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旭岳の麓で山キャンプ気分

旭岳青少年野営場(7月1日〜3日)

 去年辺りから夏山にも登るようになり、もうそろそろ大雪山の山々にもチャレンジして良い頃合いかなと考えていた。
 週末の天気予報を見ると土曜日が天気が良くなりそうなので、金曜日の午後から休みを取って旭岳に出かけることにする。
忠別湖から見る大雪の山なみ そこで2泊すれば、真ん中の土曜日にゆっくりと時間をかけて大雪の山々を歩けるのである。
 無料化社会実験が終わってしまい、しかもETCの平日割引しか利かない状況の中、なるべく早くキャンプ場に付きたいので、旭川北ICまで高速道路を利用する。
 色々と新しい店が増えた東川町も、「まめや」でパンを、道の駅で味噌と豆腐を買っただけで、一路旭岳温泉を目指す。
 上空には素晴らしい青空が広がっているのに、大雪山の上にだけ雲がかかっていて、何処の山の頂上もその雲に隠されている。
 途中、大雪旭岳湧水に立ち寄って手持ちの入れ物全てにその湧水を満たす。我が家の旭岳キャンプではこれが欠かせないのだ。

雌花に覆われたエゾマツ久しぶりに訪れる雪の無い季節の旭岳。その姿に少し違和感を感じてしまう。
 8年前に旭岳野営場に泊まって以降、キャンプ等で旭岳を訪れたのは計4回。それは全て、真っ白な雪に覆われたウィンターシーズンだったのである。
 クリスマスツリーの様に雪を被っていたエゾマツも、今年は大量の雌花を枝先に咲かせて、そのせいで茶色にくすんで見えている。
 ちなみにこの花が「海の上に黄色い帯が現れた」とニュースにもなった程の、大量の花粉を飛ばした犯人なのである
 旭岳野営場に隣接して4年前に新しいホテルがオープンし、冬に訪れた時にはその建物がキャンプ場から丸見えなのではと心配していた。
 しかし、その建物は管理等からは丸見えなものの、サイトからは樹木に隠れて全然気にならないので安心する。
 キャンプ場へは我が家が一番乗り。今回はほぼミニマム装備に近いので荷物運搬も気にならず、一番奥のサイトにテントを設営することにした。
我が家のサイト 設営作業を始めるとともに、ブヨが一斉に集まってきた。
 特に、黒いタイツを履いているかみさんの足下めがけて群がってくる。
 かみさんが囮になってくれるおかげで、私の周りに集まるブヨは少ない。
 テントを設営し終わって、メッシュの前室に逃げ込むと、その中にはまるで虫取り網で捕獲したかのように大量のブヨが入っていた。
 それを全て追い出して、残ったブヨを一匹一匹指で潰してようやく一息付く。
 これがあるので、これからの季節のキャンプは好きじゃないのだ。
 テントの狭い前室に籠もっていても息苦しいだけなので、周りを少し歩いてみる。
 キャンパーも増えてきたが、何れも登山者の様である。
エゾノリュウキンカが咲いている 8年前に我が家がここに泊まった時は、山に登るなんて考えは全く浮かんでこなくて、周辺の遊歩道を少し歩いただけだった。
 それが今は、「登山目的以外でここに泊まる人がいるんだろうか?」なんて考えているのだから、随分と変わったものである。
 周辺には雪が溶けたばかりの場所もあって、そこではミズバショウやエゾノリュウキンカが花を咲かせている。
 今年の雪解けはかなり遅れているようだ。
 いつの間にか旭岳の山頂が姿を現していた。
 夕食はコンビニ弁当。
 本当はフリーズドライの山食で済ませるつもりだったのだが、キャンプ場に泊まるのだからそこまですることも無いだろうと、途中で買ってきたのである。
 考えてみたら、コンビニ弁当の方が安くて美味しいのだから、それが正解だった。
 その他に庭で収穫した野菜を持ってきたので、それにドレッシングをかけて食べる。
 「隣のホテルじゃ今頃は夕食の時間だよな〜」と言いながら、質素で美味しい夕食を楽しんでいた。
 明日の登山に備えて、辺りがようやく暗くなった8時半には就寝。

 
朝日岳の山頂が見えた   明日は晴れるかな

朝食風景 午前3時過ぎには目が覚めてしまった。
 でも昨夜は8時半には寝ているので、睡眠時間は十分である。
 外も既に明るいので、起き出すことにした。
 テントの中は結露がひどく、タオルで天井を拭くとその刺激で結露が雨となって降ってきた。
 外を覗くと青空が広がり絶好の登山日和である。 昨日の天気予報では昼頃までは曇りマークになっていたのに、良い方に外れてくれたみたいだ。
 東川町のまめやで買ったパンで朝食にする。
 登山の準備をしてロープウェイの駐車場に行くと、旭岳の山頂から朝日が昇ってきた。
 今日は楽しい山登りができそうである。

 (山登りの様子はこちら


旭岳から朝日が昇る   朝日を受ける川

 山から下りたら温泉に直行。
 気持ちよく汗を流した後はロープウェイ駅に戻って、そこの食堂でラーメンを食べる。
狭い前室の中でビールで乾杯 これが今日の夕食だった。今日こそは山食を食べるしかないかなと思っていたら、山から下りてきてそこのラーメンの臭いを嗅いだら、無性にラーメンを食べたくなってしまったのだ。
 でも、不味いラーメンを食べるくらいなら今時の山食の方が美味しかったかもしれないと、食べ終わってから後悔した。
 そしてテントに戻ってビールで乾杯。
 昨日から1本だけ残っていたヱビスビールと、何故か登別のわかさいも本舗で作っている旭岳麦酒の取り合わせが何とも不釣り合いである。
 ロープーウェイ駅の売店ではこの旭岳麦酒しか売っていなかったのである。
 テントの狭い前室の中では折角のキャンプでの開放感を味わえないので恐る恐る外に出てみたが、気になる程の虫は寄ってこない。
 それでもやっぱり、かみさんの黒タイツの回りにはブヨが寄り集まっていた。
 昨日道の駅で買ってきた平田とうふ店の寄せ豆腐を食べながら、昨日の残りの白ワインを飲む。
 これがなかなか美味しい豆腐で、これからは平田とうふ店のファンになりそうである。
 飲み物が全て無くなったところで、眠くて堪らずに就寝。外はまだ明るかった。

気持ちの良い朝 あまり早く寝すぎると、夜中の変な時間に目が覚めてかえって眠れなくなることを思い知る。
 今朝もテントは結露でびしょ濡れだった。
 今日は早々に撤収つもりでいたので、これではテントは濡れたままで車に積み込むしかなさそうだ。
 朝食はついに山食の五穀粥となる。
 今回は一般のキャンプ場に泊まっての山行だったけれど、気分だけは大雪山に登っての山キャンプになっていた。
 次こそは本当の山キャンプをしたいものである。
 濡れたテントを撤収していると、今度はヤブ蚊の猛攻撃を受ける。昨日までは蚊も殆どいなかったのに、たった1日で一斉に羽化したのかもしれない。
 今日も良い天気だった。
 朝日を浴びる旭岳の姿に再訪を誓って札幌への帰途についた。


朝日と旭岳

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