週末は日曜日に仕事が入っていたので、久しぶりに休暇を取って金・土でキャンプに出かけることにしたのである。

今回のキャンプのメインとなるイベントは山登りで、かみさんからはニセコアンヌプリの希望が出されていた。
アンヌプリに登ると言うことは、それは普通の山登りではなく、山頂で朝日を見るとか特別なオプション付き登山になることは、口にしなくてもお互いに了解済みである。

3年前にも一度、朝日を見るために暗いうちから登ったことがあったが、その時はガスに包まれて朝日の僅かな光が見られただけで終わっていた。
そのリベンジだけでは面白くないので、今回はアンヌプリの山頂にテントを張って、夕日や星空も楽しむのはどうだろう。
でも、山頂にテントを張れそうな場所があったかどうかは思い出せないし、山頂の避難小屋を利用するのもルール違反である。
それならば、1時間ちょっとで登れる山なのだから、麓のニセコ野営場から2往復しても良いかもしれない。

そんな考えをかみさんに話したところ「足の調子が悪いから、私もキャンプ道具を背負って登るのは止めようと思っていたの」との返事。
事前に二人で話していたのは、アンヌプリに登ると言うことだけである。
それなのに、山頂で1泊するとか、山頂まで2往復するとか、普通とは言えないような行動を彼女も同じように考えていたとは。
我ながら呆れた夫婦である。

レストランPRATIVOから見える羊蹄山昼食はかみさんの希望により、ニセコミルク工房に新しくオープンしたレストランPRATIVOに入る。
店内の大きな窓一杯に羊蹄山の姿が見えている。
メイン料理の他に野菜ビュッフェが付いて1500円。ちょっと高いけれど、この野菜ビュッフェはなかなか美味しくておすすめである。

隣の雑貨屋で格安のキャンドルスタンドを見つけて購入したり、羊蹄山をバックに記念撮影をしたりと、しばし観光客気分を楽しむ。
エフエフでソーセージを買い、甘露泉で湧水を汲んでキャンプ場へと向かう。
我が家のニセコキャンプの定番とも言える行動である。

 
PRATIVOの野菜ビュッフェ   羊蹄山をバックに記念撮影
一品一品が美味しい野菜ビュッフェ   トラクターに乗って記念撮影

今日の宿泊地はニセコ野営場。
このキャンプ場での我が家のお気に入りは、三段に分かれているサイトの一番上。その中でも特に、イワオヌプリ側のサイトである。
同じ好みのキャンパーは多いようで、訪れる度にそこは先客に占領されていた。
ビールで乾杯さすがに今日は金曜日だけあって、キャンプ場のど真ん中にテントがポツンと張られているだけ。
お目当てのサイトは空いていたので、脇目も振らずにそこに行って速攻でテントを設営した。
できれば、これから登るニセコアンヌプリを眺められたら良いのだが、そのためには駐車場に近い方にテントを張らなければならない。
贅沢は言わずに目の前のイワオヌプリに乾杯して、冷えたビールを喉に流し込む。

気温は25度くらいだろうか。
数日前まで続いていた30度を超える暑さと比べると、かなり過ごしやすくはなってきた。
それでもまだ、日陰があるとそこに逃げ込んでしまうような暑さである。
こんな時は小型のタープが欲しくなってしまう。小さなテントだけでは、人間の身の置き場がどこにも無いのである。

とても山に登りたくなるような気温ではない。
アンヌプリ以外では、羊蹄山に登って山小屋に泊まることも考えていたが、天気予報の最高気温を見て直ぐに候補から外してしまった。


我が家のサイト   我が家のサイト
我が家のお気に入りサイト   回りの眺めも良い

何処かの小学校の登山遠足らしい集団が下山してきて、静かだったキャンプ場が子供たちの喚声に包まれる。
幸い、私達のサイトからはその喚声も遠くに聞こえるだけだ。
まだ時間が早いので、イワオヌプリの方の散策路を歩いてみる。
ニセコ神社にお参りその途中に小さな神社があったので、アンヌプリを背景にした写真を写そうと、モデル代わりにかみさんにお参りをさせた。
もしかしたら、この時の罰当たりな行動のおかげで、後で痛い目に遭ったのかもしれない。

軽い散歩のつもりが、結構な高低差のある散策路で一汗かいて、キャンプ場へと戻ってきた。
これからが本番の登山である。
山頂で食べる山食と缶ビール1本をザックに詰めて登り始める。
時間は午後3時20分。
雪のないアンヌプリに登るのは、3年前のご来光登山以来だ。時期もほぼ同じである。
その時と違うのは、ギラギラと太陽が照り付け、気温も上昇している中での登山ということである。

このコースの標準タイムは登りが1時間半で下りが1時間。そこで、私の目標を勝手に登り1時間にする。
どうも近頃は、ガイドブックなどに書いてあるコースタイムをどれだけ短縮できたかに喜びを感じるようになってしまい、あまり良い傾向ではない気がする。
別に登山マラソン出場を目標にしている訳ではないのだ。
山頂まで目標1時間ただ、ここ最近は膝の調子が悪くて朝のランニングも思うように走れていないので、トレーニング不足の分をこのアンヌプリ登山で補おうとの気持ちもあった。

登山口から少し登ったところに「山頂まで2500m」の標識が立っていた。
この標識は500mごとに建てられていて、次の2000mの標識までにかかった時間は12分。
設定した目標にはちょうど良いペースである。

この登山道は、最初の方こそ展望が効かないけれど、見返坂への分岐を過ぎれば、次第に眺めが良くなってくる。
イワオヌプリやその先に続くニセコ連峰の山並みが、だんだんと自分より下に見えるようになってくる。
尾根の上に出てくると、今度は藻岩スキー場や昆布岳の姿が見える。
下ってくる登山者と挨拶を交わしながら、「登っているのはもう私達くらいだろう」と思っていたら、後ろからトレイルラン風の人に追い抜かれた。
意地になってその後を追おうとしたが、あっという間にその姿は見えなくなってしまった。

ニセコ連峰が下に見えてきた「山頂まで1000m」の標識を過ぎる。
がれ場の急な登りが続。
その後、500mの標識がなかなか現れず、「この後はもう頂上なのかな」と考え始めた頃に、ようやく「山頂まで500m」の標識を発見。
この間の500mでは随分ペースダウンしていたようである。
これでは1時間を切れなくなると、傾斜が緩いところでは小走りで登るが、きつくなると直ぐにペースダウン。
これではトレイルランナーには絶対になれないだろう。
本物のトレイルランナーさんは涼しい顔で下っていた。
かみさんはそんな私を見捨ててサッサと登っていき、頂上から手を振っている。
結局、1時間8分でニセコアンヌプリの頂上に到着した。


昆布岳が見える   ガレ場を登る
尾根に出ると昆布岳が見えた   汗をかきながらガレ場を登る

雲に隠れた羊蹄山そこでがっかりしたのは、頂上からその美しい姿を眺められるはずだった羊蹄山が、その上半分を雲に隠されていたことである。
ニセコで食事をしていた頃は、雲一つない青空が広がっていたのに、随分と雲が広がってしまったものである。

汗で濡れたシャツを脱いで山頂標識の上に干しておく。
どうせこの後は誰も登って来ないはずである。
喉が渇いていたので、ザックのポケットに入れておいたお茶をがぶ飲みする。
「あっ!、そう言えば冷たいビールを持ってきていたんだ!」
肝心なことを忘れていて、一番美味しく感じる瞬間のビールを飲めなかったが、保冷剤と一緒に入れておいたビールは、冷えていてとても美味しかった。

山頂で寛ぐ山頂は風もなく、昼間の暑さも和らぎ、至って快適である。
テントを張るのにちょど良さそうな場所もあり、これならば山頂ビバークでも良かったかもしれない。
羊蹄山にかかっていた雲も次第に取れてきた。
私達のいるアンヌプリの影が下界に映っていた。
自分の影も映るかもしれないと思わず手を振ってみたが、馬鹿なことをやっていることに直ぐに気が付いて、その手を引っ込める。

後ろを振り返ると、ニセコ連山の向うに見える海が西日を受けて赤く輝いていた。
一部に雲がかかっているので、美しい夕日が見れるかどうかちょっと心配だ。
改めて周りを見渡してみる。
積丹半島は雲に隠れて、神恵内付近の海岸線だけが見えていた。
洞爺湖と中島の姿も確認できる。
他に名前が分かるのは昆布岳くらいしかない。
アンヌプリの影と羊蹄山その昆布岳の後ろに薄く霞んで見えている山。「あれって駒ヶ岳?」
そんなに遠くの山まで見えるとは驚きだった。

お湯を沸かして夕食にする。
アンヌプリの影が羊蹄山の近くまで伸びていく。
西の空の雲も赤く染まり始め、そろそろ夕焼けショーの始まりである。
と思ったら、突然、アンヌプリの斜面をガスが駆け上ってきて、あっという間に何も見えなくなってしまった
天候の変化の速さに呆然として立ち尽くす。
でも、そのガスも次第に晴れてきて、夕焼けに赤く染まる雲の様子だけは楽しむことができた。


日の入りが近付く   山頂で夕暮れを待つ
遠くの海が傾いた太陽に照らされる   食事をしながら夕暮れを待つ

アンヌプリ山頂で見る夕日
ガスが晴れた時、夕日は既に雲の中に入ってしまっていた

空にまだ明るさの残っているうちに下山開始。
下界にはポツリポツリと明かりが灯りはじめた。
足元が見づらくなってきたのでヘッドランプを点ける。
街の明かりが灯り始める山に登る時はヘッドランプの明かりだけでも不自由は感じないが、下山時は照らす個所も遠くなるので足元が確認しづらい。

最後の林間部分に入ると周りは真っ暗で、ヘッドランプの明かりだけが頼りとなる。
足元も滑りやすくなってきたので、「ゆっくりゆっくり、慎重に下ろうね〜」とかみさんに何度も声をかける。
そう言っている本人が、突然足を滑らせた。
慌ててもう一方の足で体制を整えようとしたが、その足を乗せた岩がグラグラしていた。
更に反対の足を延ばしたところ、そこでもまたズルッと滑ってしまう。
そこでまた反対の足を・・・。
傍からは、まるで踊りでも踊っている様に見えたかもしれない。最後には右膝から石の上に崩れ落ちて踊り終えた。

脂汗が出てくるような痛みをじっとこらえる。登る前から調子の悪かった右膝を更に痛めてしまったようだ。痛みは残ったものの、単純な打撲だけで済んだのは幸いだった。

下山後はそのまま五色温泉に直行。日帰り入浴は午後8時までなので、それで少し下山を急いでいたのである。
タイツを脱ぐと右膝には血が滲んでいた。傷口にお湯が浸みたけれど、星を眺めながら露天風呂に浸かっていると、山登りの疲れも直ぐに取れてくるようだ。

テントに戻って風呂上がりのビールをいただく。明日、起きた時のひざの状態がちょっと心配である。たまたまかみさんが湿布薬を持っていたので、それを膝に貼っておくことにした。
それにしても、キャンプに湿布薬を持ってくるようでは、明らかに老年キャンパーの仲間入りである。

翌朝は3時に起床。膝は相変わらず痛かったけれど、山に登れない程ではないので、予定通りアンヌプリを目指すことにした。
準備が悪くて、登り始めた時には3時45分を過ぎてしまっていた。日の出時間は午前5時過ぎ。今日はゆっくりと登るつもりだったけれど、日の出前の空の色の変化も楽しむためには、ちょっと急がなければならない。

入山届を見ると、午前2時前に4人のグループが登っているようだ。真夜中に騒がしい声が聞こえていたが、多分そのグループだったのだろう。そんな奴らと山頂で顔を合わせることを考えると、ちょっとがっかりである。

汗をかいたので、途中で上着を脱いでいると、単独の女性が登ってきて私達を追い抜いて行った。負けてたまるかと直ぐにその後を追ったけれど、私達とは全然スピードが違い、あっという間に姿が見えなくなってしまった。
年配の女性(と言っても私達よりは年下だろう)の様に見えたが、完全に脱帽である。

朝焼けの空と羊蹄山下界の夜景が美しかったが、三脚をセットして撮影する余裕もなく、ひたすら先を急いで登り続ける。
そうして1時間6分で山頂到着。
昨日の日中に登った時間と殆ど変わりなかった。
西の空に低くかかる雲が赤く染まり始め、まだ薄暗い空の中に羊蹄山のシルエットが黒々と浮かび上がっていた。
何とか間に合ったようである。

先に登っていた4人組は若者のグループだった。
深夜の大声に腹が立っていたので、朝の挨拶をする気にもならない。
その若者たちに特等席を陣取られていたので、そこを避けて下界の風景を見下ろす。
所々に朝霧が白く広がっていた。西の空の雲が更に赤く染まってくる。

女性がまた一人登ってきた。まさか土曜日の朝、ニセコアンヌプリの山頂がこんなに賑わうとは思ってもいなかった。
もしもこの山頂にテントを張っていたら焦ったことだろう。

日の出の風景に見惚れる日の出が近づくと、赤く染まっていた雲から色が抜け落ちはじめる。
そして雲の隙間から太陽が姿を現した。
回りの空は今度は優しいピンク色に変わってくる。
羊蹄山の端正なシルエットがその空に浮かび上がる。
こんな風景が楽しめるのだから、登るための少々の苦労は全く厭わない。

ダイナミックに変わっていく山頂からの朝の風景を楽しみながら朝のコーヒーを味わう。
最後に登ってきた女性は、私達の近くにテントを張っていたライダーの方だった。
既に夏も終わり、道内に長く滞在しているのかと思ったら、こちらに来たばかりで今日にはもうフェリーに乗って帰るとのこと。
スノーボーダーの彼女は、夏の山の様子も見てみたいと今回ニセコにやってきたようだ。昨日は羊蹄山に登ってご来光を見ようとしたけれど、間に合わなかったそうである。
多分、冬にはこの辺りの山を滑りまくっているのだろう。
最近は、こんなちょっと変わった旅人に出会うと、何となく嬉しくなってしまう自分である。


朝焼けの空に浮かぶ羊蹄山
朝焼けの空に浮かぶ羊蹄山のシルエットは本当に美しい

遠くの山の姿   洞爺湖と中島
左の尖った山は定山渓天狗岳、右の山は?   一番奥が洞爺湖の湖面、手前の二つは雲海

山頂の朝の風景をたっぷりと楽しんだ後下山開始。
明るい時でも、下山にかかる時間は昨夜と大して変わらず、1時間5分程でキャンプ場に戻ってきた。登りにかかる時間とも殆ど同じである。
朝食を食べ、夜露で濡れたテントを乾かしてから撤収。もう一度五色温泉に入ってから、ニセコを後にした。

車の温度計は29度。9月に入ってもなかなか涼しくならない。
夏の海を眺めてキャンプを締めくくる何時ものようにコンビニ弁当を買って海を眺めながら食べる案もあったけれど、かみさんが「忍路のハンマーヘッドなんかどう?」と言うので行ってみることにした。

何となく私達が入るには照れくさくなる様な店だったが、海の見えるテラス席はとても快適だった。
後から入ってきたお客さんも、老夫婦やおばさんグループ、砂利を積んだダンプを店に横付けして入ってきた仕事着の若者達など、若いカップルに人気のある店の客層とは思えない人達ばかりで、かえって落ち着けた。

シーカヤックや、最近流行っているらしい立ったまま漕ぐパドルボードが海の上をのんびりと進んでいく。
直ぐ隣の山からはセミの鳴き声が響いてくる。
全くの夏の風景である。
今朝まで見ていた風景が、全くの別世界のもののように思い出された。

ニセコキャンプのアルバム 


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