道央自動車道を北上し、更に旭川紋別自動車道に入る。
走るにしたがって次第に青空が広がり、周囲の山々の紅葉もその色付きを深めてくる。
でも、そのどちらも私の期待していたものからは程遠かった。
しかしその様子がガラリと変わったのが、延長4キロの北大雪トンネルを抜けて白滝へと出てきた瞬間である。
真っ青な空が広がり、その下の全ての山々は完全に秋の色に染まっていた。
白滝インター出口の道の駅「しらたき」に立ち寄って、そこで売られていたエノキタケとボリボリを購入。
そしてその直ぐ近くの白滝高原キャンプ場のオートサイトにテントを張り終えた時、時間はまだ午前9時前で管理人さんも来ていなかった。
今回もキャンプ場選びには苦労させられた。
忙しいキャンプばかりが暫く続いていたので、今回は何もしないでのんびりと過ごすキャンプを考えていた。
候補地も色々と迷った挙句に増毛町暑寒野営場に決定。
ここならば暑寒別岳に登らなければ他にすることも無く、必然的にのんびりと過ごさざるを得なくなるのである。
貧乏性な我が家はついつい忙しく動き回ってしまうので、これくらい強制的な措置が必要なのだ。
しかし、この計画を狂わせたのが空模様だった。
数日前の天気予報では日曜日の午後から天気が崩れるはずだったのに、次第にそれが早まり、とうとう土曜日から雨が降り始める地域まで出てくる始末である。
こうなるとキャンプ場選びは天気が優先。
結局、天気の崩れが遅そうで、紅葉も見ごろを迎えているだろうと白滝高原に決めたのは、土曜日の朝に天気予報を確認してからのことであった。
青空も紅葉も、私の考えていた通りになってくれたが、そのために犠牲になったのが「のんびりキャンプ」である。
テントを張り終えたと思ったら、直ぐに車に乗って平山の登山口へと向かう。
のんびりしている時間など無いのだ。
カヌーで下ったこともある支湧別川沿いに車を走らせる。
登山口の標高は千メートルを超えるので、その付近の紅葉は既に終わっているだろうと諦めていたが、嬉しいことにその予想だけは外れてくれた。
エクストレイルで走る始めてのダート道と紅葉を楽しみながら、登山口の駐車場に到着。
そこには既に5、6台の車が停まっていた。
これから登る平山だけれど、昨日その名前を知ったばかりの山である。
遠軽町のホームページで白滝の観光スポットを調べている時に平山の名前を見つけた。
その名前から丘のような展望地だろうと思って調べてみると、北大雪の名だたる山の中の一つだったのである。
標高は1771mもあるけれど、登山口が既に千メートルを超えているので、それ程時間もかからずに登ることができる。
頂上からの展望も素晴らしく、花の季節には頂上付近は花畑が広がり、登る途中では幾つもの滝の姿を楽しめる。
これだけ知ってしまうと、のんびりキャンプのことなど直ぐに忘れてしまい、キャンプのメニューに急遽平山登山が加わることとなったのである。
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