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隠れたサイトで朱鞠内湖キャンプ

朱鞠内湖畔キャンプ場(10月8日〜10日)

 10月の3連休は朱鞠内湖へ。
 キャンプ場を管理するスタッフの方のブログには毎日の様に朱鞠内湖の様子が紹介されていて、それを見るたびに今年は久しぶりに朱鞠内湖へ行ってみようと考えていた。
 最後に利用したのは3年前の10月、愛犬フウマとのラストキャンプの時である。
 それまではほぼ毎年のように訪れていた朱鞠内湖。その後3年間も足が遠のいていたことに、これといった理由は無いのだけれど、もしかしたらフウマとの思い出を残しておきたいとの気持ちが心の何処かにあったのかも知れない。
 天気も良くて久しぶりの朱鞠内湖キャンプなのに、土曜日の午前中につまらない仕事が入っていたため、出発は午後からになってしまった。

ダムの展望台から見た弁天島 そうして午後4時前にキャンプ場に到着。
 まず最初にダムの展望台から湖の様子を眺める。紅葉は始まっているけれど見ごろと言うにはまだ少し早い感じだ。
 出発間際に見たスタッフの方のブログには、「沢山のお客さんが来ている」と書かれていたので、湖畔寄りのサイトにテントを張ることは既に諦めていた。
 そこで、受付を済ませた後にまずは第1サイトの様子を見に行く。
 記憶はあやふやだけれど、我が家が一番最初にここに泊まった時は、確か第1サイトだったはずである。
 その後は冬のキャンプでは何度もテントを張っているけれど、それ以外の季節には足を踏み入れたことさえもない。たまに趣向を変えてみようと思ったのだけれど、やっぱりそこにテントを張るに気にはなれなかった。
 当然、誰もいるわけがないと思っていたその第1サイトに、ファミリーキャンパーが一組いたのには驚かされた。これでは、第2、第3の方も結構な人出かもしれない。

 もう一つ候補に考えていたのは、第2サイトの湖から離れたミズナラ林の中である。以前から一度はここにテントを張りたいと考えていた場所でもある。
 ところがそこには既に先客のテントが一張り。かみさんも「日当たりが悪そう・・・」と、あまり乗り気ではなさそうだ。確かにせっかくの晴天なのに、日の光が全く当たらない場所にテントを張るのも気が進まない。ここはもっと秋遅く、ミズナラの葉が全て散ってしまった後に利用するのが良いのだろう。
 でも、そんな季節ならばキャンパーも減って水際サイトも空いているだろうから、そうなればやっぱり水際へ行ってしまう。この林間にテントを張る機会はなかなか訪れそうにもないのである。

我が家の秘密のサイト そうして第3サイトへ移動。
 それほど混雑はしていないけれど、湖畔側の幾つかのベストポイントは全て押さえられ、それ以外にも車中泊らしき釣り人の車が何台か停まっている。
 その様子を見た時点で、私の心は既に決まっていた。
 今回のキャンプではただ静かに過ごしたかったので、少し我がままかもしれないけれど、他のキャンパーや車が視界に入ってくるのは避けたかった。
 そんな場所は10年前にテントを張ったあそこしかない。
 かみさんにも異存はなかった。
 サイトと言えるようなところではないけれど、樹木に囲まれ、他のキャンパーの姿も全く気にならずに過ごせる、我が家お気に入りの場所なのである。
 10年前よりは草木が茂ってきた気はするけれど、テントを張るのに問題はない。
 それよりも、苔が全体に広がって、その上にテントを張るのが気が引けてしまう。
 テントを張り終えた後は車を湖岸に移動させ、そこにカヌーを下ろす。
 ちょっと面倒だけれど、カヌーに乗りたくなればそこまで歩いて来れば良いだけである。
 あとは、椅子に座って眺める湖の風景さえ我慢すれば、こちらの方が快適なサイトと言えるだろう。
夕暮れ色に染まる朱鞠内湖 10年前のキャンプ日記を読み返してみると、その前にも一度ここにテントを張ったことがあったみたいだけれど殆ど覚えてはいない。
今の季節は5時過ぎには暗くなってしまうので、直ぐに夕食の準備に取り掛かろうと思ったが、木々の間から垣間見える夕暮れの湖が良い雰囲気だ。
 夕食の準備は後回しにして、まずはカヌーを一漕ぎすることにした。
 静まりかえった湖上。
 満月に近づいた月が湖面で揺れ、テントサイトの後ろの空がほんのりと赤く染まっている。
 夕間暮れの美しい風景が広がっているのに、湖上に浮かんでいるのは他に釣り人が乗るファルトだけ。
 まあ、わざわざカヌーに乗らなくても、普通のサイトのキャンパーは自分のテントに居ながらにしてこの風景を楽しめると言うことなのだろう。

 
湖面に月が映る   夕暮れの朱鞠内湖
湖に月が映る   夕焼けの中の切り株

 サイトに戻り、米を炊いて、焚き火を燃やして、ビールを飲んでと、色々と忙しい。
 夕食のメニューはチャンチャン焼き。
 アルミホイルに包んでフライパンで焼き上げる予定が、かみさんがダッチオーブンを使ってみたらというので、そうしてみた。
 結局は手間だけかかって、フライパンで焼いた方が早かった感じだけれど、美味しいチャンチャン焼きを食べることができた。
夜のサイト 食後は焚き火タイム。
 普通の薪の他に、自宅の木製物置を解体した時に出てきた木材も大量に持ってきて、それに加えて周辺の枯れ枝なども拾い集めたので、燃やすものに不自由はしない。
 木々の間から月の光が射し込む。
 第2サイトの方からは賑やかな笑い声が微かに聞こえてくる。
 第3サイトにもキャンパーは結構いるのだけれど、こちらからは物音一つ聞こえず、まるで誰もいないかのようだ。
 朱鞠内湖のキャンプ場は、第2サイトは仲間内で楽しく盛り上がりたいキャンパー、第3サイトは家族連れなど静かに過ごしたいキャンパーと、自然に棲み分けができている気がする。
 誰かがそうした訳ではなく、サイトの作りなどから自然とそうなっているのだろう。
 このキャンプ場の奥深さが、この事実だけで理解することができる。
 何時ものように二人でワイン1本を空けたところで我が家の宴会は終わりとなった。


月に照らされるサイト   焚き火を楽しむ
月明かりがサイトを照らす   思う存分焚き火を楽しむ

 夜中に目が覚めると、ポツリポツリとテントを叩く雨音が聞こえていた。雨が降ることなど全くの想定外だったので、焚き火用の薪も全て外に出したままである。
 もう1泊する予定なので、薪はあまり濡らしたくない。
 面倒だけれど、薪をテントの中に入れるためにシュラフから抜け出す。全然寒さを感じないのでそのまま外に出ると、辺りは濃い霧に包まれていた。
 雨音の正体は、木々の葉から水滴が落ちてくる音だったのである。

カヌーの上から眺める日の出 朝になって目覚めると、その霧もすっかりと晴れ上がり、風もなくて、朱鞠内湖の湖面には朝焼けの空が映り込んでいた。
 今朝はカヌーの上から日の出を眺め、そのままカヌーの上でモーニングコーヒーを味わうことにして、大急ぎで準備をする。
 そうして湖にカヌーを浮かべると、それまで静まりかえっていた湖面を、我が家のカヌーの立てる波がかき乱す。
 朝の静寂な風景を楽しんでいたキャンパーに申し訳ない気がして、急いで沖へと漕ぎ進んだ。
 やがて、朝日が中の島の向こうから姿を現してきた。
 日が昇るにしたがって湖上に光の道が伸びていく。
美しい日の出 中の島から外れた朝日を見たかったので、漕ぐスピードを速めて湖の中央へと向かう。
 北大島や更にその向こうの山々が淡く霞む中に、眩しいほどの朝日が輝いていた。
 そこで漕ぐ手を休め、パーコレーターでコーヒーを沸かす。
 白い湯気が上がり、コーヒーの香りが辺りに漂う。
 広大な朱鞠内湖の上にポツンと浮かんだカヌーの上で飲むコーヒーの味は格別である。
 朱鞠内湖では何度もカヌーに乗っているけれど、本当に美しい湖だと改めて実感する。
 朝のコーヒータイム終え、中の島の向こう側へとカヌーを進める。
 中の島と藤原島に挟まれた付近は僅かな風さえも遮られ、湖面は完全な鏡と化していた。
鏡の湖面に紅葉が映る 周りの木々の紅葉がその中に映り込みえも言われぬ美しさである。
 昨日の到着時には紅葉の見頃には少し早いと感じたけれど、この場所では正に今が見ごろである。
 ここでずーっと時間を過ごしたかったけれど、そろそろ朝食の時間なので、一度サイトまで戻ることにする。
 遊覧船が出航してきた。
 随分早い時間から運行するのだなと思ったら、どうやら釣り人を遠くのポイントまで運ぶのが仕事の様である。
 湖上から眺める第2サイトには色とりどりのテントやタープが並んでいた。
 夏のキャンプ場では同系色のコールマンやロゴスのテントがずらりと並ぶところだけれど、さすがに今時期の朱鞠内湖に集まるキャンパーは個性的な人が多いようだ。


カヌーの上でコーヒーを沸かす   遊覧船が出航
コーヒーの湯気を朝日が照らす   波を立てて遊覧船が出航

弁天島の紅葉
湖に映る弁天島の紅葉

 朝食を済ませてから、場内を散歩する。
 目当てはキノコである。
 しかし、残念なことに今回はキノコ図鑑を持ってくるのを忘れてしまったのだ。
可愛らしいベニテングダケ 我が家のサイトの周りにもいろいろなキノコが沢山生えていて、いかにも美味しそうに見えるキノコもあったのだけれど、図鑑が無ければ種類を判別できないのである。
 それでも我が家の場合、食・毒は関係なく、キノコを見るだけでも楽しめるのが都合の良いところだ。
 猛毒のベニテングダケが沢山生えているだけで歓声を上げて喜んでしまう。
 場内を歩いていて気が付いたのは、ドングリが全く落ちていないことである。
 今年は山の木の実が不作のため、餌を求めてヒグマが人里まで下りてくるとの話は聞いていたけれど、不作どころか一つも実が付いていないのだ。
 その代わりに、豊作だった去年のドングリが一斉に発芽して地面を覆っている場所があちらこちらで目に付く。
 こんな風景もあまり見たことがない。
 発芽したものが全てそのまま育つとは思えないけれど、これが来年以降どうなるのか、ちょっと興味のあるところだ。


一斉に芽を出したドングリ   黄色く染まるミズナラの林
このドングリが全て育ったら・・・   ドングリが不作のミズナラ林

ウルベシ橋からの展望 かみさんがウルベシ橋からの紅葉を見たいというので、散歩から戻って直ぐに車で出かけることにした。
 ウルベシ橋は国道275号の美深峠を少し超えた先にある橋で、天塩山系の山並みを一望できるビューポイントである。
 残念ながら紅葉最盛期にはまだ少し早く、期待外れの眺めだった。
 その後、母子里のクリスタルパークに寄り道した後は、蕗の台まで足を延ばしてみる。
 キャンプ場から蕗の台へは朱鞠内湖の西側を通る道道528号を走れば近いのだけれど、しばらく前からその道が通行止めになったままなので、現在は母子里側からしか行くことができない。
 私はまだ朱鞠内湖の周りを一周したことが無いので、蕗の台は未踏の地である
 母子里からは2車線の立派な舗装道路が続き、その先の蕗の台には一体何があるのだろうと興味が湧いてくる。
ゲートで道路は終わっていた ところが全く何も現れないまま、その道は突然、通行止めのゲートで終わっていたのだ。
 せめて、人が住んでいた形跡くらいはどこかにあるかも知れないと想像していたのだけれど、それも全くなし。
 この道は将来的には遠別まで繋がる計画があるようだけれど、もし繋がったとしても、そこを通る車など殆ど無いと思われる。
 つまり、今の世の中が大きく変わらない限りは開通する見込みのない道だと言える。
 「それなのに、何でこんなに立派な道路がここまで続いていたの?」と、狐に抓まれた気分である。
 笹に覆われた平らな土地が道路の周りに広がっていたのが、もしかしたら昔の町並みの跡なのかもしれない。
 そう思って家に帰ってから蕗の台のことを調べてみると、そこには旧深名線の蕗の台駅があり、1950年の人口は264人、小学校や中学校まであったらしい。
 それが1972年に住人がいなくなり、1990年には駅が廃止、1995年には深名線も廃線となる。
 昔の航空写真を調べてみると、私が町並みの跡だと想像した場所には何もなく、昔の蕗の台駅は全然違う場所だったようだ。
 こんな土地を訪れる時は事前の下調べが欠かせないのである。

 道道528号は相変わらず通行止めのままなので、もう一度朱鞠内湖の北側から東側を大きく回ってキャンプ場へと戻ってきた。
 軽いドライブのつもりが結局は100キロ近いロングドライブになってしまった。
 その間に風も強くなり、これではカヌーに乗る気にもなれない。
焚き火の前でまったり キャンプに来てもついつい動き回ってしまうのが私の悪い癖なので、今日はもう焚き火をしながらビールでも飲んでまったりと過ごすことに決める。
 そうなると、たっぷりと用意したつもりの薪もちょっと心許無いので、管理棟で一束400円で薪を購入。
 その気になれば場内でいくらでも拾うことができるのに、お金を払って薪を買うなんて、我ながら軟弱になったものである。
 昼食はちぢみと朝食の残りのピンネ。
 かみさんが安納芋を買ってきていたので、ダッチオーブンで焼き芋を作ることにする。
 オーブンでの焼き芋作りは初めてなのでどれくらいの火力にすれば良いのかも分からず、とりあえずは真っ黒焦げにしない様に弱火気味に1時間。
 焚き火の上に吊るしたダッチオーブンを弱火で維持するには火の燃やし方に気を使わねばならず、火の前に付きっきりでいなければならない。
 そのおかげで美味しい焼き芋が完成した。

 夕食はダッチオーブンで作る鳥粥。
 弱火で2時間。美味しくできるかどうかは火加減がポイントと本に書いてあったので、これもまた焚き火の前に付きっきりとなる。
 でも、焚き火の火力調整をしながらのんびりとビールを飲んで、全然苦になる仕事ではない。
焚き火台に乗せられた長い白樺 近くに切り倒された白樺の幹が落ちていた。長さは2m以上で、結構な太さもあり、持ち上げてもずしりと重たい。ほとんど生木に近そうだ。
 何を思ったのか、私はそれを拾ってきて、そのまま焚き火台の上に乗せてしまった。
 重みで焚き火台が潰れそうになる。
 無謀ともいえる行為だった
 でも私には何となくそれを燃やせそうな気がしたのである。
 黒く燃え残った薪が捨てられているのをキャンプ場で良く目にするけれど、私に言わせればそれは焚き火の美学に反する行為である。
 一度火を付けた薪は完全な灰になるまで燃え尽くさせるのが正しい焚き火なのである。
 それなのに、この長くて重たい白樺の幹を焚き火に投入するのは、かなり際どいチャレンジとなる。
 近くには、誰かが途中まで燃やしたもっと太い白樺が落ちていたけれど、さすがにそれを燃やし尽くす自信は無かったので手は出さずにいた。
 これならばぎりぎりで何とかなりそうだった。ただ、ダッチオーブンで料理を作るのには邪魔くさくてしょうがない。
 真ん中が燃え尽きてようやく二つに分かれたけれど、その2本もまた焚き火台から大きくはみ出していた。

鳥粥完成 夕方になれば風も止むだろうと思っていたが、全く止む気配はない。
 時々突風が吹き付けてきて焚き火の炎を大きく煽るが、その風の大部分は周りの木々が遮ってくれている。
 南からの風なので、サイトによってはまともにこの風を受けるところもあるはずで、この点でも今回のサイト選びは正解だったようだ。
 完成した鳥粥は手間をかけた分、とても美味しく仕上がった。

 食後はもう火力を気にすることなく焚き火を楽しめる。
 二つに分かれた白樺が更に二つに分かれ、これでようやく全てが焚き火台の上に収まる大きさになってくれた。
 ワインを1本あけ、残った缶ビールでだめ押しをして、焚き火台からの炎を上がらなくなったところで今日の宴会は終了となる。

雲に覆われた朱鞠内湖 翌朝になっても風はまだ治まらなかった。
 それどころか今日は天気が崩れてくるので、風は更に強まってきそうだ。
 問題は雨の降り始める時間である。
 雨雲レーダーを確認すると10時ころまでは天気が持つようなので、ゆっくりと朝を過ごせそうだ。
 昨日の白樺は予定通り全て灰に帰していた。
 それでも、その灰を掻き混ぜると、中の方ではまだ赤い燠がくすぶっていた。
 焚き火の前でモーニングコーヒーを味わい、昨夜の残りの鳥粥を朝食にし、撤収を始める。
 怪しげな雲に覆われていた朱鞠内湖上空も、車への積込が全て終わった頃になって、日が射してきた。
 そのために何となく去り難くなって、第1サイト周辺でぶらぶらとしてから帰途へついた。
小平町山中の紅葉 まだ時間が早かったので、日本海回りで帰ることにする。
 「以前にもこんなパターンがあったよな」と思い出してみると、前回3年前のキャンプの時も今回と同じく日本海周りで帰っていたのである。
 国道239号の霧立峠から道道126号の小平ダムにかけては正に紅葉真っ盛り。
 青空ならば最高の風景を楽しめたところだけれど、この辺りから雨雲と遭遇してしまう。
 その後の寒冷前線の通過に伴う嵐は凄まじかった。
 日本海から直接吹き付ける暴風と雨、カヌーを積んでいるので車が大きく煽られ、冬の吹雪の時以外で車の運転中に恐怖を感じたのは初めてだった。
 そうして無事に札幌へ帰着。
 久しぶりにのんびりとできた朱鞠内湖キャンプ。
 やっぱり年に何度かは我が家にとってこんなキャンプが必要なのである。

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