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文化的キャンプをするつもりが

美笛キャンプ場(6月2日〜3日)

天気の良さそうな週末、どこへ出かけようか頭を悩ます。
先週ならばエゾエンゴサクやミズバショウなどの花を見るために、迷うことなく朱鞠内湖へ出かけていたのだが、1週間経つとエンゴサクの花も終わりに近づいているので魅力も薄れてしまう。
チミケップ湖も候補に考えたが、ここは以前、ほぼ同じ時期に訪れていたので除外。
オホーツク方面は、週間予報がパッとしないので問題外。
そこで、山登りとのセットで候補地を探したところ、頭の中に浮かんできたのが美笛キャンプ場だった。
支笏湖畔に直接その稜線を落とす風不死岳。その山頂から眺める支笏湖の風景は感動的だろう。まずは美笛キャンプ場の湖畔からその姿をたっぷりと楽しみ、そして翌日はその山頂に立つ。
我ながら申し分のない計画である。

土曜日は朝からどんよりとした曇り空が広がっていた。ここ数日は同じような天気が続いていて、日中には青空が広がるのでそんな曇り空も大して気ならない。
キャンプ場に近付くに従って心がワクワクしてくる。こんな気持ちにさせられるキャンプ場は、美笛以外には思いつかない。
特に巨木の森の中を抜ける砂利道に入った時は、そのワクワク感が最高潮に達する。
我が家のサイト朝の8時半に美笛キャンプ場に到着。
湖畔沿いにずらりと並んだテントを見て、盛り上がっていた気分が一気に萎んでしまう。
シーズンオフの無い週末の美笛でお気に入りのサイトを確保するためには、金曜日から美笛入りしなければならないのだろう。

それでも、我が家が今回テントを張ろうと考えていた場所だけはポッカリと空いていた。
我が家のソレアードがギリギリで張れる程度の狭い砂浜。
それより奥はソロテントでも厳しそうだ。
場内がどんなに混みあっても、ここだけは混雑とは無縁の静かなキャンプを楽しめるのだ。
ちょっと窮屈だけれど、テントの目の前に迫る支笏湖の湖面がその狭さを忘れさせてくれる。
どんよりとした曇り空そこに打ち上げられた大きな流木も良いアクセントになっている。

べた凪とまではいかないけれど、波もなく穏やかな湖面が目の前に広がる。
そこにカヌーを浮かべて、かみさんがパドリングの練習をするがソロではどうしても上手く漕げないようだ。

ソロ練習もすぐに飽き、二人で美笛川の河口までいってみる。
そこに溜まった巨大な流木は、以前よりも更に数を増したようだ。
何時流されてきたのか、まだ青々とした葉を茂らせているものもある。
そこで焚き火用の手ごろな大きさの流木を拾い集めてからサイトへと戻った。

 
倒木に佇む男   美笛川の河口
巨大な流木の上でポーズ   流木がゴロゴロと転がる美笛川河口

美笛川河口の流木   まだ新しい流木
焚き火用の流木は拾い放題   まだ葉を茂らせている流木も

久しぶりに美笛の滝を見に行くというオプションもあったけれど、出かけている間にサイト近くに車を停めておくスペースが無くなりそうなので、今日はそのままどこにも出かけずにキャンプ場に留まることにする。
そう決めたところでようやくビールを飲むことができた。
最近の我が家は、キャンプ場だけで時間を過ごすようなキャンプからは遠ざかっているので、何もしないでいることが難しいのである。

湖上から見る我が家のサイト今回のキャンプでは忘れ物も多かった。
影響が一番大きかったのはテーブルの脚。
小さなテーブルが二つあったので、それ程支障はないのだけれど、やっぱり大きなテーブルが無いと文化的なキャンプ生活ができなくなる。

ツーバーナーも持ってこなかった。
これは忘れたと言うよりも、夜はバーベキューにすると聞いていたので、私が勝手にツーバーナーまで必要ないと判断したのである。
かみさんはちょっと不満そうだった。
文化的キャンプ生活のためにはツーバーナーもあった方が良かったみたいだ。

ガスストーブがあれば大丈夫と思っていたのに、ガスカートリッジのことまでは考えていなかった。
慌てて荷物の中を探してみると、ガスが残り少なくなったカートリッジが二つ出てきた。
「ここならカートリッジくらい売っているだろう」と管理棟の売店へ行ったが、売っていたのは卓上コンロ用のカートリッジだけ。
「まあ、ガスが無くなったら焚き火で煮炊きするしかないな」
ますます文化的キャンプから遠ざかっていきそうだ。

巨木の森の中を歩くそれにしても、キャンプにカヌーに山登り。
欲張りすぎて、何を用意すればいいのか頭の中がぐちゃぐちゃになっていたのが、今回の忘れ物の原因だったような気がする。

昼を過ぎても雲が晴れそうな気配はなし。
恵庭岳や樽前山、明日登る予定の風不死岳はその裾野が見えているだけである。
キャンプ場を出て巨木の森を歩いてみる。
笹が茂った森の中に点在するカツラやミズナラの巨木。
ここに来る度に、笹刈りでもしてもっと巨木に近づけるような散策路を整備して欲しいと考えてしまう。
でも、ここの利用者の多さを考えると、こうして遠くから眺めるだけで我慢している方が樹木のためには良いのだろう。


カツラの巨木
このカツラだけは簡単に近付くことができる

美笛川に日が射す美笛川の川原を歩いていると、陽の光が辺りを照らし始める。
何時の間にか上空には青空が広がっていた。
キャンプ場に戻ってくると、それまでの寒々とした場内がいきなり夏のキャンプ場の風景に変わっていた。

ところが、我が家のサイトだけはすぐ後ろに樹木が生えていて、その太陽の光は届いてこない。
その代り、朝日は湖側から昇ってくるので、明日の朝は暖かな日差しを浴びることができるだろう。
もっとも、晴れていればの話である。

気温は13度。日陰に入ると肌寒さを感じる気温である。
カヌーで運んできた流木も含めて薪は大量にあるので、早々と焚き火を始める。
ようやく姿を現した恵庭岳が美しい。
美笛から見る支笏湖の景観には、この恵庭岳の姿が無くてはならないものだ。
それを見てかみさんが再び湖に漕ぎ出した。


青空が広がった   湖を眺めながらの焼き肉
青空の下で焚き火を始める   明日登る風不死岳を眺めながら

恵庭岳
美笛から眺める恵庭岳は本当に美しい

雲が広がり始める午後3時前から広がった青空も、夕方になって周囲から湧きだしてきた雲に、再びその姿を消されてしまう。
バーベキューも食べ終えて、後はビールとワインが無くなるまで焚き火を楽しむだけである。
近くに落ちていた流木を椅子代わりにしていたけれど、直接砂浜に座って流木を背もたれに使う方が快適であることに気が付く。
湖畔には点々と焚き火の明かりが連なって見えている。
混雑しているけれど、場内はとても静かである。
と言うか、他のキャンパーから離れているので、遠くの喧騒がこちらまで伝わってこないだけかもしれない。
現に、発電機のたてるような音が、微かにだけど聞こえていた。

酔いが回ってくるうちに、かみさんが「寝ころんだ方が心地良いわよ」と言って、焚き火の隣にゴロリと横になる。
せっかくの美笛で文化的なキャンプをするつもりが、とうとうこの有様である。
お洒落でフル装備のキャンパーが集う美笛キャンプ場。
まるで川原キャンプのように焚き火の横で寝そべっているのは私たちくらいなものだろう。
アルコールが無くなったところで、9時前に就寝。


焚き火を楽しむ   焚き火を楽しむ
地べたに座って焚き火を楽しむ   寝転んでしまったかみさん

朝のカヌー野鳥のさえずりとカラスのやかましい鳴き声で目が覚める。
午前4時にしてはテントの中が暗すぎる。
外に出てみると、朝日を楽しむどころか、昨日以上に雲が低く垂れこめていた。
恵庭岳はその裾野がかろうじて見えているだけ。今日登る予定の風不死岳に至っては霧のベールに包まれてその姿さえ確認できない。

朝のコーヒーを飲んだ後、カヌー散歩に出かける。
キャンプ場の南の端、美笛川の分流部へとカヌーを乗り入れる。
昔はこの付近にも何度かテントを張ったことがある。
周りを樹木に囲まれ、プライベートサイトの様な雰囲気があるのだ。フウマを連れて初めて美笛に来た時も確かここにテントを張った気がする。
そこにはやっぱり、同じような犬連れキャンパーがサイトを構えていた。

ハンバーガーを作るかみさん朝食はハンバーガー。
丸太の上に腰掛けて、小さなテーブルの上で調理をするかみさん。
最後まで文化的キャンプとはかけ離れた美笛でのキャンプだった。

上空を覆っている雲は何となく薄くなってきたような気がするけれど、相変わらず山の姿は全く見えない。
「こんな時に山に登っても意味がないんじゃないの?」とかみさん。
風不死岳の山頂に着く頃に晴れてくれれば良いと思っていても、昨日実際に晴れたのは午後3時近くである。
それでも、晴れるかどうかは登ってみなければ分からない。
渋るかみさんに山登りの準備をさせて、午前8時にキャンプ場を後にした。

その後、風不死岳の山頂に立って、私たちは信じられない光景を目にすることとなるのである。



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