最後にもう一度キャンプへ行って、今年のキャンプを終わりにしよう。
予定は11月に入って最初の週末。それを逃すと、いくら暖かな秋が続いているとは言っても、キャンプをする気は失せてきてしまう。
日曜日にはシーズン最後の川下りを尻別川で楽しむ予定もあり、キャンプ場はその近くで探さなければならない。
そこで、10年ぶりにニセコサヒナに泊まろうと思って電話で問い合わせたところ、当日は貸切になっているとの答えが返ってきた。
「キャンプ場が貸切?」と驚きながらも、それ程サヒナに拘っていた訳でもないので、他の場所を探す事にする。
とは言っても、近隣の全てのキャンプ場は10月でクローズしているので、探すのは野宿地となる。
去年は、殆ど同じ時期に支笏湖で最高のキャンプを楽しんでいたので、そこも候補地として考えてみた。
しかし、2年連続で同じ事をする気にはならないし、天気は良くなりそうだと分かってはいても、去年以上に恵まれた条件になる事は多分ありえないだろう。
そこで、当日の天気とか風向きとか、日曜日の集合場所までの距離を考えて、洞爺湖の何時もの場所で最後のキャンプを楽しむ事にする。
洞爺湖へは高速道路を利用して一気に伊達まで走る。
最短距離のルートからはかなり遠回りになるけれど、上限千円の高速料金とエクストレイルの燃費を考えればそれも大して気にならない。
でも、大量に積み込んだ薪やら水が重たかったのか、それともスピードが出過ぎていたのか、燃費がリッター11キロちょっとまでしか伸びなかったのはちょっと残念だった。
瞬間燃費が表示される車に乗ると、燃費が気になって乱暴な運転をしなくなるのは良い事かもしれない。
前日まではっきりとした行き先が決まらず、キャンプの買出しもしていなかったので、まずは伊達市内のスーパーで買い物をする。
そして少し早めの昼食で、食べログのサイトで調べておいた手打ちそば「翁」へ入る。
店が国道から少し入った場所にあるので、見つけるまでに少し苦労させられた。
メニューを見てちょっと驚かされる。一番安いもりそばでも787円で、他は殆どが千円以上もするのだ。
でも、新そばが食べられるみたいだし、それで美味いソバが食べられるのなら不満はない。
で、食後の感想は、不味くは無かったけれど、「この値段で食べさせるソバじゃない!」と言うところだった。
食べログのサイトでは、地図を見ながらその付近の店を評判の高い順に調べられるので最近は重宝しているけれど、どうもこれだけを頼りにするのも問題がありそうだ。
店を探している途中でも、食べログには載っていない美味しそうな蕎麦屋の前を何度か通り過ぎていたのである。
その後はかみさんの希望で市内のパン屋「シュガーハウス」で少しパンを仕入れてから、洞爺湖へと向かう。
伊達にはあまり来る機会が無いので、少し市内観光もしたかったけれど、何せ今日のねぐらが決まらない事には落ち着かないのだ。
洞爺湖周辺では紅葉が最後の散り際の美しさを見せている。
落葉に埋もれた道を湖畔へと降りて行き、そこに張られたテントを見て驚いてしまう。
自分達以外にこんな場所でキャンプをする人間が居るなんて思いも寄らなかったのだ。
それに水辺にはジェットスキーまで浮かんでいた。
「参ったな〜」と思いながらも、私達がテントを張ろうとしているのは、そのもっと奥である。
そしてそこまでやって来ると、先程のキャンパーは山の陰に隠れて全く気にならない。
もしもここが駄目なら他の候補地も考えていたけれど、駄目な理由は何も見つからなかった。
早速テントの設営に取り掛かるが、その前に落葉の掃除の他にそこに落ちている大量のドングリも片付けなければならない。
このままでテントを張ってしまうと、足裏のつぼを刺激する突起だらけの床の上で寝るようなものである。
キャンプ道具の中に竹箒も積んできたら良かったと本気で思ってしまう。
|